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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

ワタクシたちが石狩市モーライの次に通ったのが、
当別町青山地区です。当別町は南北に長い町で、市街から産地まで20〜40kmはあります。
場所によっては、石狩市、厚田・浜益や月形町や新十津川町の方が近いほどです。
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ワタクシたちが当別川を下流からなぞる様にして探した産地の多くは、数年前、ダムの底になりました。
生まれ故郷が夕張シューパロダムの水底になってしまった以上の喪失感がありました。
Ryoさんと「沈む前に...」と、雨の日も雪の日も通いました。
化石採取の楽しさを教えてくれた思い出深い産地のひとつです。

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(長まるRyoさん..。ではなく滑って転んだところを激写)

大雑把に言って、当別層の化石は、多産、微妙、まず無いの3つに分かれます。
石狩市望来海岸に露出する当別層は化石の無い層です。やや内陸に入ると化石がチラホラ出てきます。
その多くは地層に直接入っていることが多く、風化も激しく余程丁寧に扱わないと
家に帰るまでに壊れてしまうかもしれません。

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(ノジュールを掘り出すイモートさん)

ワタクシたちが探していたのは、化石が多く、ノジュールもしくは地層直であっても保存の良いところです。
当別川のすべてを知っている訳ではありませんので断言はできませんが、
その様なポイントは全長70kmの流域でも、極めて少ないと思っています。
そもそも当別川は河床の地層が露出する箇所が少なく化石の観察にはあまり向いていません。

Ryoさんとワタクシは、当別のマコマが好きでした。
ぽっかりと予定の空いてしまった昼下がり、
よくRyoさんは「マコマ採りに行くか...」と言ったものです。
なんの変哲も無い二枚貝ですが、そのシンプルさも良いものです。
風化した殻が脆く、産出数の割に良いものを採取出来ないのも、
夜店の「型抜き」の様な面白さがあったのかもしれません。

この日も、Ryoさんは丁寧に周りの土を除去し、慎重にマコマを採取していました。
その横で、ワタクシはチゼルハンマーを勢い良く振るって、雑に河床を掘り返していました。
すると、見たこともない大型の二枚貝が現れました。
美しい殻のカーブ、うっすらと残る放射肋、柔らかく光る真珠層には
無数の細かなクラックが入り、川の水に濡れてキラキラと輝いていました。
そこからは、さすがのワタクシも慎重に掘り進めました。
随分時間をかけて掘り上げ、後ろにいるRyoさんに声をかけましたが、
掘るのに夢中で返事がありません。
近づいて、Ryoさんの手元を見ると、たった今、ワタクシが採取した貝と同種と
思しきものを掘っていました。しかも、ずっと大きい様です。
「Ryoさん...大物ですね(+∀+;)。 ワタクシ、今、似たのを採りましたよ」
「最初、ちょっと見えてた時は、キレイなマコマ見っけ!! と思ったんだけど、掘ると大きい貝だったんだよね。これ初めて見る貝だけど何かな?」
「詳しくわからないのですが、直感ではオオハネガイかと...」
「欠けちゃってるけどキレイな貝ね」
「もしオオハネガイだと、ある程度密集するかもしれないので、これから、この付近が楽しみですね(+∀+)!!」

しかし、その後、産地に近寄ることすら難しくなり、
この地で、オオハネガイを採取することは二度と叶いませんでした。

85mm
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125mm
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# by motoronron | 2016-03-17 23:59 | 当別 | Comments(22)
先月のRyoさんの長期休暇中、これまで採取してきたノジュールを整理し
中に何が入っているのか、片っ端から割り、大量の土砂の生産に勤しみました。
しかし、悲しいかなドシロート。恐ろしいほど沢山の石があったのに大したものは出てきませんでした(+∀+;)。

今日ご紹介するのは、そんな作業の中で見つかった、夕張スキスキノ川のナエフィアです。
これまで、道北のサントニアンでばかり採取してきたので、
自分たちのホーム、それもコニアシアンで出会えるとは思っていませんでした。

最初、この断面に気づきました。
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「あれ...これ、なんに見えますか(+∀+;)?」
「エゾイテス」
「いゃ、それは知ってる...。その横の断面です」
「わからん」
「ナエフィアな感じがしませんか...?」
「え〜。スキスキノ川でナエフィアなんて出たっけ?」
「たぶん初めてですよね」
「ふふふ...。さぁ、頑張って、この砂利の山から破片を探すんだ(^ ^)!!」

四分割になっていましたが、幸い主なパーツを見つける事が出来ました。12段ある様です。
下の方はパイライトが濃集し、キラキラと綺麗だったのですが、
ねっとりとして大変分離が悪く、クリーニングには時間がかかりました。

38mm
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# by motoronron | 2016-03-16 23:59 | 夕張 | Comments(6)
遠別には虹色で美しいメタプラセンチセラスが採取できるナンチャラ林道があるとかないとか。
その宝石の様に美しい写真は...オッケー!Google!! してください(笑)。
ワタクシもメタプラは大好きアンモのひとつなのですが、
主に注目しているのはそれ以外の化石です。
大した理由はなく、なんとなく気になるだけです(+∀+;)。。。
ツノガイが出た時はマジンコでテンションが上がりました。
風化してモッスモスになったツノガイを丁寧に採取し...
袋に入れる際、崖から落として粉々にしてしまい泣きました〜。

今回ご紹介する甲殻類の爪は「メタプラ以外」で最も多産する化石のひとつです。
小さなノジュールから、かなりの確率で出てきます。
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ナンチャラ林道で、こんなに爪が採取出来るとは知らなかったので嬉しい採取品となりました。
しかし...とても小さいのです。。。ノジュール25mm 爪8mm
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Ryoさんとイモートさんと「カニじゃカニじゃ(+∀+;)!!」と喜んで沢山採取したのに、
どこへしまいこんだのか...棚にはこんな中途半端な標本しかありませんでした。

オマケの写真です。
メタプラ以外のアンモでは割とゴードリ系が出た気がしています。
ところで、下のはストリアータムなのでしょうか?よくわかりません

検索で漂着した方、コメント欄をご覧ください。
ベテランの皆様に教えていただきました。
サハリナイテス・テシオエンシスだそーです(+∀+)!!

60mm
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他にも二枚貝、ルシノマの仲間、ミルティアも採取しているのですが、
見当たらないので、また後日(+∀+;)む〜ん。








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# by motoronron | 2016-03-15 23:59 | 道北 | Comments(10)
ワタクシたちが最も歩いている石狩市望来の崖では
ワタゾコウリガイに次いでオウナガイが多産します。
その割に状態の良いものは少なく、
変形、風化、破損のない美品を見つけるのは容易ではありません。
「化石採取」となると、そのような美品を探すのが常で、多産となると尚更です。
その中でワタクシは見落としていることや、思い込みが少なからずあったようです。そのひとつが

「オウナガイにはタマガイ類の捕食痕がない(ほとんどない)」

ワタゾコウリガイには捕食痕は普通に見られます。
あまりに産出数が多いのでそのように感じるのかもしれませんが、
オウナガイよりも産出数の少ないキララガイ、シラトリガイ、
ツキガイモドキには捕食痕が多い気がします。
キヌタレガイこそ捕食痕が無いイメージです。
海底の穴を掘って生息しているためタマガイの攻撃を逃れているのかもしれません。

オウナガイの捕食痕について、三笠私立博物館の加納さんに(いつものように)質問してみました。
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オウナガイの捕食痕は幌内層産の標本では普通に見られます。
割合は、ここのオウナガイの捕食痕について調べたAmano and Jengins(2006)によると
9%だそうです(45分の4)。望来のオウナガイの捕食痕の割合も調べ同様の9%だそうです。
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幌内層のオウナガイは非常に小型ですから、タマガイによく捕食されそうな印象です。
しかし、望来のオウナガイでも同じ比率というのには驚きました。
決して研究結果を疑うわけではありませんが、ワタクシの印象とはあまりに違いました。
多産していますから、約1割というのは、かなり多いと感じるのです。

これまで漠然とした印象や記憶しかありませんでしたので、
今年からは、オウナガイを含め、ポピュラーな種の捕食痕についても
どれくらいの割合なのか調べてみたいと思います。

ところで、これは以前掲載したツキガイモドキの写真ですが
半数に明らかな捕食痕が見られます(1,2,6)。
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一週間後、ワタクシたちも探しに行きました。合弁を12個採取しましたが、怪しいものは2つ。
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顕微鏡で穴の付近を観察しましたが、どうも確信が持てません。
今回は得られなかったということにしました。
コンテナをあさり、ひとつだけ見つけました。これは間違いがありません。
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このレベルのオウナガイを採取して、さらに穴を探す...。
これは、想像していたよりも大変な作業なのかも...(+∀+;)。








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# by motoronron | 2016-03-14 23:59 | 石狩 | Comments(4)
昨夏、Ryoheiさん来道の際に採取した腕足類です。
小平・太陽の沢の流れに降りてすぐに見つけたものです。
同じ石から、以前ご紹介したノコギリウニも採取しました。
また、すぐそばにあった同質の大きな岩からはサメの歯を沢山採取しました。
どれもワタクシの興味を引くものばかり。良い拾い物でした。

完全体では無いのが残念ですが、これまで採取した白亜紀の腕足類の中では大きな方です。
殻がいとも簡単に剥離して飛んで行くので、小さな割にクリーニングには大変時間がかかりました。

28mm
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腕足類特有の雲母の様な積層構造と独特のツブツブ
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# by motoronron | 2016-03-13 23:59 | 小平 | Comments(6)
2013年初冬

三笠・アッチャッチーの沢の細い横沢で採取したエゾイテスです。


当時の記事を読むと、コルディセラムス・カワシタイと思しきイノセラムスが出ているので
時代はコニアシアンと思われます。
当時、エゾイテス・ペリーニとエゾイテス・マツモトイと悩んだのですが、
ペリーニよりも肋がざっくりしていて、薄っぺらい...ということで、
エゾイテス・マツモトイで良いでしょうか(+∀+;)??

20mm
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# by motoronron | 2016-03-12 23:59 | 三笠 | Comments(8)
3月8日

Ryoは一ヶ月もの長期出張を前に「何が何でもモーライに行く(^ ^;)!!」と言い張ります。
正直、ワタクシは風邪をひいてしまっては困るし...と悩みましたが、
短時間という約束で行くことにしました。

久しぶりの巡検、用意もままなりません。
途中でカメラを忘れたことに気付き、他にも何か忘れ物が...?とイヤな予感。
「まぁ、ハンマーと手袋は確実にありますから大丈夫です...よね(+∀+;)?」
現地に到着し、自分の防寒着を忘れてきたことに気付きました(涙)。
天気は良かったのですが、かなり強い風が吹いていました。

急な暖気で崖は絶えず崩落し、幾筋もの細い滝が勢い良くしぶきを上げています。
ねっとりと崖を流れ落ちる表土は砂浜を這い進み、波打ち際を黄土色に変えていました。
ビーチコーミングをするほど漂着物はなく、ワタクシは少しでも温まろうと化石ゾーンまで早足で進みます。
大きなノジュールはあまりありませんが、化石を含んだ石はそこかしこにあります。

最近、モーライの記事を幾つか書き、あらためて自分がモーライの化石について何も知らないことを知りました。
この産地の化石に見覚えがある程度なのに、よく知った気になっていたのは否めません。
初心に戻り、経験で判断しないよう意識し、よく見て石を割り、さらによく観察します。
這いつくばって、自分の周りにある石を丁寧に調べます。

当たり前ですが、殆どはよく知る化石でしたし、なかなか新たな発見というものはないものです。
それでも、30分程して、少し離れたところに落ちている石に目がとまりました。
それは、ワタクシの酷く悪い視力でもフジツボの密集化石に見えました。
駆け寄って拾い上げ食い入るように細部を観察しました。間違いなくフジツボです。
正直、これまで採取したことがないのか...よく覚えていないのです。
拙宅の物置に積み上げられたコンテナの大部分は望来のものですから、
その中にはあるのかもしれません。しかし、近年「フジツボの化石を採った」という記憶はありません。
少なくとも密集は絶対にありません。早くも今年一番の化石を採取してしまったかも...と気分が高揚しました。
砂上に印をして化石をまとめおきました。Ryoは随分先に行ったとみえ、姿が見えませんでした。
追いつこうと歩みを速めた時、数十メートル手前の崖が「ドッ!」と大きな音をたてて崩落しました。
アッと言う間のことでした。手を打つほどの一瞬で大量の土砂と岩が砂浜を走り海に届きました。
これまで、幾度か崖崩れを目の当たりにしましたが、あらためてその凄まじさに圧倒され肝を冷やしました。
崖の向こうに消えたRyoは無事かと不安になり波打ち際を早足で歩きました。

200mm
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下部中央やや右よりに三角形で横しまのある盾板の跡もみられます
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# by motoronron | 2016-03-11 23:59 | 石狩 | Comments(4)
2015年9月下旬

来道されたハイパーもぐりさん、apogon2さん、もーりんさん、じゅりあさん、やままんさんの巡検に
Ryoさんとワタクシがお供したポンポコ川。
ワタクシは三笠層からオモローな化石を採取すべく
三笠コザコザ砂岩層を見つけては、片っ端から割っていましたが、
そんなことをしていたので、皆様にすっかり遅れをとってしまいました。

座り込み汗だくで大石を割っていると、Ryoさんがお昼ご飯を届けにきてくれました。
「あ〜...わざわざすみません。Ryoさんは何か良いの採れましたか(+∀+)?」
「ん〜、あんましないね。あ、でも、サメの歯ちょっと採ったよ」
「凄いじゃないですか〜!! 見せてください」
Ryoは幾つか石を取り出しました。
「どれどれ...。うん、間違いなくサメの歯ですね。先端が欠けているのが惜しいです。こっちは...最初から破損していたみたいですね」
「ねぇ、コレは...ちがう?なんだかあんまり光ってないんだよね。貝かな?」
灰色のエナメルが1cmほど覗いていました。
「確かに...輝きが弱いですね。少し風化しているんでしょうけど、おそらく大きめのラムなだと思います」
「そっか〜。良かった〜(^ ^)。」
Ryoはそう言うと、リュックにポイポイッと無造作に石を入れ、また上流へ戻って行きました。

そんなRyoさんの採取したサメの歯化石のひとつがこれです。
先端が欠け、やや変形と風化がありますが、割と大きなクレトラムナだと思います。


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# by motoronron | 2016-03-10 23:46 | 三笠 | Comments(8)