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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

当別・青山〜新十津川・その2

前回のつづきです(+∀+)。

2010年 10月上旬

「灌漑溝」
ここは、当初予定にはありませんでしたが、
橋から下流方向を覗き込むと何となく良さそうに見えます。
灌漑溝という名から人工的なものを想像しましたが、
護岸等無く右側に地層も露出しています。盤の沢橋の袂から降ります。
細い川ですが深い所に流れ、降りるまで少々苦労しました。
左右に露出している地層は、これまで紹介した当別川本流、土方の沢、
西野沢等で見られる泥岩層と同様と思われます。
少し進むと、右手にかなりの高さの露頭があります。
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化石を見つける事は出来ませんでしたが、運が良ければあるかもしれません。
この様な深みがしばらく続きますが、抜けると穏やかな流れになります。
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当別川との合流まであと少しという地点で奥の方から勢いの良い水音が聞こえて来ました。
カーブの先で流れは重ね落ちていました。
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弾けた水沫に岩苔はしとり、明るい木漏れ日に照らされ新鮮そうに輝いていました。
これまでのやや陰鬱な雰囲気が一変しました。
甌穴が幾つも口を開け、落葉は旋回しては次の段へと運ばれてゆき、
穴の底ではノジュールが水に揺られています。
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予想もしていなかった小さな景勝地、しばし"秘境"気分を味わいました。
僅かの距離で素晴らしい体験をしましたが、化石の採取は出来ませんでした。

「四番川」
ようやく四番川につきました。
国道451号線沿いに流れ、降りる事は容易と考えていましたが間違いでした。
川は随分深い所を流れていました。道路脇の傾斜を下り、
次にコンクリートの護岸を降りなければなりません。
これが高さのある上、足場も無く直接降りられません。
適した場所を探し求め、笹薮を掻き分け右往左往しました。
あまりの苦痛に、結局、ワタクシがロープで降り、下から降り場所を見つけました。
こんな時は下からの方が見通しが利いて良いものです。

随分、時間を無駄にし、ようやく上流へと向かい歩き始めました。
可能ならば、四番川支流である前田の沢も見る予定です。
流れは緩やかで川幅がありますが、深みが多くあり腰まで浸かります。
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深い場所をゆるゆると流れている為、暗く雰囲気は鬱々としています。
20分程進むと、ようやく貝化石の痕跡を見つける事が出来ましたが、
状態は非常に悪く、取り出しただけで粉々になり採取は出来ませんでした。
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どこまで行っても河床の露出は無く、右手に現れる泥岩層以外は見る事が出来ません。
前田の沢の合流に近づくにつれ、やや大きめのノジュールが出て来ました。
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ルシノマでしょうか、見つける化石はどれも保存が悪いです。
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低い砂防ダムが出て来ました。水深があり乗り越えるのは容易ではありませんでした。
ここから先は、川の中を歩くのは困難と判断し、左手の急斜面に切られた溝を
何度も滑り落ちドロドロになりながら上がりました。
国道に出て帰り道、脇に「前田の沢林道」と看板がありました。
先程の砂防に続く道の様です。ワタクシは初めて目にしましたが、
どうやら「砂防」ではなく「沈下橋」の一種の様です。
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思いの外ハードな探査に二人ともすっかり疲れてしまいました。
前田の沢の入口はチェーンが張られていたので今回は諦め、
少し先にある四番川上流を見に行く事にしました。
林道「四番川線」は奥で工事中らしく無施錠でした。
しばらく行くと、左手に川を渡る道がありました。
橋は無く、オフロードカーはそのまま渡る様です。
川へ降りてみると、泥岩層の河床は見るからに化石がありそうです。
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川底に二枚貝の断面が見えました。ツノガイとツリテラの破片がありました。
この2種の共産を経験した事がないので、少し不思議な感じもしました。
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北国の秋の暮れ、5時ともなれば、すっかり暗く空気も冷えて来ます。
青山方面へは戻らず、新十津川市街に出て国道275号線で帰る事にしました。

これは幌加にある、ワタクシたちが「ドリフハウス」と呼ぶ廃屋。
悪戯もされず、生活していた瞬間をそのままに朽ちゆく様が、
寂しさ郷愁とともに、どこか可笑しみも感じさせ愛らしいです。
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幌加小学校跡(昭和58年閉校)
こちらも大変懐かしい校舎です。こんな所に住んでみたいものです。
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今回は、良い化石には恵まれず残念でしたが、知らない産地を歩くというのは
いつもワクワク感があり、やはり良いものだと思いました。
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by motoronron | 2013-02-20 17:41 | 当別 | Comments(20)
Commented by アルビアン at 2013-02-20 21:45 x
こんばんは(^○^)、素晴らしいアタックですよ、私も、至る地域をアタック、化石が無いやら、痕跡あるやら、一度は、納得いくまで探索です。こうした歩きは、決して、ムダにはなりません、本で紹介される化石産地は、本とに僅かです。眼力がつきますと、地層から、なにやら、化石が有りそうと気づきます。そして、実際にアタックしましたら、素晴らしい発見があります。もとろんさん、素晴らしい探求心です。(^.^)
Commented by P at 2013-02-20 21:56 x
行ってない所に行くのはいつもワクワクドキドキしますよね。
一応いろいろ情報は仕入れて行くのですが。
自分はアンモばかりなので、みなさんが知ってるところですけどね。
Commented by もとろん at 2013-02-20 22:27 x
アルビアンさん、おこんばんちははは〜ん(+∀+)!!
大先輩のアルビアンさんの足跡を辿っている感じです〜(笑)マイナー産地の上、何も出てこないという毎度のヒドイ記事で、お読み下さる皆様には申し訳なく思いますが、いつか興味を持たれた方が検索した際に、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。有名産地は皆様の方が御存知でしょうし〜(笑)仰る通り本の産地情報は少なすぎますし、化石そのものに関しても情報が少ないと思います。出版業界青息吐息の昨今、あまり期待してもなんですので...インターネットの世界で情報交換&発信がベストと思うです〜(+∀+)。
Commented by fossil1129 at 2013-02-20 22:33
もとろんさん
キレイな甌穴(ポットホール)から始まった記事ですが
本当にハードな巡検となりましたね。
地道な踏査が、地層の広がりを実感し、
化石の層準を見つけた時に、さらなる収穫につながります。

最後のドリフハウスで、この日の疲れがみんな癒されたことでしょう。
Commented by もとろん at 2013-02-20 22:38 x
Pさん、どもどもな〜ので〜す(+∀+)!!
ベテラン様になっても、初めて産地はドキドキすると思います。あの感じはたまらないですものね〜(+∀+)!!ワタクシたちは知識が無いので「何がでるかな?どんなのでるかな?」と楽しみも倍増します〜。それに「○○狙い!!」といった探し方をするほど化石も持っていませんし...(笑)自然はいつだって同じではありませんから、きっと、いつまでも新鮮な気持ちで歩く事が出来ると思っています〜。
Commented by もとろん at 2013-02-20 23:05 x
fossil1129さん、どすこいどーもでごっちゃんです(+∀+)!!
今回の探検は、いずれも上り下りが辛かったです〜(+∀+;)無駄に体力と時間を使ってしまいました。あれから2年...少しは効率よく動ける様になったかしらん?と考えてしまいました。Ryoさん、口では「化石が出なくても楽しいよ」と言うのですが、あきらかに口数少なくなり、背中にモワモワした黒い何かを漂わせ始めるのです〜(+∀+;)。。。はわはわ。未体験ゾーン、ワタクシの身近にもまだまだイッパイあります。一生かかっても行けないのだな〜と、ちょっぴり残念に思います。
Commented by きこりん@北のほたるや at 2013-02-21 14:36 x
細やかな解説と共に、雰囲気の伝わる写真など
どの記事も実に勉強になり、参考になります^^

小さな滝と甌穴のある流れなどは
是非一度訪れ、長時間露光で写真を撮りたくなっちゃいます^^
Commented by もとろん at 2013-02-21 18:47 x
きこりんさん、まいどさまなのどぅえす〜(+∀+)!!!
是非是非、良い季節になりましたら行ってみて下さいね〜。きこりんさんのスーパー写真テクでしたら、めっさ美しい作品になると思うのでワタクシ楽しみです〜(+∀+)。きっと、きこりんさんが行かれたら、もっと×2多くの発見があると思うです〜。ひょうたん石も時折コロコロしてますよ〜。
Commented by はにわ at 2013-02-21 19:07 x
いやいやすごいですね、完全に秘境探検気分ですよ
腰まで川につかってるし、こちらでは考えられません
もとろんさんもRYOさんと一緒だから楽しく行けるんでしょうか、私は一人だったら寂しいので一人採集はあまりしません。
Commented by もーりん at 2013-02-21 19:16 x
小さな景勝地とドリフハウスと旧校舎、とってもいいです。癒されます。行ってみようかな。昭和生活雑貨も大好きで、夫婦ですこしコレクションしています。いつかブログに載せようと思います。
Commented by もとろん at 2013-02-21 19:34 x
はにわさん、どもどもざんす〜(+∀+)!!!
なんだか秋の夕暮れ且つ深いとこですので、いずれも鬱々なお写真ばかりで申し訳ございません。採取品もないですし〜(汗)。流れがゆるゆるなので、どうにか腰まで入ってもダイジョブでした〜。ちょっと水流があると膝くらいの深さでアブナイ感じですものね〜。ワタクシもRyoさんがいるから行けます。ひとりならコワイです〜(+∀+;)。お互いなんの助けにもなりませんが、キモチ的なものでしょね〜(笑)
Commented by もとろん at 2013-02-21 19:41 x
もーりんさん、おこんばんわわわわ〜わ〜(+∀+)♪
ワタクシもレトロっぽいものスキなのです〜。ですから、もーりんさんが岩見沢のお店でゲッチョされた目薬瓶なんてめっさ裏山でした〜!!よくsea amberさんが浜でとんでもないレア物ゲッチョされるので「ワタクシたちも同じとこ歩いてるのに〜...」と指をくわえて見ております。もーりんさんは夕張等も行かれるのでボトルディギング的な事も出来ちゃうのでは〜(+∀+)??こちらもsea amberさんが詳しいです(笑)
Commented by ZX9-R at 2013-02-21 22:36 x
甌穴は初めて見ました。不思議な景色ですね。今回の”取れない巡検”は興味深く読ませていただきました。やはり、冒険しないと良い化石にもめぐり合えませんよね。成功のためのステップなんです。自分もたいした成果が無く終わる巡検もあるので、今回のネタを読んでちょっと安心しました(笑)
ドリフハウスはすさまじいですね。なんだかいろいろ想像しちゃいます。奇跡の残り方ですね。まさに”ドリフハウス”という名称ぴったりです。昼間はいいけど、夜に見たら超~怖そうです! 
Commented by apogon2 at 2013-02-21 23:27 x
もとろんさんとRyoさんが苦労して川を遡り、化石を探している様子を見ていると正座して見なければいけないような気持ちになってしまいました。本当にお二人の探究心には頭が下がります。

それにしてもドリフハウス、不思議な光景ですね。本当に人が住んでいないのでしょうか。生活感ありありなんですが・・(ちょと怖い^^;)。奥からいかりや長介が「うおいっす!」なんて出てきそうです(^_^;)。
Commented by もとろん at 2013-02-22 01:06 x
ZX9-Rさん、おこばんちわ〜(+∀+)!!
カーリングの試合おつかれさまでした〜!!勝利とのこと...おめでとうございました〜! 甌穴はカッチョコイイです。当別川流域ではたまに見る事が出来ます。この様な小さな沢の方が見た目はキレイな感じがするです。第三紀のしかも採れない探査...お読みになる方も苦痛かと思いますが(笑)笑って生温く読み飛ばして下さいませ(+∀+;)。
Commented by もとろん at 2013-02-22 01:11 x
apogon2さん、どもばんわん(+∀+)!!
気軽に出かけて予想だにしないヘヴィな川歩き...「ア、アホだ...w」と笑って頂けるとワタクシたちも浮かばれます。探究心といったカッチョコイイものではなく「探検ごっこ」ですからして〜(+∀+)。ドリフハウス、出来れば居間でお茶でも飲む写真を撮りたかったのですが...あっ!apogon2さん!!後ろ後ろっ!!
Commented by もーりん at 2013-02-22 23:05 x
ビーチコのブログをいろいろ見学しているうちに、ボトルディギングにも行きつきました。これまた、楽しそうな世界で裏山seaです。なるほど、夕張ですか。北海道は歴史が浅いので、本州での楽しい世界かと思いこんでいました。(*^_^*)
Commented by もとろん at 2013-02-23 00:11 x
もーりんさん、どぅも゛うもです〜(+∀+)!!
ボトルディギング、ゴイスですよね〜!ホントにあんなのが発掘できるなんて〜。骨董屋さんでゲッチョより自分で掘り出す方が感動が大きいかもと思っております〜。北海道は歴史が浅いですが、逆にワタクシたち的にスキな時代のモノが多い様に思います。炭鉱街は一大消費地だったでしょうから〜(+∀+)!!ワタクシも掘り×2したい〜。
Commented by Macrowavecat at 2013-02-23 01:32 x
皆さん、「ドリフハウス」でピンと来るんですねぇ。
Commented by もとろん at 2013-02-23 10:36 x
Macrowavecatさん、どもようございます〜(+∀+)!!
今日も朝からお天気悪かですね〜。ドリフハウス...欽ドコハウスでもイイのですが〜(笑)。Macrowavecatさんも、今年は当別川でクジラやウニなどゲッチョされて下さい(+∀+)...。