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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

当別・青山・工事好きの沢

2011年6月上旬

おそい昼食を食べ終え、珈琲をいれる用意をして、
ワタクシたちはキッチンで押し相撲をして遊びながら湯が沸くの待っていました。
「ねぇ~。どっか行きたくないですか~っ!!!っと」
「おっとっと..例えば何処ですか~っと(+∀+)!?」
「当別川とかさ~ぁっ!!!!」
「それは、昨日行きました〜っ...っと」
「じゃ~、望来で!!どうだっ!!!」
「それは、一昨日...行きました、よっと!」
「じゃ~ぁ、どこがイイんですかっ!!!」
「もうすぐ3時です、近くでないと...。当別川支流にしましょう...かっ!!」
「それでもイイですよっ!!それっ!!!」
「ひさしぶりに土○の沢に行きましょう。前回、増水していて入口しか見れなかったですし...」
「あそこあんまり無いからな~...っあ!! あ~ぁ...」
「勝った(+∀+)」

○方の沢は2009年の秋に初めて訪れたので約2年ぶりです。
化石が多産する印象は無いのですが、全く無い訳でもなく、
何より、しっかりとチェック出来ていないのが、ずっと気にかかっていました。

3時半、川の近くに到着しました。
「ここは林道が川に沿っているので、そこから降りましょう」
「ゲートなかったっけ?」
「そうなんですが、一応見ましょう」
運良くゲートが開いていました。少し雑草を刈った跡もありました。暗く細い林道を慎重に進みます。
...が、数百メートル進んだところで工事車両を数台発見!!
おまけにライトバンが一台こちらに向かって来ました。慌ててバックします。

「くぅ~残念...(+∀+;)。どうりで除草してたわけです...。この先1kmくらいの地点に橋があって川が分岐します。その付近に望来層と三番川層の境目があるので期待していたのですが...」
「三番川層ってどんなだっけ?」
「ワタクシたちは多分まだ見た事がないと思うんです。望来層よりいくらか下の層です。この沢は下流から順に、当別層(鮮新世前期)~金ノ沢層~望来層(中新世後期)~三番川層(中新世中期)~奔須部都(ぽんすべつ)層(中新世前期)と古くなってゆきます。いずれも化石が出るはずなんです。奔須部都層では植物化石も出るそうですよ」
「知らない層が多いね」
「奔須部都層は以前、月形へ探しに行ったんですよ」
「ダムのとこ?」
「そうです、あの上流の...」
「あの崖す〜ごい怖かったね~」
「初心者マーク付けて行ってはいけない所でした(笑)」
「....さて、どうしよっか?」
「仕方がありません、今回も下流から歩きます」

「もうすぐ4時なので、少し早めに歩きましょうね」
笹薮を漕いで川へ降ります。樹々の隙間から当別川との合流がキラキラと輝いて見えました。
川縁に露出してる地層は当別川沿いでよく見るものです。
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この付近では西野沢下流、その合流付近の当別川に架かる古い橋の側で見られます。
化石は多産しませんが、運が良ければ何か採取出来ます。

かつて橋があったのか、それとも護岸が壊れてしまったのか、
巨大なコンクリートが無数に横たわっているので、それらを乗り越えて行きます。
道々28号線の下を抜けると再び例の地層が露出しています。
見るからに化石が入っていそうなのですが見つけられません。

足元には大きなノジュールが転がっていたり、埋まっていたりします。
本流の当別川でも、この様なノジュールが多数集まっている所があります。
通称「ひょうたん石」と呼ばれる複数のノジュールが合わさったものもあります。
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この大ノジュールには左の方に貝化石の抜けた痕がみられます。
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植物化石が出ました。これは望来でよく見かけます。
ノジュールの緻密な質感もそっくりですので、上流よりの転石と思われます。
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雰囲気は良いのですが、なかなか化石に出会えません。
「やっぱココは無いな~」
「まぁまぁ、新地開拓は大事ですよ(+∀+)」
「そ~だけどさ~」
「ほら、ここにマコマが入っていますよ~。Ryoさんマコマ好きでしょ?」
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「そ~だけどさ~...。あ~らら、砂防ダムまで出て来ちゃった」
「う〜、これまた大きいですね...(+∀+;)横から上がりましょう」
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笹をたよりにワタクシが急斜面をよじ登り、補助ロープを落としサイドからサポートします。
「砂防はイヤよね〜」
「えぇ...ムダに疲れます(+∀+;)」

ダムの上は広く、湿地になっていて、ぬかるみます。
土○の沢は深い所を流れているため日が差してもあまり開放感はありません。
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「ん.......?」
「(笑)Ryoさんも気付きました?クレソンの匂いがするんですよね?」
「そうそう!!この辺りクレソンの匂いがする」
振り向くとワタクシたちが過ぎた辺りにクレソンが群生していました。
「イッパイあるね〜、帰りに採ってこ〜よ。パスタ作ってよ」
「いいですよ。お魚料理もいいかもです(+∀+)」

左上に林道があるはずです。下からは見えませんが微かに工事の音が聞こえ、
今、どの辺りを歩いているのか分かりました。
「あ、ルシノマ...の抜け穴が...(+∀+;)」
「残念...ちょっと遅かったね」
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またしても、川の左右に思わせぶりな地層が露出しています。
川底からノジュールを拾い上げ割ると、炭化した植物と二枚貝の破片が入ってました。
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「Ryoさん、5時になります。そろそろ帰りますか」
「やっぱり、イマイチだったな〜」
「今度はもっと上流まで行ってみましょうよ。知らない地層が多いのですから、きっと知らない化石が出ますよ(+∀+)」

先程乗り越えて来た砂防を降りてすぐ、ドラム缶程の大きなノジュールの表面に
巻貝化石が入っているのを見つけました。写真撮影をし終え、ふと視線を横にやると
黒々としたクジラの肋骨と思われる化石が入っていました。
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「Ryoさ〜ん、さっき気がつきませんでしたが、コレ、クジラ入りでした〜(+∀+;)!!結構大きいですよ〜」
「アタシあんまり骨に興味ないんだよね〜。お〜、イッパイ入ってるね。じゃ、アタシ奥の方見てるからゆっくりやっててイイよ」
しばらくの間、汗だくでハンマーを振るいましたが、とても人力では取り出せないと諦めました。
「あれ?ダメだったの?」
「残念ですが、この装備ではとても歯が立ちません...。では、当別川との合流をチェックして帰りましょう」
初めて見る合流は当別川にしては思ったよりも穏やかな流れでした。
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上流の方を見ると右手に切った様な露頭がありました。
白い化石がチラホラ見えます。どれもマコマの様です。
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「こうしてみると、尾白利加(おしらりか)と良く似ていますね」
「オシラリカ........あそこも、無かった...」
「.....う、ヤブヘビ(+∀+;)。。。あの時は運が悪かっただけですよ〜。痕跡はイッパイあったじゃないですか〜。必ず尾白利加もリベンジしますよ〜」

初夏の日は長く、まだまだ明るかったのですが、6時頃、帰路につきました。
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by motoronron | 2013-02-17 23:29 | 当別 | Comments(8)
Commented by P at 2013-02-18 00:14 x
ぜんぜん関係ないですが、魚がいそうな川ですね。
釣りもひとつの趣味なので、山へ行くとどうしても魚を探してしまいます。
一度、ハンマーと釣り竿を持って行きましたけど両立は無理でした。
Commented by もとろん at 2013-02-18 01:02 x
Pさん、つづきましてはどっもで〜す(+∀+)!!!
当別川の本流は結構お魚いると思うです。時折「バシャッ!」と魚が跳ねる音がします。どんなお魚が捕れるのでしょうね...。ワタクシはこらえ性が無いので、きっと釣りをすると耳からケムリが出るです(+∀+;)モリで突いて即焼いて食べるとかが向いているかも〜(笑)
Commented by アルビアン at 2013-02-18 10:25 x
こんにちは(^∀^)> 当別地域は、沢山地層がありますね、地層のレンジが楽しめますし、どんな化石が採集されるかなんて、想像しちゃいます。また、他、地域で採集した化石と対比しますと、ほかの可能性もあり、新規開拓は、私も大好きです。決して、ムダはありません、化石が無い時も、なるほど~ と、私も、何度か、遅い時間からアタックしました(^○^)
Commented by もとろん at 2013-02-18 10:56 x
アルビアンさん、どもようございます〜(+∀+)!!
アルビアンさんはこの辺り一帯に大変お詳しいと思いますので、チラッと記事を見ただけで情景や産状が目に浮かぶ事と思います。いつもお越し下さる皆様には新生代、しかも採れない記事!!というビミョ〜すぎる内容で申し訳なく思っております。いつか、ワタクシたちの様に酔狂な、もしくは知的好奇心から、このマイナー沢を訪れてみようと考えた方への参考になれば嬉しく思います。
Commented by fossil1129 at 2013-02-18 21:55
北の自然の中、二人の姿がキラキラしています。

私が北の山へ行くのは、@彡も魅力的ですが、
それ以上にあの自然の中に身を浸していられるからです。

もっとのんびりできたらいいのですが。
Commented by apogon2 at 2013-02-18 22:21 x
押し相撲をしながらの会話、微笑ましいですね。
それにしても精力的な巡検、頭が下がります(^_^;)。やはり良いパートナーに恵まれるとどんなに歩いても苦にならないのでしょうね。
Commented by もとろん at 2013-02-19 10:16 x
fossil1129さん、どもようございます〜(+∀+)!!!
こんな超どマイナー産地且つ採れない話にコメントを下さりありがとうございます〜(涙)。どこでも初めて系のところはワクワクするものです。正直、初回にして素晴らしい化石をゲッチョ!!を期待してしまいますが、痕跡でも見つける事が出来ると、今後の事を思い嬉しくなってしまいます。北海道の自然、原生林はほぼありませんが、それでも良いものですよね(+∀+)。
Commented by もとろん at 2013-02-19 10:33 x
apogon2さん、どもどもぐっも〜(+∀+)!!
「第三紀マイナー沢を行く!!企画」を読んで下さったのですね〜(涙)おありがとうございます〜。そして、毎度大したものをお見せ出来ずに申し訳ございませんでした。比較的家から近い所に産地があるため、ちょっと時間があれば行ってしまいます。apogon2さんも...もし幾春別あたりに住んでいらしたら、毎朝出勤前にひと採取してしまうのではないかと〜(笑)時折、Ryoさんと「ダイスキノ川の入口あたりに住むか」とか〜冗談で話します〜。