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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

スキスキノ川下流・未体験ゾーン

ダイスキノ川を過ぎ、山を越え7km。スキスキノ川上流に出ます。

一昨年まではダイスキノ川上流部で伐採作業をしていたため

絶えず重機が往来し林道の傷みが甚だ激しく、ワタクシの車では全く奥へ進めませんでした。

昨春、どうにか走れる程度の補修が入り、憧れだった未知の産地へ行く事が出来ました。

そこは、すっかり化石が少なくなってしまったダイスキノ川に代わる新天地でした。

ノジュールもそこそこあり、林道が並走し、大きな砂防ダムはひとつだけ。

ぬるい採取が専門のワタクシ達にとって理想的な川なのですが…。

とある事情があり、下流へ行けずにいました。


いつものスタート地点の大きな露頭。昨年、1m近いプゾシアが嵌っていました。


6月上旬

なんと運の良い事か!! 未体験ゾーンへ進む事が出来たのです。

「なるほど~…こんな感じだったんですね(+∀+)」

「これじゃ気軽に入れないね~」

「道は酷いですが、なんとか進めそうです。行けるところまで進みましょう」

「昔の林道まで行けるかな?」

「…たぶん無理だと思います。シューパロダムは3月頃から試験湛水をしていて、今は満水位まで上がっているので標高300m位まで水没していると思います」

「じゃ、全然ダメ?」

「旧林道は270~280mだったので完全に水没ですね。それどころか、今向かっている手前の横沢すら下流は水没しているかもしれません」

「昔の林道を通れたら最高だったのにね」

「一度見てみたかったですよね~。ずっと奥まで行きたかったです」

「絶対に行けないとなると”イイもの”が沢山あった様な気がすんだよね(笑)」

「ホントですね(笑)アクセスしにくい場所でしたから、あまり人も入っていなかったと思います。何より広大でした。時代もコニアシ、チューロ、セノマ、そして上ではサントニもあったんです」

「あ~!! 残念だな~。水引いてもダメかな?」

「すぐに道が消滅するとは思えませんが、一度、水の底になると、もう車では行けないと思いますよ」

「うあ~…急に道が悪くなってきました。スタックしたくないです(+∀+;)!!」

「あ…川が…ダプダプになってる」

「この辺りは完全に沈んでますね。そろそろ終点…って~!!! 道がありませんっ(+∀+;)!!!」

あわててブレーキを踏みました。

「….危なかったね~。道が川になってる...」

「ビックリしました。通行止めにしてないんですね。まぁ、これで水没地点もわかりましたし、諦めもつきました…。少し戻って護岸から降りましょう」

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「石はありそうですよ。ほら、イノセラです」

「ここはコニアシ?」

「そうです。上流はサントですが、この辺りは全部コニアシなんです。ミホちゃんでもトンゴボリでも採ってください(笑)」

大きめのノジュールはいくつもありますが中がパッとしません。

ワタクシ達の好きなコザコザ系も殆どありません。


「これ割って~」

「あ~…こりゃまた...大きいですね(+∀+;)」

打つ度に火花が散り、ハンマーが跳ね返される硬いノジュールを汗だくで割ります。

しかし、どこまで叩いても微妙な状態のイノセラばかり。

「はぁはぁ...。もぅ、ダメです~力尽きました~…手も痛いです」

「ん~残念…イノセラ玉だっか」


下流へ移動してゆきます。

「さっさきの水没ゾーンまで行きましょう。あっ!! Ryoさん!!大きな金魚がいます(+∀+;)!!」

「…鯉、でしょ…」

「あ…そか...(+∀+;)思わず金魚って言っちゃいました」

「こんなところにいるんだね」

「誰かが放流したんでしょうかね~」

鯉は近付いても少しも逃げる素振りをみせず、この広い水場が全て

自分だけのもの…とばかりに、ゆったり静かにヒレを揺らしていました。

「こちらも化石が少ないですね…。期待してたので、ちょっとガッカリです」

「横沢の方を見よっか」

「そうですね。じきにあそこも沈むかもしれませんし」


ここは広い沢ではありませんが、倒木の多い事をのぞけば歩きやすい沢です。

途中、いくつか露頭があり化石の痕跡もあるので、

ここからも随分供給されていると思うのですが、めぼしいものがありません。

「無いな~…」

「巨大アンモの破片は随分あるんですけどね~」

日が長い6月でも北へと伸びる細い谷川に光は届かず、石が見にくくなってきました。

「やっとデンセが出ました。もうすぐ4時です、この先はまたにしましょう」


いつものスキスキノ川のポイントでプチ採取をした後、

以前から気になっていた「ヘアピンカーブの谷」に降りる事にしました。

「あそこは林道に沿って露頭がありますし、林道の下も露頭なので沢にはノジュールがたまっているんじゃないかと思うんですよ~(+∀+)」

「あの急な谷を降りるのか~」

「本当の下までとなると大変でしょうけれど、林道からならなんとかなりますよ」

クラクションを数度鳴らしてから、10m以上一気に降りて行きます。

薄暗い中、腰を屈め、目を凝らしながら化石を探します。

「ノジュールはありますが期待した程ではないですね。もーりんさんの図鑑の様に、ドン!とメヌイテス!という瞬間には出会えないもんですね~(笑)」

「ないもんですね~。ん~…これは小さなゴードリとダメ…か。あ、これは!?」

「大きめのプゾでしょうか!?」(その夜、ポリプチと判明…(汗)

さらに細く急になった所に来ました。「今日はココまでに...」と言いかけた時、

頭上から「バキッ!!! ……バキ…パキ…。パキリッ…」と、かなり重量のありそうな生物が

ゆっくりと枝を踏みしめながら歩く音が降ってきました。

すかさず熊スプレーを手にし、大きな声でRyoに話しかけると足音はやみました。

しばらく、その場で耳を澄まし、相手の動きを探ります。

足音がやんだのは、ワタクシ達に気付いて歩みを止めたからか、落枝の多い場所を過ぎただけか、

横の細い沢を登っていったのか、それとも林道へ出たからか...。

ヘアピンカーブの林道に挟まれた深い谷、左右どちらも急斜面で上がる事は出来ず

沢を戻り林道に出るしか方法はありません。事態にどう対処するのが最善か...。

頭中では半ば自動的に様々なシミュレーションが浮かび、繰り返されます。

僅かの時間が随分と長い時間に感じられました。やがて、緊張の静寂が過ぎ、

せせらぎと微かな鳥の声が耳に戻ってきたところで、少しずつ遡上をはじめました。

林道に顔を出す瞬間、そして車までのわずかな距離を恐ろしく感じました。


「ふぅ...おつかれさまでした~(+∀+;)。。。」

「最後の最後でビックリだね」

「全くです。パッと着替えて帰りましょう。次回はスキスキノ川の奥の山も越えますよ~」

「とうとうチューロゾーンか、楽しみだな~(^ ^)!!」






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by motoronron | 2014-07-18 23:25 | 夕張 | Comments(12)
Commented by jurijuri555 at 2014-07-19 14:17
あー、ゴメンゴメン、それ私。
と言ってあげられたら良いのですが。(爆)
クマ鈴も付けてるし 気配も無い訳ではないのに 近くを通る生物とは何でしょねー。(^_^;)
バッタリ遭遇でなくて何よりでした。
未体験ゾーン探検も良いけど お気を付けて~。(汗)
Commented by motoronron at 2014-07-19 14:41
し゜ゅりあさん、どぅもにちは(+∀+)!!!
な〜んだ!じゅりあさんだったんですね〜。スマートなイメージでしたが...ちょっとフクヨカ系になるましたか???いつもの雄叫びも聞こえなかったし...。 ナニモノ系かは分かりまてんでしたが、ワタクシ達は谷底にいたので音が届かなかったのかもしれまてんし...。平気なタイプの子かもしれまてん。いずれにせよ、薄暗がりではドキドキしますね〜(+∀+;)。  初めてのトコは緊張がありますが...通い慣れた場所は油断があると思うので、絶えず塩マッサージで気を引き締めて歩いてまるす。
Commented by fossil1129 at 2014-07-19 16:55
クラクションを鳴らすという手もあったんですね。
それでも、鈍感なお方は退散しないんですから、
相手次第では、最悪の遭遇もあり得るんですね。
Commented by motoronron at 2014-07-19 17:17
fossil1129さん、どぅわうもどえすにちは〜(+∀+)!!
プップ〜!!は鳴らしてすぐに車外へ出ない様にしています。車から降りて横の茂みにいた熊タンにソッコー襲われた方もいらはりますの...(+∀+;)。カラコロも笛もクラクションも...全て"ヒトを避けるタイプの熊タン"に対してであって、逆に寄って来る子には、また別の対応が必要と思うがですよ。熊タンを恐れて奥へ入らないのはイイと思うですが、「熊なんか恐れるコトは無い(笑)」と他人に言っちゃうのは、殆ど罪だと思うです。何か起こった時、その方が助けにきてくれるワケではありまてん。「何十年も山に入っているが熊に襲われたコトなんか無い」と仰る方もいました。その方が特別なのか運が良いのか不明ですが、自身の経験で他者の安全まで保証出来るはずがありまてん。優良ドライバーがいる反面、日々交通死亡事故が起こるのと同じです。 こんな風に超絶ビビリ屋で心配しまくっているワタクシが次回、頭からカジられるかもしれまてん(+∀+;)。 皆様の安全をカナテコお祈りしておりまるす!!!
Commented by apogon2 at 2014-07-19 20:45 x
コニアシの愛言葉・・
>ミホちゃんでもトンゴボリでも採ってください!
これ良いですね。ついでにフォレステリアも仲間に入れてください(笑)。
夕闇の物音・・かなりビビりますね。私も一人で巡検している時に横のささやぶでガサガサっと音がして凍り付いたことがあります((+_+))。
クマスプレーは持って歩いたことはありませんが、やはり常備しておいた方が良いのですね~。一応自宅にはあるんですけどね(アンキロさんからのプレゼントなんです^^)。
Commented by motoronron at 2014-07-19 21:27
apogon2さん、どもぅもばんは〜(+∀+)! 明日はapogon2さんの眼力でヘキコさんやプチコさんゲッチョしてくらさい〜! 熊対策、何が最善か?はケースバイケースなので専門家でも明解な答えは出せないと思うです。でも1%でも安全確率が上がるならそれを選択したいと思うです「熊スプレーなんて咄嗟に使えないじゃないか」というのは全くその通りなのですが(笑)突然飛びかかられた時にナイフなら対応出来るかというと、それも難しいと思うのです。そもそも熊スプレーは、その様な事態を想定していないツールです。ただ、距離があれば猟銃より効果はあるでしょう。スプレーが自分にかかって熊と一緒に七転八倒したとしても被害は接近戦で大怪我するのと比べものになりません。戦意を喪失させ二度目を躊躇させる事が出来れば効果大と考えます(銃で手負いにするよりもマシです)ワタクシは熊と対峙した時に平静でいられる自信はありまてんし、丸腰でRyoさんを守ったり、御一緒している方を助け出す事はできまてん。ワタクシのコトですから出会ったら硬直オシッコじょ〜...かもしれまてん。でも、もし運良く指が動いたら...の1%にかけているです。
Commented by vicky at 2014-07-21 13:31 x
久々にクマさん遭遇?の記事でしたね。
思えば、ずっと前のクマさん遭遇の記事に思わず書き込みをしたのが私の初コメントでした。
いやー、ご無事で何より。

もーりんさんの図鑑のようにドカンと!で、思わずうんうんと深くうなづいてしまいました。そういう光景にあってみたい。
Commented by ZX9-R at 2014-07-21 19:25 x
新産地の開拓をされていますね~。羨ましいです。埋もれていく産地もあれば、新たに走破可能な産地も出てきます。私もホームで狙っているポイントがあるのですが、この暑さと雨の少なさで、全然行く気が出てきません。
またまた羆と遭遇ですか!! 足跡やウンチでも相当ビビリますが、ブッシュを踏み鳴らす音なんて聞いたら、心臓が止まるかもしれません。
Commented by もとろん at 2014-07-21 20:20 x
Vickyさん、どぅもばんは〜(+∀+)!!!
実際に見たワケではないので、熊タンかどうかは分かりまてん。200kgくらいのキタキツネかもしれまてん。ただ、ゆっくりとした足取りと、あまりにヘヴィなバキバキ音でビビリマクリブー Σ(+∀+;)!!!!でした〜。 もーりんさん図鑑のお写真、当然、巡検時のハイライトなワケですが...それにしても裏山仙人なお写真ばかりですよね〜。くぅ〜!!
Commented by もとろん at 2014-07-21 21:01 x
ZX9-Rさん、どうもももにちばんなは〜(+∀+)!!
新産地を訪れるのはいつも楽しいです〜。これで、妄想通りの成果がだせれば言う事ないのですが....そこはワタクシ達、かならずビミョゥ〜な成果で終わります(+∀+;)。。。夕張水没系、新しい林道がどんどん整備されるとウレシーですが、のんびりと工事が進められております。 熊タンがいなければ、1ヶ月くらい山中泊しても良いくらいなのですが〜。ビビラーのワタクシには絶対できまてん。
Commented by はにわ at 2014-08-06 14:25 x
お久しぶりぶりでございます
ご活躍されてますね。道が途中で川になってるなんてさすが北海道・・・
素晴らしいロケーションに見えますが、写真の腕が良いからでしょうか
Commented by もとろん at 2014-08-06 16:46 x
はにわさん、きゃー!めっさぶり〜(+∀+)!!!全国的にハレーーッ!!!!!いゃ..最近はアメーーーー!!ですが、アチーアチーの毎日で゛すね〜。 こちらの産地、水没で本当に残念でした。化石マスターのアルビアンさんは、この川の本流添いをずっと歩いた事がおありだそうで、超絶裏山天国でした(涙)。もう二度と行けないトコになってしまいました。 道が水没は構わないのですがロープか看板は欲しかったです。ジョバーと突入しかけました〜(+∀+;)。