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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

小平・ミドメモ川の謎アンモ【最終回】

昨日のサメの歯化石特集には、沢山のコメントをイッパイ下さりありがとうございました(+∀+)!!!


さて...おなじみ小平ミドメモの謎アンモです。

「またぞろ、その話し~?」という声も聞こえそうですが...

今回が最後となりますので、どうか御容赦下さい(+∀+;)。

これまでの経緯


2014 8月末》

スカフィテスが沢山入ったノジュールを小割りしていると

見慣れない背中が出て来ました。最初、肋や薄さカーブの雰囲気から直感でゼランと思いました。

詳しくはコチラ(写真多めです)『ひさしびり~のミドメモ川と…謎アンモ』


違和感があったので珍しく即クリーニングしました。

ヘソが出てみると、ゼランディテスの特徴と言われる「すり鉢状のヘソ」ではなかったので

ゴードリセラスの一種なのかもと思いはじめました。


ベテランの方々にお会いする度、標本を見て頂き、

年末にはブログでも紹介し皆様から沢山の御見解を賜りました。


寄せられたのは

・ゼランディテスの一種

・ゴードリセラスの一種

・アナゴードリセラスの一種



標本を直接御覧になった、道央アンモナイト界の重鎮Yさんは早い段階で

「ゼランディテス・ミホエンシス Zelandites mihoenshisではないか?樺太のチューロニアンから産出していて、1938に松本先生が記載している。しかし、未成年殻で写真も悪い。ヘソの説明は”steep(急勾配)とある。この種が近いのでは?

と種名にまで言及されました。



2015 1月》

当時、三笠市立博物館にいらした学芸員のKHさんからは、

「気になる点は肋の細かさ、くびれの存在、側面が平たく見えることだが、全体的特徴から見てゴードリセラスの一種ではないか。チューロニアンのゴードリセラス・ヨコイイとやや似ている印象がある」

というコメントを頂戴しました。


しかし、情けないことに、ワタクシはゴードリセラス・ヨコイイなるアンモがよくわからず(+∀+;)。



2月》

Yさんが、追加情報を下さいました。

ゼランの特徴の一つとして『へその壁はlong-sloping』とある(ライト&ケネディ1984)Zelan dozeiは、アルビアン上部からセノマニアン下部。へその壁はすり鉢状。Zelan europaeは、ロングスローピングのようですが、へその壁の落ち始めはやや外側寄りで、次の巻きと階段状に見えます。完全な摺り鉢でなくてもZelanditesと言えるかもです。なお、ミホ(チューロニアン産)には、くびれ(コンストリクション)があり、もとろんさんの化石もそうです。」


なるほど(+∀+;)!!!!!

ゼランの特徴は必ずしも「すり鉢のヘソ」ではなかったのですねっ!!



2日後、三笠市立博物館学芸員の加納さんからメールを頂戴しました。

5月に北九州市立いのちのたび博物館に行くので、例のアンモを持参して学芸員の御前(みさき)さんに見てもらいましょう」

「あざーーーっす(+∀+;!!!まじんこdeあざーーーっす!!!

実は記事をアップしてすぐ、Pさんがわざわざ御前さんに問い合わせて下さったのでした。

その際、御前さんは「ゼランディテスである」と明言されていましたので、是非、見て頂きたかったのです。


ちなみに、加納さんが博物館に新しく入った学芸員の唐沢さんに予備知識無しに見せたところ

「ゴードリには見えない」と仰ったそうです。



5月末》

加納さんが謎アンモを胸に抱き(?)遠く九州へと旅立たれました

結果は如何に(+∀+;)ドキガムネムネ


数日後、帰還された加納さんから待望のメールが届きました。

「ゼーラリセラス(ワタクシと加納さんの間での呼び名)は、ゼランダイテスに決まりました。原記載のコピーも貰って来ました。詳しくはお会いした時にでも」

後日、論文や写真を見ながら、加納さんから御前さんの御説明を賜り納得。


ゼランディテス・ミホエンシス Zelandites mihoenshis

(5.3cm)


多くの方々のお知恵と時間を拝借し、また、お手を煩わせてしまいましたが、

ナニモノか分かって、ワタクシ気分スッキリハレバレ~気分です。

長い間お付き合い下さり、本当に本当にありがとうございました。


コレにて一件落着ぅ、チョチョンッ(+∀+)!!




参考

Matsumoto, T. 1938 Zelandites, a genus of Cretaceous ammonites. Contribution to the Cretaceous palaeontology of Japan 4.

Japanese Journal of Geology and Geography, vol.15, nos.3-4, pp.137-148, pl.14.


コチラにHolotypeの写真があります《東京大学総合研究博物館》









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by motoronron | 2015-07-14 22:30 | 小平 | Comments(12)
Commented by コニアシアン at 2015-07-15 07:07 x
こんにちは!
連日の更新お疲れ様です。
ゼランのミホエンシスになったのですね。
気になっていたので、スッキリしました~
珍しいアンモでよかったですね。
Commented by motoronron at 2015-07-15 09:39
コニアシアンさん、おはにしあんどえす(+∀+)!!
はい〜。決定しましたよ〜。超スッキリなのです。
ワタクシレベルのドシロートですと、写真を見ても良く分からなかったり、
違う図鑑を比べると違った様に見えちゃったり自信が持てないのですよね〜。
ましてや...図鑑に載ってないのなんてはにゃほにゃふゅにゅる(+∀=;)。。。
現生の生物を調べるのとは段違いの難しさです。
また、サンプルを持っていない、現物を見た事がない、
というのも難易度を高くしています。
横からみたらそっくり(+∀+)!!前から見たら全然違った(+∀+;)グアー!!
なんてよくあるです。ベテランの皆様や学芸員さんからの助言が本当にありがたいです。
Commented by アルビアン at 2015-07-15 17:56 x
こんにちは(^◇^)
本日は涼しく快適に仕事ができました~
朝の気温が適温でしたが

沢山の皆さんの見解等、大変面白い展開で
勉強になりました、
私は見た目で判断しているので、見た事の無かった
臍でした~
なるほどですね~さすがYさん
でも、こうした協力により、周りの皆さんも
勉強になりありがたいですよね
解らない時は、先ずみてもらうが一番ですよ

一つ一つ解決していけば、奥の深い世界が楽しめますし
ブログもこうした時に、見解が聞けて面白いですね
Commented by motoronron at 2015-07-15 19:29
アルビアンさん、どぅももばんは〜(+∀+)!!!
本日、最強に心地が気持ち良き日でしたカナテコ。
昨日とは打って変わってもんげー秋の様なお天気。
ずっとこんなカンジがイイな〜。
謎のアンモさん、採取から1年近く、ようやく本決まりとなりました。
アルビアンさんをはじめ皆様からの御見解を頂戴出来てウレシーでした。
ワタクシだけならば謎アンモのままでした。
皆様のコメント、写真からの少ない情報にも関わらず
観察眼の鋭さに驚きました。まさに慧眼系(+∀+;)!!!
実際に見て下さった方々の御見解も「なるほど、そーゆトコ見るのですか!」とめっさめさ勉強になったです。
あまりネット上に写真の無いアンモですから、
皆様のお力をお借りして、公表出来て本当に良かったです。
今後、採取される方の一助になれたらウレシーのでした(+∀+)。
Commented by りんぞう at 2015-07-15 20:24 x
ハラハラドキドキもんで、最終的な結果を拝見し・・まだ僕のフィーリングは生きている♪と、少し安堵致しました。(笑)
種の紛らわしいアンモって、見れば見る程・・分からなくなるので、僕は・・素人の特権、フィーリング重視なんですよ。
例えば極端で変な話・・ゴードリセラスにそっくりなプゾシアなんてないでしょう・・そんな感覚で観察すれば、だいたい・・中りですよ。(爆)
それにしても・・ミホという種があるとは・・素晴らしい♪
Commented by motoronron at 2015-07-15 20:30
りんぞうさん、どぅももばんは〜(+∀+)!!
りんぞうさんはゼランに一票でしたよね〜。
フィーリングと言っても、りんぞうさんは超ベテラン様、
これまで見てきたアンモの数が圧倒的ですから、
仮に直感でも、かなしの精度でピコーンなのではないかと思うます。
ワタクシクラスの大ドシロートになると、
写真を見ながらでもバンバン外しちゃいますよ〜(+∀+;)キャ〜!!!
球をガターに入れるどころか自分の足に落としちゃうレベルです。
Commented by ZX9-R at 2015-07-16 19:54 x
お~、いつアップされるのかと楽しみにしていた謎アンモのネタが出ましたね。やっぱりゼランでしたか~、私の思ったとおりですね(爆!) あの時は実物を見ることが出来て嬉しかったですね~。ゼランにもミホちゃんがいたなんんて驚きです。まあいずれにしてもレア種ですよね。
Commented by motoronron at 2015-07-16 20:22
ZX9-Rさん、どぅももばんは〜(+∀+)!!!
は〜い!! 御名答ぅ〜ゼランさんでしたよ〜。
ZX9-Rさんのハイファント様のような激テコなインパクトは無く
極めて地味×2なアンモですが、初めて系の化石はウレシーものです。
たしかに化石にはいろんなミポリンがいますよね。
札幌にもすすきののミポリンとか、北24条のミポリンとか、琴似のミポリンとか
たくさんいらはるのでしょね〜(+∀+)。
Commented by apogon2 at 2015-07-17 22:33 x
謎アンモ、一件落着ですね。
しかしベテランの方々や学芸員の皆さんを巻き込んでの今回の謎解き・・お話を読んでゾクゾクいたしました。
しかもゼランのミホちゃんなんて聞いたことも見たこともありませんでしたので超驚きと共にちょっとだけ賢くなりました(爆)。
Commented by はにわ at 2015-07-18 16:21 x
おおっと~なんだかすごい展開で、どきどきしながら記事を読みました。
私にはゴードリかゼランかどちらかなんてさっぱりなんであれなんですが、素晴らしい鑑識眼ですね
学芸員さんおそるべし
Commented by motoronron at 2015-07-20 17:38
apogon2さん、どかんとどもどえす(+∀+)!!
ダラダラと続いてきました、おびらっちょの謎アンモシリーズ、おかげさまで完結しました。
謎化石との遭遇、何よりワクドキの瞬間なのですが...ワタクシ自身では全く解決出来ず、
今回も皆様のご協力がなければ、ずっと不明種のままでした。本当におありがたく思っております。
多少高価でもドカーンと専門家様の最新の知見でもって編纂されたアンモ図鑑がほっし〜ですよね。
Commented by motoronron at 2015-07-20 20:39
はにわさん はにばんちは〜(+∀+)!!
ワタクシもインスピレーションだけで言いたい放題ですが...
さすがに専門家様はやっぱしビシッと同定されます。
博物館に持ちこんで「ん〜...プゾっていうか、やっぱ今日はコスマチの気分かな〜」とか
言われちゃっても困っちゃいますよね〜。ココはスタバですかっ(+∀+;)!!?