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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

夕張・ダイスキノ川・新たなゾーン?

11月20日

Ryoの休日は二日間、その後は岡山行きです。
最近、apogon2さんのブログ記事になった覆道上か、ダイスキノ川か
朝食を食べている時も、まだ決めかねていましたが、
出発する頃になって雪の降りが激しくなって来ました。
覆道は雪でおおわれてしまうでしょう。
少しでも可能性のあるダイスキノ川へ向かいました。

広がる景色は降り積もった雪の白さでクッキリと際立ち、
すっかり見通しが良くなった樹々の奥には見知らぬ黒い川の流れが現れ、
雪に磨かれた新鮮な朝の空気は全てを清潔に見せていました。

Ryoは熱いコーヒーを飲みながら、遠くの山々を見ています。
「一気に真っ白になったな〜。化石採集も久しぶりの感じ」
「一ヶ月ぶりですか。Ryoさんはずっとお仕事だったので、よりそう感じるんでしょうね」
「前回は紅葉だったよね。今日はどうかな?」
「埋もれていなければ良いですが...」
「今日は、もっと奥に行くんでしょ?」
「道路が酷くなければ...ですね」

ダイスキノ川の入口が見えて来ました。
最近、新しく黄色の簡易ゲートが出来ていたのですが、
それは取り除かれ、立派な灰色のゲートに変わっていました。
「結構、車の通った跡があるね」
「看板によると木の伐採も始めたようですね」
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林道は水気が多い様ですが、さほど傷んではいないようです。
「今日は川の水が随分濁ってるな〜」
「ここのところ天気が悪かったせいでしょうか」
どんどん進んで行きました。ポイント1を通過し、しばらく進みました。
「ん?あれ?ゲートが無くなっている様な...(+∀+;)」
「あ、ホントだ。ゲート二つもいらないから入口だけにしたんだね」
「入口のゲートはここから持っていったものだったんですね」
数百メートル進むと重機や大型トラックが見えました。木を切り出している様です。
ここを通り過ぎたいのですが、道は踏み荒らされてぬかるみ、
とてもワタクシの車が通れる状態ではありません。
諦めて、ポイント1まで戻ることにしました。
「川の水が濁っているのは、あそこで作業していたからですね。ほら、支流からの水は透明ですもの」
「そっか〜、じゃ、今日はこの支流を行きますか」

「ここは途中までしか入った事がないので、実質、初めて系ですよ。奥へ行くと、古い時代の地層が出てくるはずなんです。以前、Ryoさんが穂別で採取したマーシャリテスとか...そんなのが出てくるのではないかと...。ま、そこまで行けるかは分かりませんが、いろいろ調査しましょう(+∀+)!!」
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再び降りだした雪の中、茶色く濁った本流を渡り、透明な支流へ入って行きます。
「本流もこれくらい透明だったら、石が見えたのにね〜」
「そうですね(笑)足、冷たくないですか?」
「ん、全然、大丈夫」
「今日は、どんな化石が出るのか?これまでとは違うのか?チェックです。時間も遅いですし、出来るだけ距離を稼ぎましょう」
「了解!!」
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いつも常連客がいる沢なので、割跡が多く見られます。
雪が降ったとはいえ、まだ熊は冬ごもり前、注意して進みます。
方々で木から落ちた雪が笹の葉を叩いて大きな音をたてるので、その度にドキッとします。
Ryoはあまり気にならない様子で、しゃがみ込んで夢中で石を割っています。
最初の数百メートルは普段のダイスキノ川とあまり変わり無く、
ややポリプチが多産する印象です。大きなアンモの破片も沢山あります。
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「大きなの落っこちてないかな〜」
「前回、Ryoさんが採ったスレパキは良かったですものね」
「あんなのなら、スレてても良いでしょ。ね〜、今日も金ピカ系多くない?」
「割れてしまっているのが残念ですね〜...あ、デカノジュールに巻貝がはいってますよ」
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スレた大きなアンモの破片を叩くと中から一部がコロンと出て来ました。
イボイボがあって、パキの様ですが肋が鋭いです。丸々じゃないのが残念です。

右手に細い沢が出て来ました。Ryoが中州でコザコザノジュールを細かくしている間に、
ワタクシだけ、その沢へ入ってみました。
イノセラムスの破片が覗いているノジュールを割りました。
本流では見かけない肋が現れました。
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「Ryoさーん、こんなイノセラさんが出ましたよ〜。これダイスキノ川で見た事ないですよね?」
「あ〜、たしかに見ないね〜。ねえ、これ、どう思う?」
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「...ヘテロプチコセラス...ですかね?これもココで見るのは初めてですね」
「じゃ、こっちは?」
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「ユ、ユーボさん....(+∀+;)!? 小平でしか見た事無いので何とも言えませんが、シマシマの感じが、それっぽいような...」
「ね、この辺のコザコザ割っちゃおうか」
ふたりで割ったノジュールをさらにポカポカ叩きます。
「あ...螺旋になってます!」
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「これも異常巻きじゃない?」
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「おぉ〜。。。どれもダイスキノ川では初めてですよ(+∀+;)!!」
「やったね!」

もしかすると、新しいゾーンに入ったのかもしれない...とドキドキしました。
しばらく進むと二股になっていました。右側を選び、数百メートル進んだあたりで
暗くなってきたので、残念ですが今日の調査は終わる事にしました。
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置いて来た化石を回収しながら帰ります。
いつもなら割って小さくするのですが、今日は見つけた時のまま。
二人のリュックはすぐに一杯になり、上手く歩かないと、こぼれ落ちます。
手にしたビニール袋もずっしり重いです。
バランスをとる事が出来ず、ふらふらしながら下ります。
倒木を乗り越える時、川の深みにはまった時、つい尻餅をついてしまいます。
「コザコザ系やクズノジュールだけでここまで重いのも久しぶりですね(+∀+;)」
「イイのがほとんど無いのが分かっているというのもね〜...(笑)」

スタート地点に来ると重機が見えました。
「あれ?ショベルカー?」
立ち去らないかな〜と、しばらく合流地点をウロウロしましたが、
移動する気配もないので、諦めて上がります。
ワタクシの車のすぐ後ろにオレンジ色のショベルカー、
横にはドラム缶を積んだトラックと大型のバン。
おじさまに声をかけると、修理をしているとのこと。
「お前たち、ナニしてたんだ?」
「化石を採って来ました〜。アンモナイトとか〜」
「ここで化石でるのか?売るのか?」
「イエイエ...(+∀+;)そーゆーわけでは...」
「なんだ商売じゃないのか、へぇ〜、そりゃ大変だな。オレ、明日から、この奥にいるから、なんか出たら声かけれ、掘ってやるから」
「おありがとうございます〜(+∀+;)!!(ウレシ〜けど、そんなの出たら運べない〜)」
雪が降る中、しばらくおじさまと立ち話をしてから出発です。

すっかり暗くなった林道をソロソロ帰って行きます。
ここのところ、ずっと仕事づくめだったRyoはすぐに眠ってしまいました。
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時期外れの吹雪の中、ようやく家に辿り着きました。
中身はさておき、今回は大量です。
Ryoが片っ端から洗い、キッチンは化石で埋め尽くされて行きます。
その横でワタクシは断面をみたり、本を片手に調べものをしたり...。
「どう?なんか分かった?」
「ん〜...ワタクシの知識と眼力ではハッキリした事は言えないのですが...これまで、ずっと歩いて来たダイスキノ川本流はサントニアンで間違いないと思うんです。で、今回の支流も、結局サントニアンだったみたいです...。てっきり違う年代かと思いました」
「同じなのに、全然違うのが出るの?」
「以前、ZX9-Rさんがサントニアンで採取されていたアンモを見て、ダイスキノ川では全く出ないな〜...と思っていたのです。で、石狩浜と望来の浜では近いのに打ち上げられる生物の種類に差がある様に、ちょっと条件や環境が違うと変わるのかな〜?と思ったんです。棲息していた深さかもしれませんし、同じサントニアンでも時代が若干違うのかもしれません。"江戸前期と幕末"みたいに」
「なるほどね〜。結局、よくわからない...と」
「そ〜なんです。よくわかりません〜(+∀+;)。いずれにせよ、確かに、これまで破片すら見なかったアンモ達が出て来ました。今後が楽しみになってきましたよ〜」
「次回はちゃんとしたの採りたいね!!」

ダイスキノ川は、ますますダイスキノ川になりました。
今日も朝から雪が降り続いています。果たして12月、再訪出来るでしょうか....。
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by motoronron | 2012-11-23 20:27 | 夕張 | Comments(14)
Commented by アルビアン at 2012-11-23 21:08 x
こんばんは(^○^)もとろんさん、前回の紅葉ブログから一新しまして、冬のアタックですね、素晴らしいです。私は、以前は雪でもアタックしましたが、最近は、ヘタレタンターになりました、静かな山奥が伝わります。こうしたアタックは思い出になりますね、厳しい程、心に残ります。成果も素晴らしいです。大型アンモナイトは縫合線がプゾ系ですかね、異常巻の痕は、ユウボ系です。種類はもう少し情報が欲しいですね、しかし、新たな場所、行かれる度に、時代背景が解りますね、何度もアタックすれば、ポイントも解りますし、楽しみ倍増、画像の氷柱、季節が伝わります。私も、三笠崖でハンマー納めしたいです(^○^)
Commented by motoronron at 2012-11-23 21:13
アルビアンさん、おこんばんは〜(+∀+)。
先程は連投失礼いたしました〜(汗)奥尻行きたいです〜。
今回、ダイスキノ川で採取した化石の写真は後ほど、追加写真の形でアップいたしますので、ご覧下さいませ。破片の上、洗浄のみで結局分かり難く恐縮ですすすすがががが...(+∀+;)。ワタクシは暑がりなので冬の採集がスキです〜。これで雪に埋もれなければ、本当に素敵な季節なのですが。
Commented by ZX9-R at 2012-11-23 21:25 x
この雪景色! この景色を見ても尚”少しでも可能性のある”と思えるところが、もとろんさんの強味ですね~。私にはとても真似できません~ん。イノセラは大変特徴がありますがなんでしょう? 異常巻軍団には突起のようなものは見られませんか? 見られるようならハイファント系ですが、無い場合は私の頭がどんどん混乱していきます。なにやら凄いポイントを発見されたのではありませんか? クリーニングも楽しみです。本日、化石について学習する機会がありましたが、日本のハイファントセラスについては、むしろハッキリしていないことが多いということがわかりました。ちょっと頭デッカチになったような気がするのに、上手く説明できないZX9-Rでした(笑)
Commented by きこりん@北のほたるや at 2012-11-23 22:56 x
ダイスキノ川はいいですねー^^
当別にもこんな地層はないものかしらん><
Commented by apogon2 at 2012-11-24 09:41 x
お早うございます^^。

雪の中巡検、お疲れ様でした。
画像のイノセラはジャポニカスですよね。そうするとサントニアンですが、その後に出てくる異常巻き等、なにやら面白気です^^。
アルビアンさんも仰っていますが、螺旋の殻跡はユーボですね。サントニアンのユーボは私もそれらしいのを一個しか持っていません。
綺麗にクリーニングすると一級の標本になりますね(*^_^*)。
Commented by もとろん at 2012-11-24 09:48 x
ZX9-Rさん、おつかれさまでした〜(+∀+)!!!ご実家えー別なんですね〜。お買い物でたまに行くです。ゲッチョしてきたニューフェィス、よく見るとイボイボあるです〜(+∀+;)!!これってハイファン系ですか〜!?ネジネジキツいな〜と思っておりましたが、そうなら初ハイファン。ZX9-Rさんの様な超ネジをゲッチョする自信はありませんが(汗)ウッレシ〜(+∀+;)!!!!昨日の記事の秋編に続いてワタクシ達にとって、良い成果となりました〜。
Commented by もとろん at 2012-11-24 10:01 x
きこりんさん、どっもで〜す(+∀+)!!
はい〜、ダイスキノ川がダイダイスキの川になりました〜。これまでは本流をメインに歩いて来たので、今回は思わぬ発見に喜んでおります〜。憧れのネジネジアンモに出会えるかもです〜。当別は〜化石が出るとこいっぱいあるのですが〜、ワタクシの知っている多産地が完全に水底なのです〜(涙)そーいえば、道民の森の一番川の泥岩層にチビチビと白い化石があるです。ワタクシ的に謎化石なのでいずれアップします〜。
Commented by もとろん at 2012-11-24 10:01 x
apgon2さん、おはろ〜ございます〜(+∀+)!!
雪中探検は汗をかかないので、すっごく気持ちが良かったです〜。イノセラさんは、やっぱしジャポンですか〜。いつかapogon2さんがゲッチョされた様な立派なジャポンと出会いたいものです〜。この度回収してきたのは、どれも破片の様なのものですから、大したコレクションにはならないと思いますが、これからが本当に楽しみです〜(+∀+)!!
Commented by fossil1129 at 2012-11-24 21:31
雪の中の採集、おつカレーさまでした。
イノセラは、ジャポだし、ユーボはカンパニまでいたと書こうとしたら、イボ有りとのこと。
初ハイファント、オメデトビーム!!(ノ・_・)‥‥…━━━━━☆ピーーです。

顔文字連発で、今夜は壊れ気味のfossi1129でした。
Commented by きこりん@北のほたるや at 2012-11-24 22:47 x
そうそう
金ピカ系は、黄銅鉱や黄鉄鉱などの置換によるものなのでしょうか?

また、金ピカだと価値が下がっちゃうんでしょうか?

こちらにお伺いするまで
こんなにもたくさんの種類があることも知らなかったド素人ですが
もとろんさんのせいでド嵌りしそうです・・・

もとろんさんのバカーッ!www

追伸

どこか近くで、長石や粘土が採取できる所、ないでしょうか?
Commented by もとろん at 2012-11-25 14:06 x
fossil1129さん、まいどあぃ〜ん(+∀+)!!
やっぱし、ハイファンさんですか〜。はやく、ちょびクリして少しでもお姿を見てみたいと思っています。皆様のネジネジっぷりがスゴすぎて、アップするのもお恥ずかしいですが、そんな事を言っていは、ワタクシ、化石写真一枚も掲載出来なくなるです〜(+∀+;)。
Commented by もとろん at 2012-11-25 14:09 x
きこりんさん、ばっかで〜す(+∀+)!!にゃっはり!!
金ピカさんは置換です〜。ほんっとにキレ〜なものですよ〜。幾春別系でもよくピカピカ出るので、来年は是非×2〜。価値はどうなんでしょう?でも、キレ〜な方が価格は高い気がします(笑)アンモライトは別格でしょうけれど...。長石等に関してのお返事は、きこりんさんのブログの方にコメントさせて頂きました〜(+∀+)ご覧下さいませ〜。
Commented by アルビアン at 2012-11-25 18:00 x
こんばんは(^○^)本日、パソコンからブログを見ました、ハイハントですね、棘が泣き別れしたんですね、クリーニングは大変ですが、仕上がれば素晴らしい標本になりますね、本日、石狩浜を中心にビーチコーミングしてるかたと会いまして、琥珀で5㎝を採集されたそうで、ビックリしました、あるんですね、私は目が悪いのに、裸眼で採集してますから、小さいとなかなか発見出来ませんが、もとろんさんは、浜でゲッチョですから、眼力スゲスゲーです。(^-^)v
Commented by もとろん at 2012-11-25 18:16 x
アルビアンさん、どもばんは〜(+∀+)!!今日もすんばらしい収穫でしたね!! きっとRyoさんも夜に記事を拝読して驚愕する事と思います(笑)こちらにいる間は、毎日「海に行きたい」と言っていましたから〜。アルビアンさんからも、お墨付き。嬉しすぎます〜。ハイファンさんに一歩近づきました(涙)来年も頑張ります〜。ビーチコで琥珀5cmって特大サイズですね(+∀+;)。規格外のサイズ逆に見逃しそうです。ワタクシは琥珀はメインではないので、あまりしゃがみ込んで採取したりはしないのですが、歩く時、逆光で見る様にしています。光るので分かりやすいと思います(+∀+)。