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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

当別・白亜紀巡検

『おことわり』

今回の記事に化石はほぼ登場しません(+∀+;)。。。


2015年 11月下旬


Ryoが九州から帰ってきたあくる日。


「どうも雪が降りそうですけれど、今日はどうしますか?」

「もうお昼過ぎちゃったからな~…。ほとんど見れないよね。だから今日は、もとろんの好きな所でイイよ。…ドコでもイイよ(^ ^)。」

「あ~…(+∀+;)。おありがとうございます。では、当別にしましょう」

「え…?もしかして白亜紀ゾーンに行くの?」

「前回は草が鬱蒼としていましたが、今時期なら見通しが良くて幾分楽なんじゃないでしょうか」

「まぁ、イイけど、パッと行ってパッと見てパッパッと帰ってこようね」

「あ~…(+∀+;)。。。」


当別・青山方面へと向かいます。

途中、当別層(鮮新世)が露出している、懐かしい産地に寄ってみました。

ここはウニの化石や大きな巻貝の化石を初めて採取したところです。

橋の上から河床を見るとわずかにノジュールが顔を出しているようです。

「少し見て、ウェーダーを履いたまま白亜紀ゾーンに移動しましょう」

「ん~、小さいノジュールはいっぱいあるけど何にも入ってないね…」

「昔は地層からも沢山化石が出ましたよね。久しぶりですから期待したんですが、残念です」

復路、ようやくタマガイをひとつ見つけました。

「当別層から初めて採取した化石は5mmくらいのタマガイでしたね。あれは、とっても嬉しかったです。だから今でもタマガイに過剰反応してしまうんですよね(笑)」

「あ、ツノガイみっけ」

Ryoが水中からツノガイの先端部分を拾い上げました。

「この辺りでツノガイを見るのは初めてですね。少し上流に望来層(中新世)があるので、そこから流れてきたんでしょう。そういえば、随分前に望来の海岸でタマガイとツリテラを採ったことがありますよね。あれ、もしかすると当別層の化石じゃないかと思っているんです」

「それって不思議?」

「いや、当別層も隣り合わせで露出しているので不思議ではないですが、あそこの当別層は化石が出ないですよね?それに、これまで望来層からはツリテラや大きなタマガイは見たことがないですし」

「そのツリテラって、当別層のガサガサノジュールに入ってた?」

「いえ、地層から直接産出でした。他にも採取したいのですが、あれ以来化石を見ていません」


川から上がると、新しいダムを作る際に捨てられた広い広い畑が枯野となって、ゆっくりと揺れていました。

「ちょっと寒いね…」


目的地である白亜紀ゾーンに向かいます。


青山トンネルを抜け、しばらく進むと赤い誘導棒を持った作業員が立っていました。

その向こうには大型トラック、そしてパトカーが2台…。

慌てて減速しながら通り過ぎると、パワーショベルが路肩から転げ落ち逆さになっていました。

カーブでバランスを崩しトラックから落ちてしまったようです。


「谷底まで落ちていかなくて良かったですが、運転手の方は生きた心地がしなかったでしょうね。いゃ、後のことを考えると、まだドキドキの真っ最中でしょうか(笑)」

「写真撮ったら怒られるかな」

「やめてっΣ(+∀+;)!!!!」

くだらない事を話していて目的地への入口を見落としてしまったようです。

「おかしいですね...戻ってみましょう」


パワーショベル落下地点を通り過ぎました。

「沢を渡りましたね…これではおかしいです。戻りましょう」

作業員や警察官と目を合わせぬ様に逆を向きつつ、

見落とさぬ様ゆっくりとパワーショベル落下地点を通り過ぎました。

「あれ~???おかしいですね、やっぱり過ぎてしまったようです。戻りますね」


パワーショベル落下地点を通り過ぎました。人がどんどん増えています。

先ほどまで、にこやかだった誘導員の方が全く笑っていません…。

「もしかして、作業車のとまっている所が入口なのかも...だったら入れませんよ~」

「でも、あそこは奥があんまりないみたいよ」

「あぁ~...どうしましょう(+∀+;)?また戻ります?」

「今度見つからなかったら今日は諦めて帰ろうね!!」

「それでも、もう一度通過することになるんですけどね…。あ~気まずい!あ~気まずい(+∀+;)!!よりによって、なぜこんな所で落っことすんでしょうか!!」

パワーショベル落下地点を通り過ぎました。。。

沢山の人々の視線が突き刺さりました。


ようやく入口を見つけ、逃げ込む様に入ります。

初冬、日暮れは早く、おまけに曇天、急いで用意をします。

Ryoは先に歩き出し、背の高い草の中へと消えて行きました。

ワタクシは、つるハンマーをブドウの蔓に取られながらRyoを追いかけます。


「夏に来た時よりずっと歩きやすいです。ほら、左手の下の方から川の音が聞こえるでしょう?もうじき砂防ダムが見えてきますよ。その上流に白亜紀ゾーンがあるんです」

寒風の中でも草をかき分けながら歩いていると少し汗ばみました。

「さて、ここからは川を歩きます」

「どれくらい先?」

「途中にもうひとつ砂防ダムがあるはずですが、一番近いゾーンまでそれほど距離はないです」

「なーんか、石はいっぱいあるけど全然化石入ってそうなにないね」

「化石入りのノジュールなんて転がってたら超有名産地じゃないですか(笑)」

「ノジュールから出ないの?」

「化石があったとしても地層にモサモサになって入っている気がします」

「そもそも、ココって何が出る予定なんだっけ?アンモ?貝?」

「たぶん何も出ない予定です(+∀+)!!」

「え~っ!!?」

「もし、出たとしても貝の小さな破片かな、と…。ハッキリ言って今日は生物の痕跡を探しに来た様なものです」

「うわぁ~…」

「時代は普段採取している化石より少し古い白亜紀前期です。北海道は縦に短冊状の地質帯が幾つかあって、西の方から渡島帯、礼文樺戸帯、空知エゾ帯、日高帯、常呂帯、根室帯…と分かれています。いつもワタクシ達が行く白亜紀は空知帯ですね。今日の目的は礼文樺戸帯に含まれる愡富地川(そっちがわ)層です。昔、二番川上流を歩きましたよね、あそこと同じ層ですよ」

「それじゃあ…何にも出ないだろうね…」

「ね~(+∀+;)。。。」

「あ、この辺からちょっと地層が変わってきたね」

「この泥岩層が目的です。もう少しだけ上流に行きましょう」

砂防ダムを越え、しばらく進むと泥岩層の露頭が現れました。

「今日はこの近辺を調べて帰りましょう」

まず崩れ落ちた岩盤を細かく砕きます。

いくら割っても、均質な泥岩の中には何も見えません。

「あ、ほらほら見てみて!!」

露頭に登っていたRyoが声をあげました。何か出たのかと慌てて駆け寄ると、

岩の隙間に無数のカメムシがびっしり集まって越冬していました。

「キラキラですっごい綺麗よ~」

「そうですね…緑色でキラキラですね…(+∀+;)」

「あ、やっぱり、くさ〜い(笑)」

「あんまりイジメないであげてくださいね。ハンマーでつついていると潰しちゃいますよ...。それより、さっきからパラパラとワタクシにカメムシが降ってきているのですが(+∀+;)」


その後、二人黙々と掘ったり割ったり…約2時間。

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「やっぱり何も出てこないですね...。さすがにワタクシも疲れちゃいました。今日はここまでにしましょう。見つかったのはキラキラのカメムシとハムシだけですか~。Ryoさんも寒くなってきたでしょう、もう帰りましょう…って、Ryoさん、いなーーーい(+∀+;)!!」


Ryoは先に歩き始め、すでに砂防を降りようとしていました。


「ここ、気持ちの良い川なんだけど、全然化石がないのは辛いな~」

「ですよね~、あ、当別川との合流からずっと遡れば化石は沢山出ますよ」

「下からここまで歩いてくるわけ?」

「どんどん地層も変わって、出る化石も変わって楽しそうじゃないですか~」

「でも、結局、このゾーンからは化石が出ないんでしょ?」

「まー、そうですね…。でも、来年も来ますよ~っ(+∀+)!!」

「がんばって~」


背の高い木々に覆われた暗い林道を抜け、

今にも雪を降らしそうな黒く分厚い雲の下、家路につきました。











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by motoronron | 2016-01-28 21:07 | 当別 | Comments(14)
Commented by コニアシアン at 2016-01-29 07:18 x
おはようございます~
当別にも白亜紀があるとは、驚きです!
化石が出れば良いのですが…
アンモでももしでたら、凄い発見になりそうです(^_^;)
確か、北海道にはジュラ系もありましたよね。浦河でしたっけ?
当別は地層がとても豊富で、裏山Cですよ~
タマガイは小っちゃくて可愛いです!
Commented by アルビアン at 2016-01-29 10:11 x
こんにちは~私もかつて  白亜紀を求めて歩きました
地層的には見た目でもなんとなく白亜紀はありますが
ことのほか、化石となりますと難しいですよね
でも、無いと決定づけるのも嫌ですから、こうして もとろんさんの
調査に期待しています。
堆積環境もある程度あるので、無化石帯も多いですが、植物や貝なんかは
見てみたいです。私も決して諦めません
いつしか、もとろんさんブログに当別白亜紀化石の登場に期待します。
Commented by motoronron at 2016-01-29 14:37
コニアシアンさん オハニシアンさんどえす(+∀+)!!
当別には広大な白亜紀があるのですが...化石は出ません。
いゃ、出るのでしょうが、まー、ほとんどありまてん。
実は、当別アンモの噂はちょっこしあるのです。
しかし、噂の域を出ず、まじもんを見たことがある人はいません。
どこで産出したか、どなたが所有しているのかも不明です。
しかし、比較的最近、専門家の方が稜柱層を持つ殻の破片を確認しているのです。
それが即イノセラムスの殻であるとはいえまてんが、可能性はあるかもです。
重要なのは、生物の痕跡がどの様な形であれ残っていたという事実です。
夢が広がりますね(+∀+)。。。
タマガイ、小さい貝ですが、タマガイとしてはなかなか良いサイズなのです。
Commented by motoronron at 2016-01-29 14:41
アルビアンさん コンニチアンさんどえす(+∀+)!!
たしか、アルビアンさんは、この産地のもう少し北のゾーンを歩かれたのでしたよね?
アルビアンさんが探して無い...となると、本当にキビシーのだと思います。
しかし、キビシーのは最初から分かっていたこと...。
これからも、Ryoさんが出張でお留守の時などに一人で歩こうと考えています。
これまで、浜益、月形、当別の白亜紀層をチェケラッチョしましたが、
なーーーーんにも無かったで〜す(+∀+)!!
アンモにこだわらないので、どんな化石でも見てみたいです。
とにかく通って、よく観察するしかないと考えています。
いつか、ご一緒おねがいもうしあげまろす〜。
Commented by nenne0612 at 2016-01-29 15:45
またまた、失礼します。タマガイですか。こちらでも、ヒタチオビ同様、ポピュラーな化石です。保存は最悪ですが。でも巻き貝は好きなので、多少見栄えが悪くてもお持ち帰りします。枯野の写真、いいですね。凄く雰囲気があり、カッコいいです。
Commented by りんぞう at 2016-01-29 17:08 x
久しぶりです。
ブログを再開されていてよかったです。
相変わらずほのぼのとした御二人だけの巡検日記で心が和みます。

タマガイいいですね。
中川の稚内層から産出するタマガイは白くてなかなかのもんですよ。
とはいえ・・三紀の化石で、わざわざ中川まで来るのは遠すぎまし、アンモのついで??・・・・それも難しいですね。(笑)
まずは情報の提供はいつでもOKですから。

それと、ずっーと聞き忘れていたことがあります。
もし、宜しければリンクお願いしていいですか?<(_ _)>
Commented by Macrowavecat at 2016-01-29 20:56 x
こういう探索型の巡検には憧れます。未知の山沢に入って行くとなると、気合いが要るので、私にはなかなかできませんが。
当別の伝説のアンモですか! 本当に見つかるかも♪
Commented by motoronron at 2016-01-30 13:45
nenne0612さん おこんぬぬつわんわんにゃんにゃん(+∀+)!!
タマガイはどこでもけっこー出る系の貝ですよね。
形がかわゆいのでついつい集めてしまいます。
ヒタチオビが普通種と言えるのは裏山しーーーしーーこいこいですよ。
あこがれ巻貝化石です。密集なんかで出てきたらオートマチックにしーしーこいこいです(+∀+)。
ワタクシ、枯れてたり錆びてたりするモノや風景が好きで、ついつい写真を撮ってしまうのです。
Commented by motoronron at 2016-01-30 13:49
りんぞうさん どぅわもまにちは〜(+∀+)!!!コメントおありがとうございまろす。
どうにか再開しました〜。ドトーのUPですが、きっとまた途絶えます(+∀+;)!!
タマガイとっても好きなのです。タマガイだけを求めて道北へ...とはならないかもですが、
ワタクシもともと新生代の化石スタートなので、いまだに興味津々。
新生代の化石だけを目的に道北歩き考えています。

リンクの件、ぜひ、よろしくお願い申し上げます〜。
日本最北の化石の鉄人りんぞうさんのブログにリンクしていただけるのは光栄どえす(+∀+)!
Commented by motoronron at 2016-01-30 14:11
Macrowavecatさん どうもももわはももはににはも(+∀+)!!
なんだかわからないトコを歩くのはめっさ楽しいですよね〜。
ワタクシたちは、皆様とご一緒させて頂くまで、6年近く、
地質図のみを頼りに歩いていたので、いずこも謎々産地でした。
ベテラン様にとっては超当たり前田のクラッカーのことも、
ワタクシにとっては発見であり、てなもんや探検気分を味わえ楽しかったです。
ワタクシのばやい、何が出てきても化石ならウレシーので
どこを歩いても、あんまし困らないのが幸いです。
Commented by vicky at 2016-01-31 11:35 x
タマガイ、いいですねー。あれは、そのまま出てきたのですか?ぽろっと。

ショベルカー落下現場を行ったり来たりの場面、読んでいてドキドキしました。あー、見てる、こっち見てる、しかも不審な眼で…。と怪しい探検隊の気分でした。
捕まらないでね(笑)
Commented by motoronron at 2016-01-31 12:04
Vickyさん、どうわもももにちは〜(+∀+)!!
今、外は激テコ吹雪ですよ〜。こーゆー日が大好きです。
タマガイはぽろんと出てきました。もう、多くの産地がダムの底になり、
当別のこういった化石は貴重なものとなってしまいました。
新しい産地を探しているのですが、かつてのワタクシたちの天国同様の河床はみつかりません。
落っこちたショベルカー横、別に何度通り過ぎても良いのだと思うのですが...
やっぱし超気まずいですよね〜(+∀+;)。状況が状況だけに、
作業されている現場の方に「林道の入り口どこですかね〜(+∀+)!?」と
気軽にきける状態でもありませんでしたし(笑)。
Commented by fossil1129 at 2016-01-31 13:36
もとろんさんとryoさんの巡検紀大ファンの私。
この記事も、楽しく読ませていただきました。
ショベルカーの下りは面白いのですが、
沢を歩き始めてからの方がドキドキしました。
「下部白亜系の化石が見つかるのか…?」
ピ~ンと張り詰めた空気感が大好きです。
Commented by motoronron at 2016-01-31 14:12
fossil1129さん どうももこいにちは(+∀+)!!
なーんにも出てこない、何も結果を出せない記事で申し訳ございません。
今後、繰り返し通って、貝の欠片ひとつでも採取してみたいです。
アンモが最終目的なわけではありませんが、一般的に「出ない」産地、
多くの方が歩いておられない産地で化石をゲッチョするのは
探検気分がUPしてイイのです(+∀+)!!
いつか、この記事を読んだ誰かが興味を持ってくださるのをめっさ期待しております。