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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

砂川+α・道行き三人・その1

2011年10月下旬

ワタクシのイモートさんが茨城から帰省しました。
3人での化石採集のために帰って来たと言っても過言ではありません。
それはそれは....大変な意気込みです。短期間に出来るだけ多くの産地を詰め込みました。

1回目・夕張・紅葉山・幌内層の川3種盛り
2回目・夕張・ダイスキノ川

「さて...イモートさん、あとドコ行きたい(+∀+)?」
「そりゃ、ダイスキノ川に決まっているでしょ~(θ∀θ)!!!」
「それは、昨日行ったから、まだダメ~」
「...タカハシホタテは?」
「もう、当分いらない...」
「.....(;θ∀θ)じゃー、ドコがいいのよ」
「新地開拓に行く?ぜ~んぜん採れないかも、な~んにも無いかもだけど~(+∀+)ははっ」
「....(;θ∀θ)...い...いいよ...。」
「じゃー、このあたりっ!!!」
ワタクシがビシッと地図を指差します。
「なんか...テキトーに指差してませんか...(;θ∀θ)??」
「ナニを言うとりますかっ(+∀+;)!!!ココには鮮新世・幌倉層があるのです」
「で、そのホロクラでは....何が採れるのですか?」
「イロイロです....。キミの欲しいタカハシホタテも出るかもしれません。そして、ワタクシたちが欲しい、それ以外の化石が出る可能性もあります。そうであって欲しいものです。そうそう...近いので奈井江の植物化石も採りに行きましょう........」
ワタクシたちの横でRyoは何も口を挟まず、黙々とポテトチップスを食べているのでした。

折角の機会ですから、イモートさんを色々な所へ連れて行ってあげたいとは思います。
しかし、ワタクシひとりで彼女たちをサポートするには限界があります。
だから、いつもの様に見知らぬ産地の川をドンドン遡る、というプランは避けてしまいます。
本当ならば、そんな体験もさせてあげたいのですが...。
それには、ワタクシのスキルアップが必要かもしれません。

まず向かったのは、奈井江川の下流。1年ぶりです。
秋も深まり、川面に葉の色が溶け、前回来た時とは雰囲気が違います。
相変わらずの化石量。泥岩層を割ればいくらでも出てきます。
30分で十分過ぎる程採れました。ココはイモートさんも大満足です。
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次いで、砂川市の「石山」南側の麓を東から西へ流れ
ペンケウタシナイ川に合流する細い川「北のぴっかり一番の沢川」です。
地形図を見ていて、やたら家屋が目立つのでイヤな予感はしていました。
川に沿って走る道路も大変立派です。ますますイヤな予感がします。
目的の橋の欄干には大きな牡鹿のレリーフがあります。完全にイヤな感じです...。
収穫の終わった畑の横に駐車し、ウェーダーに着替え、準備万端で川を覗き込み一同、唖然....。
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「あっ...(;θ∀θ)!!!!」
「うぅ....(+∀+;)....これは...」
「あ~ぁ...。こりゃダメだな...」Ryoはさっさと踵を返して車に戻ってしまいました。
御丁寧に三面護岸が遥か遠くまで施されていました。さすがにコレでは手も足も出ません。
「この川の支流に行ってみましょう。ここまでは護岸していないと思います」

600m程東へ進みます。左手に廃棄場の入口の看板がありました。
ここの様です...も~....めっさイヤな感じ(+∀+;)。
砂利の坂道を登って行きます。右手に川が平行して流れているはずなのですが、
深い上、背の高い草が邪魔をして少しも見えません。
左手に廃棄場への道があります。そのまま少し進むと広場に出ました。直進すると畑の様でした。
これ以上奥へは進めません。やむを得ず、ここからスタートする事となりました。
川は随分下の方です。草の間から覗き込むと苔生した護岸が見えました。
ここもあまり出そうにありませんが、一応、降りてみることにしました。
雨に濡れた笹に掴まりながら、ソロソロと急な斜面を下ります。
護岸は一部で露頭も少しですがありました。しかし、探している地層とは様子が違う様です。
細かな浮石と礫が多く含まれています。ひとつ上の鮫淵層の様です。
転石にも化石は含まれていません。
不法投棄の金属パーツにウェーダーを裂かれぬかとヒヤヒヤしながら、
下流へ向かって約200mほど歩きましたが、深い淵があり、
これ以上進めなくなってしまいました。
ここまで化石の痕跡すら見つける事が出来ませんでした。
いつか、もう少し上流も調べたいと考えています。

『どんな時でもボウズで帰らない』がモットーのワタクシたち。
こんなことではいけません~...(+∀+;)。。。
次に、砂川市と滝川市の境界付近、空知川の細い支流「ダメ馬さんの沢」にやって来ました。
なんと....最初から三面護岸と通行止めとゴルフ場に阻まれました...。
いくら新地開拓とは言え、今日はヒド過ぎます(涙)
とりあえず、護岸が途切れている、すぐ側の流れを見る事にしました。
草深く斜面もキツいため、イモートさんは転げ落ちる様に降りて来ました。
木々に覆われた暗く細い流れを腰を屈め彷徨います。
「あ.....これ....(θ∀θ)....」
イモートさんが手のひらサイズのノジュールを見つけました。
表面には貝の破片が見えています。
「おぉ!!でかしたぞよ(+∀+)!!!」
割るとツリテラとキララガイが出て来ました。
辺りには似た様な石も、化石の出そうな場所もありません。
これは上流からの転石に違いありません。三面護岸の先にかならず化石があるはずです。
三人、今度こそはと意気に燃え、護岸を突き進みます。

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400m程で護岸は終わり、泥岩層が見えて来ました。
しばらくすると白い化石の入った石が目立ち始めます。
下流で拾ったノジュールはここから流れて来た様です。
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川底には大きなタカハシホタテ、タカハシホタテの稚貝の密集、大小の二枚貝、巻貝が見えます。
硬い砂岩質のノジュールになっているものと、泥岩層に直接入っているものの二種類があります。
タカハシホタテは沼田産よりも、やや小さいものが多いと感じました。
いずれも、二枚貝類は極めて分離が悪いです。
川の流れに抉られた部分の奥に層になってツリテラが沢山入っていました。
「スゴイですよ~(+∀+;)!!ツリテラいっぱいです!!しかも、キレイな状態です」
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三人、窪みに顔を突っ込み、その良好な状態を褒めながら慎重に掘り進めます。
全国的に、ツリテラ(キリガイダマシ)は、珍しい巻貝ではないと思います。
ワタクシたちがよく行く当別川でも多産します。
しかし、ワタクシたちがコレまで採取してきたのは、モサモサと風化した様なものばかりでした。
当然、鋭い先端に行く程保存状態は悪く、残っていても砂糖菓子の様に崩れてしまう事が殆どでした。
こんなにしっかりとしたツリテラに初めて出会え、本当に嬉しかったです。
この川は、さらに上流へ行くと漸新世・高根層に入り、植物化石が出るはずなのですが、
今回は時間があまり無いので、一時間程採取をして次の川へと向かいました。

ラストは、新十津川町と雨竜町の境界を流れる「尾が白っぽい川」の支流です。
両岸には広大な中新世~鮮新世が広がり、上流までずっと化石が出る可能性があります。
濃厚にカラムーチョ臭が充満する車内は、先ほどの成果もあって賑やかです。
「次は、ドコドコ~(θ∀θ)??」
「さっきと同じ鮮新世だけれど、幌加尾白利加層といって、もうちょっと下の層です。沼田のタカハシホタテと同じ地層です」
暑寒湖へ行く途中の道を左折し、本流を渡ります。入口付近は思ったよりも拓けています。
ある橋の下を覗くと赤茶けた泥岩層が露出していました。なんとなく良さそうです。
時間は残り少なく、コレまでのロスがあるので焦ります。
さっそく、立ち木にロープをかけて、まずワタクシだけが降りて偵察します。
橋の上から見下ろしている二人の期待感いっぱいの眼差しを感じながら、
足早に歩き回り、地面に目を走らせます。巻貝の渦巻き模様を見つけました。
「ココはありますよ~(+∀+)!!降りて来てくださ~い!!」
貝化石の痕跡を探す時、自然と「白い破片」を想像してしまいがちですが、
ここのは全て、産出する泥岩と同じ色です。というよりも、その泥そのもので出来ています。
Ryoはすっかり馴れたものですが、イモートさんは左右に振れながら、危なっかしく降りて来ます。
二人とも着地するやいなや探査を開始しました。
「二枚貝みつけた~!!」
「あ、ここイッパイある~」
皆、一生懸命掘ります。
「わっ!!わっ!!(+∀+;)!!みてみて。フジツボですよ~!!おっき~!」
「おぉ~(;θ∀θ)!!」
「まだ、いっぱい入ってるね~。コッチには巻貝があるよ」
「ウニもありますよ~(+∀+)!!」

泥化石の割に分離も良く、化石自体思ったよりも丈夫の様です。
大好きなウニやフジツボがポコポコと採れとても楽しいです。
しかし、10月下旬とあって日暮れも早いです...。
「沢山ある様なんですが~...もう暗くて全然見えません。そろそろ終わりますか...」
「ん~、ザンネン(;θ∀θ)」
「明日もこよ~よ」
「では明日、もう一度ここで採取した後、上流や露頭を見て歩きましょう(+∀+)」
「やった~(θ∀θ)!!」

帰りの車中は、Ryoもイモートさんもすっかり疲れ果て、
お菓子の袋を抱いたまま、グウグウ眠ってしまいました....。

その2に続く....(+∀+)。


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by motoronron | 2012-09-03 15:39 | もろもろ産地 | Comments(14)
Commented by はにわ at 2012-09-03 18:08 x
今日はイモートさん連れでの採集、とても楽しそうです。記事もいつにもましておもしろいですよ。私たち化石ブロガーなら数回にわたってUPするような内容です。それにしてもタカハシホタテが当分いらないなんて、なんて贅沢な・・羨ましいですよ!
新しい産地見つけるのは難しいですけど、見事に発見されてますね。北海道は割りと簡単に見つかるものなんですか?それとも、もとろんさんの眼力がすごいのか
Commented by もとろん at 2012-09-03 18:33 x
はにわさん、おこんばんは〜(+∀+)。いつもありがとうございます〜。
以前、タカハシホタテ...超イッパイ採ったんです〜(+∀+;)。
おっきい上にメチャメチャ重いので帰る時たいへんでした。
タカハシホタテを採取した時、他の貝の保存があまりに悪くて、
すこしでもまともなモノをということで今回の採取でした〜。
そうです...ワタクシの眼力が凄すぎるので空振りするのです〜(+∀+;)。。。
たぶん北海道は簡単にみつかるところなんだと思います。
皆さまなら、絶対に外したりしないと思いますです〜。
採れないと同行人に申し訳ない気がしてしまいますが、
個人的には新地開拓とても楽しいです〜(+∀+)。
Commented by アルビアン at 2012-09-03 19:55 x
こんばんは、妹さんも参戦ですね、これは楽しいですね、何時もながら、素晴らしい採集です。タカハシホタテは沼田が一番大きくて膨らみますね、滝川や深川辺りは、膨らみが少し少ないですね、環境による個体差ですかね、どうして絶滅したのか、今、生きていれば貝柱がデカイですねー、バター焼きで食べたい(^○^) ツリテラも空知川に大量産地がありますね、北竜あたりの硬い砂岩ノジュールからは、黒いツリテラが採集されます。お尻が白い地域は、ブンブクもありまし、そこから北側はブンブクエリア、良い地域です。もとろんさんの三紀ネタは、私は大好きです。(^○^)
Commented by apogon2 at 2012-09-03 20:27 x
見事な紅葉ですね。そして3人でワイワイガヤガヤ・・こんな紅葉の中、化石採集はさぞかし楽しかったと思います。成果もありましたね。綺麗なツリテラです。タカハシホタテも素晴らしい^^。
昨日の巡検ではもとろんさんの影響でアンモ以外の化石を探すのに夢中でした。おかげでモミジソデガイ、2個も採取出来ました^^。
Commented by ZX9-R at 2012-09-03 21:00 x
妹さんも負けず劣らずですね。そういえば私も息子と一緒に姉や両親を連れて行ったことがありましたよ。それ一回きりでしたが(笑) 確実巡検かと思いきや、今回も冒険巡検が入っています。フロンティア精神バリバリですね。それにしても1日で結構な数の産地を回りますね。私なんか一沢でも、結構ヘトヘトになっちゃいます。だってオッサンなんだもん(笑)
Commented by もとろん at 2012-09-03 21:00 x
アルビアンさん、おこんばんは〜(+∀+)!!
あ、やっぱり沼田産の方が大きい感じなんですね。
大きい貝柱の話、Ryoさんがいっつもしています〜(笑)。
空知川は何度も行くのですが、いつもドドド〜ッと流れていて、
少しも川底が見えません。いつか採取してみたい場所です。
黒いツリテラなんてあるんですね(+∀+)!!北竜方面も行っているので、
いずれ出会えるのかしらん?尾が白い系はウニ目当てだったのですが、
本流は、やはり増水していて、あまり見る事が出来なかったです(涙)
いつも、沢山の情報をありがとうございます〜(+∀+;)!!
Commented by もとろん at 2012-09-03 21:06 x
apogon2さん、まいどさまです〜(+∀+)!!
紅葉の季節の化石採集、美しいですし、暑がりなワタクシ的にはとても良い季節なのですが、
俄然くまたんの足跡が多くなってナーバスになるです〜。
モミジソデガイですか〜!!うっらやますぃ〜(+∀+;)!!
昨年、古丹別でニョロ〜ンと伸びたのを初めて採取しました〜。
トゲトゲ系と言えば...。アクキガイを奥尻島に採取に行きたいね〜と
ずっと、Ryoさんと話しています。ワタクシ、船と島が大好きなので
いつか、必ず行きたいです〜。もちろん礼文島で白亜紀も〜(+∀+;)!!
Commented by もとろん at 2012-09-03 21:11 x
ZX9-Rさん、おばんです〜(+∀+)!!
(笑)ずいぶん沢山で行ったのですね〜(+∀+)。
ご家族の皆様のご感想はいかがでしたか?
そういえば、数年前、幾春別川で採取していると、
二人の男女がやって来ました。ここ採れますよ(+∀+)とお教えすると、
ぞろぞろとおじいちゃんおばあちゃんまで降りて来てビックリしました。
たしか...群馬から来た方達でした。
出来る事なら、もっともっと、いろいろな産地を見て見たいです〜。
Commented by fossil1129 at 2012-09-03 21:57
もとろんさん
いろんな時代、いろんな産地、いろんな化石、楽しんでおられますねぇ~。

女性がいっしょなら、着がえ&トイレの確保が重要ですが、
もとろんさんのことだから
そのあたりの配慮はバッチリなんでしょうね。

私は、同僚女性3人との北巡検は
ずいぶん気疲れしました。

紅葉の季節の巡検、私も経験してみたいなぁ~。
Commented by motoronron at 2012-09-03 22:16
fossil1129さん、どもです〜(+∀+)!!
いろいろ行くのですが、採取が中心で全く深くならず、
本当にお恥ずかしいです〜。
本当は、もっと色々気を使わなければならないのでしょうが...。
Ryoさんもイモートさんも着替えとトイレ、結構平気みたいです〜。
ワタクシ、助かってますね〜(+∀+)。。。
同僚の女性の方とは....ちと...というか...かなりキツいですね...(汗)。
オールシーズン、fossil1129さんが北海道に来て下さったら、
素晴らしい発見をもっともっとブログで拝見出来るのですが...。
Commented by もーりん at 2012-09-03 23:47 x
おふたりは化石の対象の幅がかなり広いのですね。アルビアンさんの後継者ですね(*^_^*)私は狭い住宅事情を考えると、採集にもブレーキがかかってしまいます。タカハシホタテも1個だけのお持ち帰りにしました。(^_^;)
イモートさんも化石好きとは・・・かなりレアな遺伝子をもった一族ですね。
Commented by もとろん at 2012-09-04 01:09 x
もーりんさん、こんばんは〜(+∀+)!!カキコミありがとうございます〜。
まったく....節操無く採取しております〜。
とととととんでもごじゃりませぬぬぬ...(+∀+;)!!!
アルビアンさんの足元のバクテリア程度です。人類になるまで遠い道程です。
タカハシホタテ、いつか記事にしますが...。
「すんごく重い...(+∀+;)??」と不思議に思いながら帰って来ましたら、
Ryoさんが、かなり破片もいれてくださっていたのでした〜。
重さの割に完品が少なかったです〜(笑)。
イモートさんはこの度、新居に巨大な本棚を作り、
化石を陳列したりするそうです〜。
Commented by トシプ at 2012-09-04 20:17 x
もとろんさんこんばんは??
妹さんとの化石採取の楽しさが伝わってきます。
私の巡検は1人なので文章も淡々と進みがちですがRyoさんや妹さんがいると掛け合いの文章が出来てめちゃ羨ましいです。
今週末はデスモスチルスの川で地元の学芸員さん達と調査のお手伝いです。
三紀の貝のフォト撮って来ますね。
上手く行ったら骨のフォトも(笑)
Commented by もともとろんろん at 2012-09-05 10:15 x
トシプさん、まいどあり〜(+∀+)!!!!
三人ですと、やはり、ちと行動範囲が狭くなりますが、
楽しい事は楽しいです〜(+∀+)。
すごいな〜....。調査に参加されるのですか〜(+∀+;)!?
なんとも本格的です〜。ワタクシ、いらんことしそーで、とても怖くてムリです〜(汗)。
第三紀のお写真、是非×2、アップなさって下さいね。
すっごい楽しみにしております〜!!ありがとうございました。