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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

夕張・ダイスキノ川・その1

2011年5月中旬

前回の夕張でのスナモグリ探しの二日後。
ワタクシたちは上流方面へと向かいました。
今度は白亜紀の化石に出会えるはずなのです...。

好天に恵まれた前回と違い、寒の戻りで風も冷たく薄曇りの午後でした。
最初、林道への入口がわからず、しばらく行きつ戻りつしましたが、どうにか辿り着きました。
殆どの林道が封鎖されている中、ここは運良く開いていました。
つまり、とても整備され使われているか、工事関係車が多く通るかのどちらかとも言えるので
手放しでは喜べません。果たして後者でした。
キャタピラの深い跡がクッキリと何本もあります。工事車両と鉢合わせぬ様、
ライトを点け、おそるおそる進入します。
始めの数百メートル程は比較的安定した路面でしたが、途中からぬかるみはじめ、
大きく深い水たまりが連続して出て来ました。
林道は狭く、避ける事が出来ない程水たまりが大きいため、
仕方なくザブザブと飛沫を上げ泥水を分けます。
昨秋、初のスタックを経験したワタクシは、も〜心拍数MAX(+∀+;)!!
右手に現れた崖は、崩落したらしく、ブルドーザーで大雑把に岩を除去してありましたが、
車高のある車ならばまだしも、ワタクシの車ではお腹を擦ってしまいます。
用心していても、時折「ゴリッ!!!」とイヤな音が足下から聞こえ、Ryoと顔を見合わせます。
何度も大きな石を除けたり、窪地を埋めたり、水深を確かめたりしながらの前進です。

左手に大きな砂防ダムが出て来ました。地質図によると、この辺りから白亜紀が始まっている様です。
ダムへと続く作業道の横に車を停め、ダムの下流側へと降りてみました。

川に入って1分経たぬうちにノジュールを見つけ、割ってみるとアンモナイトが出て来ました。
夕張・ダイスキノ川・その1_e0290546_2014860.jpg
「Ryoさ〜ん(+∀+)!!アンモアンモ!!ありますよ。ここからドンドン上へ行ってみましょう」
「アタシ、チビセラムス出た〜。ちゃんと白亜紀だね〜」
「ん〜、幸先イイですね〜(+∀+)!!」
ダムを越え、ウキウキと上流へ進みます。
「あ〜、大きなアンモの破片があるよ」
「こんなのも出るんですかね〜。楽しみですね」
夕張・ダイスキノ川・その1_e0290546_2014854.jpg

「でっかいイノセラさん出た!!!」
「こっちはポリプチさんとゴードリさんです」
「ここのは金ピカ系が多いね〜」
先行者の割跡もありますが、ベテラン様と見え、小さなノジュールは無視している様でした。
夕張・ダイスキノ川・その1_e0290546_20193455.jpg

夕張・ダイスキノ川・その1_e0290546_2015102.jpg
「ここはコザコザ系が多くてイイ川だな...」とRyoはとても上機嫌です。
たしかに、これまでの白亜紀採取では、こんな短時間でヒョイヒョイ採れた事はありませんでした。

天気が悪かったこともあり、日が傾くと、すぐに暗くなって来ました。
タイミング良く左手に陸に上がれそうな低い場所が出て来ました。
季節柄、水量は多く、採取時間も短かったですが、とても楽しい時間でした。
初めての場所でそれなりに採れると、やはり嬉しいものです。
長靴をポッコポッコとならしながらの帰り道。あれこれ話しが弾みました。
ワタクシたちは化石を沢山与えてくれ、雰囲気も明るいこの川がすっかり好きになってしまいました。

水たまりが出てくる度、左右に別れて進みます。
「元来、悪い道じゃなさそうですけど....今はやたら水気が多くて荒れてますね...車でここまで来なくて良かった〜」
「ダイジョブ×2....(^_^)v」
「もう、二度とスタックしたくないんですってば〜。あの時は、四輪全部埋まっちゃって、すっごく大変だったんですから〜....」
「大丈夫。アタシも手伝うから! 鐘ふって応援するから!! 」
「あ〜........アリガトーゴザイマス(+∀+;)....。」
「ね〜、また明日来ようよ〜」
「ん〜...どうしますかね...道がちょっと....」
「このつづき、どうなってるのかな〜?」
「ここは上流までずっと白亜紀ですし....。この感じなら、まだ採れそうですよね...」
「だから〜ぁ、明日、来ようってば〜!!」
「ん〜〜.........ですねっ!!(+∀+)」

車に乗り込み、再び道路を補修しながら、ソロソロと帰ります。
すこし開けた窓から、ふわっと硫黄の匂いがしました。
「....今、なんか、匂いましたよね...?」
「した。温泉みたいな匂いだった」
車を止め、辺りを探索してみました。よく見ると川縁に白い部分があります。
近寄ってみると、流れた跡や水底は真っ白で、たしかに硫黄の様です。
少し高い所から、クプクプと小さな音を立てて水が湧き出しています。
夕張・ダイスキノ川・その1_e0290546_20154042.jpg

「こんな風に温泉が湧いているのを見るのは初めてですね」
「温かい?」
「いや、冷泉みたいです...。ちと残念。でもイイ匂いですよ(+∀+)ちょっと、お風呂に入れてみたいです」
どれどれとRyoは水をすくってから手の匂いを嗅ぎ...
「くせっ!」
と言い放ち、ピッピッと鋭く水を切りました。
「.........(+∀+;)。。。」
「☆さんなら、ココでも入っちゃうんだろうね(※)」
「どんな浅い所でも、ゲロゲロした所でも尻湯とかしちゃう方ですからね〜」

「さ! 明日も来るぞっ!! 今日はお腹すいたから早く帰ろうよ〜!!」

短い1日でしたが、沢山の発見と出会いがあった日でした。

(※)☆さん(ぴかりんさん)ブログ「其れ探☆日記(旧:北海道中野湯くりげ)」の作者さん。
野湯を求め、どんな山奥へでも単独で行ってしまうスーパーウーマン。
ワタクシたち大変尊敬しておりますが、とてもマネはできません〜(+∀+;)。

相変わらず、未クリーニングが多いので、とりあえず見れそうなモノだけ〜...。
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by motoronron | 2012-08-31 20:58 | 夕張 | Comments(8)
Commented by ZX9-R at 2012-08-31 21:11 x
最近は危険なシーンが出てこないので安心して読んでいられます~・・・実はちょっと期待していたりして(笑) 最初のアンモはなんでしょうか?凄く気になりますね。林道の恐怖感、すご~くわかりますよ。私はスタックしたことはありませんが、一応牽引ロープは持参しています。でも、結構グイグイ行くタイプですね。
最後のゴードリ君が金ピカで素敵ですよ。
Commented by アルビアン at 2012-08-31 21:34 x
こんばんは、夕張繋がり楽しいです。素晴らしい成果です。私は、20年前には、羽幌でランクルを川に落としました、今では笑い話しですが、118センチのアンモナイトをウインチで引っ張りましたが、車が負けて、川にドボン、最悪の1日、山から町まで、歩き救助要請した経験があります。スタックは毎回です。やりすぎ都市伝説、今回も素晴らしい記事楽しみました、(^○^)
Commented by fossil1129 at 2012-08-31 21:43
異常巻きとパキでしょうか?
ZX9-Rさんと同じく、最初の画像アンモが気になります。
化石画像3枚目の縫合線アンモも気になります。

スタック経験はないので、
北海道をなめた車を買ったこと、ちょびっと後悔しています。
Commented by はにわ at 2012-08-31 21:47 x
狭い林道で工事車両との鉢合わせいやですよね。絶対こちらがバックして道を譲らなければならないプレッシャーたるや!!。タイヤをとられて身動きできなくなる恐怖。化石採集に危険はつきものですね。
アルビアンさんはランクル落としたんですか!?もう絶望ですね
パカっとイノセラがとても綺麗です。冷泉の発見一儲けできそうですか
Commented by もとろん at 2012-08-31 21:48 x
ZX9-Rさん、おこんばんは〜(+∀+)!!
いやは〜...。そんなワイルド人間じゃないですよ〜(+∀+;)。
最初のアンモ...なんでしょね〜(笑)?
ワタクシも記事を書くにあたり写真を見返していて、
あれ?コレナニ?と思いました。
ZX9-Rさんがお分かりにならないのでしたら、ワタクシにはちんぷんかんアンモです。
いずれクリーニングしましたら、また記事にしますね〜(する程のモノじゃないかもしれませんが)。
皆さん、安全対策をイロイロとしていらっしゃるのですね。
初スタックの際、ジャッキを入れるスペースが無く、
とても苦労しました。ネットでエアジャッキというのを見つけ、
コレイイかも〜(+∀+)と思っております。
ところで「山に行きそうな車」にお乗りですか(笑)??
Commented by もとろん at 2012-08-31 21:56 x
アルビアンさん、どもですぅ〜(+∀+)!!!って!!!!!!!!!!!!!
えーーーーーーーーーーーーーーっ(+∀+;)!!!!!!!!???????
ランクルが川に落ちた...って(汗)。。。。
ど〜考えても、アルビアンさん以上にワイルドな方はいないのではないかと(+∀+;)??
羽幌で伝説として語り継がれていませんか?
その後、118cmのアンモさんはどうなったのでしょうか?
このエピソード「化石風土記・2」に掲載しましょう(+∀+)。
Commented by もとろん at 2012-08-31 22:00 x
fossil1129さん、おこんばんは〜(+∀+)。
え〜...(+∀+;)fossil1129さんもお分かりにならないのですか〜...。
内心、アップしたら、ズバッと解決するかもと期待していたのですが...。
やっぱり、コンテナから探し出してクリーニングしてみますね。
ノジュールの割れる角度が悪くて、わかり難い様な気もしています〜。
山奥の夕方にぬかるみでスタック、泣きそうになりました〜(涙)。
Commented by もとろん at 2012-08-31 22:07 x
はにわさん、まいどさまですぅ〜(+∀+)!!
ワタクシは運転が超ヘタなので、崖っぷちの林道で対向車が来て、
プレッシャーの中、バックで戻るなんて絶対に避けたいです〜。
運転を見られていることすらプレッシャーだというのに...(涙)。
Ryoさんが助手席にいる事は本当に助かっています。
化石を求めて走っている時はさほど恐怖感が無いのですが、
後から思えば..よく、あそこに行ったなぁ〜...(+∀+;)。
と、恐怖することがありますです。
冷泉長者...(笑)無理そうですが、暑い日に浸かってみたい気もしました。
でも...蚊の猛攻にあいそうで躊躇してしまいます。