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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

カテゴリ:石狩( 29 )

今回は3連チャンで〜す(+∀+)!!!

昨日、昼から今年初の採取へ出かけました。
いつもなら正月早々望来スタートで、今時期なら既に何度も通っているはずなのに...。
Ryoさんは年末年始家におらず、その後も風邪と出張で、全く余裕がありませんでした。
昨日までの猛吹雪が嘘の様に今日は風も無く、とても穏やかなお天気です。
コーヒーと沢山のおやつ、インスタントラーメン用のお湯を持って出発です。

<<<おことわり>>>
さてさて....今回は海の生き物がイッパイ出て来ます(+∀+)。
お嫌いな方はこの辺りで読むのをストップされるか、薄目で用心深く進んで下さい。


正利冠川(まさりかっぷがわ)沿いに海へと向います。
足跡があり、午前中に歩いた人がいる様です。何か残っているでしょうか?
河口でさっそく大きなオウナガイの内型を発見。幸先が良いです。
浜に出ると、大きなメノウがゴロゴロあり、10分もしないうちに袋はずっしりです。
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「ねぇ!!ヘンなのがいるよ〜!!来て来て〜!!」少し先を歩いていたRyoが呼びます。
「コレ、なんだろ?」
「ユムシの仲間でしょうかね〜。奇麗な色ですね、写真を撮りましょう...」
「うわっ!こっちにもイッパイ落ちてるよ〜」
「ははは...な〜んだ、沢山いるじゃないですか〜(+∀+)」
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「望来でこんなの初めてだね〜!!」
「ユムシは漁師さんが食べるそうですよ。でも、これはワタクシが写真で見たユムシとは違うみたいです。もっと大きいはずですし」
「作るのに失敗したソーセージみたいだね〜」
「長いの短いの...形も均一じゃないですね。あ、結構、弾力がありますよ」

「んっ!? なんだコレは〜?」
「....ウミケムシというヤツでしょうか?」
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「見て、足の先も毛がイッパイ生えてるよ...変わってんな〜...。で、これも食べれんの?」
「いや...(+∀+;)...さすがにムリでしょう...?」
「ねぇ〜これは〜?」
次から次と...今日の望来は大当りでした。
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「あ、ウミサボテンもいるね〜。今日はイロイロいて楽しいな〜」
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トウモロコシの芯??でも明らかに生き物っぽいです。巻貝の卵だったかしらん?
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少し行くと、大きなタコがボロボロになって落ちていました。
「んぁ〜...残念っ!!この大きさなら食出あったのにな〜!!」
「Ryoさん、イカタコ系大好物ですものね。一足遅かったですね(笑)」

「生きてるカニ見つけたよ〜!!」
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「ワタリガニですね。Ryoさんの地元(九州)ではポピュラーでしょ?」
「そだね。皮ごと食べる。サワガニとかも、バリバリ食べる」
「ほ、ほんとですか....(+∀+;)??」
小さなワタリガニは海へ逃がしましたが、直後見つけた、ややサイズの大きなものは
食材として捕獲。逃亡の恐れがないようなので、
雪の上に円を書き、重くなったメノウ袋と一緒に置きました。

「イソギンチャクみ〜っけ!これカワイイな〜」
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しばらくして、Ryoがチゼルハンマーの先にイソギンチャクを乗せて歩いているのに気付きました。
「....(+∀+;)どうするんですか、それ?」
「ん、どっかの岩場に乗せたら、中からヒラヒラ出てくるでしょ」
「(笑)岩にくっつく前に流されちゃうんじゃないでしょうかね〜?」

「あ、これがユムシかな〜?」
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「大っきいね。先に短い毛が生えてるよ。さっきのは口が無かったけど、これはちゃんとあるね」
「弱っているのか、クタ〜としてますね...」

ノジュールが増え化石ゾーンが始まると、海底の砂中に住む生き物の漂着が減り、
岩礁に住むタイプが多くなってきました。

まずは、大きめのエゾボラがノジュールから出て来ました。
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崖からも直接巻貝が覗いています。
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ノジュールの数の割に化石は少なめですが、それなりにあります。
クジラの骨化石やウニの化石の破片も多く見られました。
クジラの化石は、こぶし大のを幾つかまとめて崖下に置いて来ました。
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崖の中程で昼食です。
崖の泥岩は凍結し膨張した後、この日の暖気で氷が融け脆くなり、
弱い風に吹かれただけでパラパラと崩れ落ちて来ます。
「ラーメンの中に落ちて来たらショックだね〜」
「こういう時が一番危ないですものね〜。前、Ryoさんに落ちて来た事もありましたね」
「そうだよ〜。あの時は、全然崖から遠い所歩いているのにドーン!!って大きい石が肩に当たったんだから。何事かと思ったよ」
デザートのホイップこしあんパンを食べて採取再開です。

続きます。。。
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by motoronron | 2013-02-07 19:00 | 石狩 | Comments(10)
2008年 8月
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車の免許を取ったので近場をヨロヨロ散策...。
練習がてら「五の沢林道」なる細い道をフラフラ。
完全舗装で安心です。途中の草っ原で転回してみたりバックしてみたり...。
途中、八の沢小学校の校門と八の沢鉱業所跡という気になる石碑を発見しました。
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碑文
安政5年(1858)厚田望来の海浜で石油の湧出を確認。
明治12年(1879)春別で試掘。採掘に数々の困難を窮め採算及ばず。
後に日本石油株式会社に譲渡され、昭和初期の最盛期には油井数188抗、
年間産油量、約一万キロリットル、従業員数250余名の活況を呈した。
その後、帝国石油株式会社に引き継ぐが油量激減、北宝石油鉱業株式会社に継承、
35年(1960)8月、採掘を廃止し、試掘から81年の歴史を閉じた。
ここに、数々の尊い足跡を永く伝えんと碑を建てる。
平成12年10月吉日 八の沢石油友の会
記念碑建立実行委員会
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どうやら、昔、この付近では石油を採掘していたらしく、
現在の状態からは想像出来ない程、多くの人々が暮らしていた様です。
横には「火気厳禁!!」という看板まであります。
確かに、かすかに石油の匂いはするのですが、辺りを見回してみても、
それらしきものも、施設の跡も見当たりませんでした。

出張から帰って来たRyoと油田跡を探しに再び出かけましたが、
相変わらず草深く、どこにあるのか見当もつきません。
時折、風に乗ってくる匂いだけをたよりに、息を切らして、丈の高いクマザサを掻き分け、
ウシアブにたかられながら探しましたが、結局、見つかりませんでした。
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「八の沢小学校」跡から、当別側へ数百m進むと右手に「伊夜日子神社」跡があります。
伊夜日子は石油の神様も兼任しているそうなので、ここにもあるわけです。

その後も2,3度訪れたのですが、場所は分かりませんでした。
そして、11月中旬、とうとう五の沢線は封鎖されてしまいました。
雪で草が潰れ、見通しの良くなる春に期待です...。
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5月、雪は山陰に少し残る程になり、再び五の沢線を訪れました。
八の沢小学校の門の左手のやぶの奥にある、ぽっかりと広い場所には、
スイセンやエンゴサクをはじめ、様々な花が咲き乱れていました。
肝心の油田跡は、あっけない程、簡単に見つかりました。
てっきり、石碑の近くとばかり思っていましたが、
どちらかというと「伊夜日子神社」の側でした。
夏草に埋もれていた火気厳禁の赤い看板が目立ちます。
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近づくと辺りに石油の匂いがたちこめ、地面も枯れ草も油にまみれ、
一見、底なし沼の様に怪しい雰囲気ですが、
案外、足下はしっかりしています。
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石油と一緒に水も湧き、濁った水の上には黒い油の層が厚く浮いています。
水が沸き出すだけでも感動的な事ですが、こうして実際に大地から
石油が沸き出している様を見ていると、あたかも地球が生命体の様な錯覚を覚えました。
複雑な色彩は大変美しいものです。
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採取してきたサンプルは不純物が多かったので、即席のペットボトル漏斗と
コーヒーフィルターで漉してみました。ゆっくりゆっくり....原油と水が滴り落ちます。
この様子と色が本当に美しく、つい、ずっと見続けてしまいます。
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数日後、全て落ちきり、やっと完成しました。
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小学生の頃、理科室に原油をはじめ様々な状態の石油を小瓶に詰めた標本がありました。
原油や重油は、ねっとりと黒く光を透かさず、他の石油の様なクリアな美しさはありませんでしたが、
これが全ての石油の元なのかと思うと、特別な魅力を感じました。
随分時を経た今、まさか自分の手で採取するとは思いませんでした。それも、石狩の地で。
長い時の流れを感じさせる美しい地球の標本を手にできて、本当に嬉しく思いました。


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by motoronron | 2012-12-30 23:58 | 石狩 | Comments(12)
クリスマスの日
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良く晴れた朝で外はとっても冷えていました。
寝室の窓から見えるシラカバの枝は全て水晶の結晶で覆われた様です。
ダイヤモンドダストが宙を舞い、何もかもが輝いている朝でした。
10時頃でマイナス14度、Tシャツの上にオーバーを羽織って、庭の写真を撮ってまわりました。
あちこちの家からボイラーや暖房の排気の湯気がいつもより濃く重そうに立ち上っています。
車が走り去った後には、乾いてサラサラの粉雪が巻き上げられます。

「お日様昇ったのに、全然融けないね」
「随分、冷えてましたもの。雪を踏みしめる音もキュッとしてましたよ」
「ねー、お休み、明日しかないからさ、モーライ行ってこようよ」
「イイですよ。でも、きこりんさんのブログによると、イマイチの状態のようですから、あまり期待しないでくださいね」
「いいよ。モーライは行くだけで楽しいんだから....」

朝食を食べ終え、例によって熱々のコーヒーを用意して早速出かけました。
「ちょうど、一ヶ月ぶりかな?」
「そうですね。それにしても、まだ12月なのに、すっかり真冬の風景になりましたね」
「去年も大雪だったけど、今年はどうなるかな?」
「この調子で続くと大変ですね(笑)」
「今度帰ってきたら何して遊ぼうか」
「久しぶりに"かまくら"を作りましょう」
「イイね、焼き肉!!」
「だから、それムリですってば....タレにつけた段階で冷しゃぶみたくなります〜(+∀+;)。
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駐車スペースはちゃんと除雪してありました。今日は誰も海に来ていないようてす。
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風は海へ向かっていたので、波はさほど高くありませんでした。
しかし、昼頃になっても、あまり気温は上がらず、
一瞬も止む事無く頬を切る冷たい風が吹いていました。
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砂浜はアスファルトの様に硬く、少しも沈みません。転んだら怪我をしそうなくらいです。
石ころは全て分厚い氷に包まれてました。
奇麗な貝殻を見つけて拾おうとしても、凍った砂をチゼルハンマーで
何度も叩いて掘り出さないとなりません。
水たまりの底にある貝やメノウも砂と氷にすっかり固定されています。
きっと、上に溜まっている水は塩分濃度の高いものなのでしょう。
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波打ち際、段差が出来て少しだけ深くなっているところに、
"ノジュール溜まり"があるのが見えているのですが(上の写真、波がたっている辺り)
長靴ではどうしてもそこまで近寄れず、悔しい思いをしました。
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それでも、Ryoは果敢に何度も海に入り、ノジュールを拾っては
ポンポンと陸へ投げ、それを片っ端から割っていました。
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「どうです、何か出ましたか(+∀+)?」
「ん〜、入ってるんだけどさ〜、どれも状態がイマイチなんだよね〜」
「こっちはウニみたいですが、続きは無いでしょうね...」
「今日、そんなの多いんだよね〜。キヌタレとかパカン!! って出てこないかな〜」
「ノジュールが見えているのに採れないというのが残念ですよね〜」
「ホントだよ〜....」
「明後日あたりから大潮で狙い目かもしれませんね...」
「明後日!?ダメダメだな〜、明後日はアタシ熊本だもん」

コーヒーを飲みながら、風景を楽しみます。
石狩方面は海の上に濃い緑色の霧の様なものがたゆたっていました。
厚田方面は蒼い山々の連なりと海岸沿いの崖がクッキリと見え、
心做しか、普段より近く感じました。

「さて、のんびり、歩きながら帰りますか。今日はコンプレッサーが届きますよ」
「そうだね。クリーニング、楽しみだな〜(^ ^)」

Ryoは、ワタクシからは大分遅れて、ゆっくりと石を叩いたり、
何かを突っついたり、拾ったりしながら歩いて来ます。
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ワタクシは、時折立ち止まり、遠くのRyoを眺め、見慣れた崖を何度も仰ぎました。
思いっきり冷えた空気を吸い込むと、肺の奥の末端までがシンと凍り
透明で無機的なものに変わってゆき、心が微かに震えました。
幸福でも不幸でもない気持ち、今、ストンと命が終わっても惜しくない....そんな感覚でした。

Ryoは、マサリカップ川の河口手前でようやく追いついてきました。
「あ〜ぁ、アタシ、今年はこれで最後だな〜...」

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by motoronron | 2012-12-28 22:01 | 石狩 | Comments(10)
先の記事の追加写真です〜(+∀+)。
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by motoronron | 2012-11-20 20:03 | 石狩 | Comments(12)
11月16日

朝、雪が降りました。
例年に比べ、なかなか寒くならないので、のんびり構えていましたが、
さすがに望来の家庭菜園のブドウの雪囲いをし、ニンニクを植えなければなりません。
朝、出勤するRyoに「畑に行くんなら、モーライの海ちゃんと見て来てよ。アオイガイ来てるかもしれないんだから」と言われました。内心、さすがにもう無いのでは?と思いましたが、
畑からの帰り道、一応、寄ってみることにしました。

前回同様、正利冠川(まさりかっぷがわ)は南の方へ寄り
露頭の端を舐めている状態なので水の中を歩きます。
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三週間ぶりとあって様子は随分変わっていました。
波が大きく浜を洗ったらしく、崩落し崖下に溜まった土砂はすっかり無くなり、
流木は崖の真下へと押しやられていました。
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漂着物は少なく、アオイガイが落ちていればすぐに見つけられそうです。
まずは、波打ち際でメノウを拾います。
せわしなく目を動かしますが、白く目立つのは牡蠣の殻ばかり。
おまけに中身は全てカモメに食べられてしまった後です。
大きめのヒラツメガニを見つけましたが、これも残念な事に亡くなって久しい様です。
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化石も少なく、ノジュールを幾つか割ってみるも中身はイマイチです。
Ryoにめぼしいお土産を見つけてあげられず、残念に思いながら歩いていると
あっと言う間に無煙浜の方まで来てしまいました。折り返し、今度は崖寄りに歩きます。

潰れたウニがいくつか入っているノジュールを見つけましたが、
状態がイマイチなので放置しました。
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底にK.S.と刻印された小さな青い瓶を拾いました。割れているけれどキレイなものです。
顔を上げると、既に正利冠川河口のテトラポッドが近くに見えています。
「今日の収穫はこの瓶が一番かな...」と少し落胆しながら歩き始めました。
十歩も行かぬうちに、砂浜の真ん中に落ちている白い貝が目に入りました。
目の悪いワタクシでも、直感でなんであるか分かりました。
足早に駆寄ると、やはりアオイガイの破片でした。これが初対面です。
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何年も探してきて、ようやく出会う事ができました。
破片だとしても、やっぱり嬉しいです。
透ける程に薄くて軽く、それでいて独特なカサカサとした硬質な質感、
想像していた通りでした。
短い時間の散策でしたが、採集品に十分満足し、Ryoの喜ぶ顔を思ったり、
ブログになんて書こうか...と考えながら歩きました。

この日、テトラポッドの向うに流れる河口は浅く、注意すれば渡る事が出来そうでした。
長靴を迫り上がってくる水に注意しながら、つま先立ちで恐る恐る渡りきりました。
こちらのビーチは漂着物が少ない様です。遠くの方でサーフィンをしている二人組が見えました。
「寒くないのかな〜?」と思いながら、視線を波打ち際にやると
砂にまみれたアオイガイを見つけました。
遠目にも殻の中で持ち主が動いているのが分かりました。最も理想的な状態です。
殻の周囲にはカモメの足跡が残っており、千切れた細い足も落ちていました。
薄い殻から透けて赤味の強い体がうごめいているのが見えます。
何度か、水を勢い良く吐き出しました。
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動画を撮るため、海水で洗おうとすると、荒い波に持って行かれそうになり、
慌てて拾い上げました。逆さにすると、ズルリとだらしなく卵と本体が砂の上に落ちました。
その直後にやってきた大きな波に卵はさらわれてしまいましたが、
ずぶ濡れになりながら、どうにか殻と本体は守りました。
興奮で頬は少し火照っていました。

本体はホルマリン標本にしようと考え、一度、家に帰宅し印鑑などを持ち、
再び出かけました。一件目の大手チェーンの薬局ではホルマリンは扱っていないとのこと。
駅前の調剤薬局でも在庫無しでした。しかし、事情を話し出来るだけ早く入手したいと伝えると、
薬剤師のオネーサンは、近くの大学の薬局や問屋など、方々に問い合わせをしてくれ、
翌日一番で入荷する手はずをつけてくれました。

夜、駅にRyoを迎えに行きます。
少しでも驚かせようと、出来るだけそっけない態度で今日一日の話をします。
帰宅し「これが今日の収穫です」とテーブルの上のステンレスバットを指差しました。
Ryoはアオイガイの破片を見ると声を出して驚き、すっかり興奮しました。
「やっぱりキレイだね~!!」とか「やっと採れたか~!!」と、ひとしきり盛り上がった後、
「じつは...まだあるんです...(+∀+)」とキッチンへと連れて行き、
ザルに入った中身入りアオイガイを見せました。
「え〜っ!!スゴイじゃないですか!! あったんだ!!」
「中身も入ってますよ」
「ね〜! だから私言ったでしょ。今日はいるって!!」
Ryoの興奮は最高潮、思わずハイタッチです。
「ホント、言いつけ通り行って来て良かったです。この中身入りの方は正利冠川の向こう側で採ったんですよ」
「いつも、あっちには行かないのにね〜。呼ばれてたんじゃない?」
殻を逆さにして軟体部を出してみせます。
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「おぉ~! まさしくタコだね~!!」
「イカとタコの中間みたいな感じですね」
「そうだね~。肌の色と模様はイカっぽいもんね」
「浜で見つけた時は、もう少し赤っぽい色だったんですけど...」
「うすべったい殻の割に中身は大きいんだね」
「さらに卵も入っていますからね」
「ん〜、カワイイな~。このコが、こんなに繊細で複雑な殻を作るなんて不思議だね~」
「この足のヒダヒダからの分泌物で殻を作るそうですよ」
「へぇ〜、どうして、こういう模様を作れるんだろう?」
「本当に不思議ですよね。殻を作るのはメスだけなんです。ワタクシが見つけた時も卵がイッパイ入っていたんですが、波で流されてしまいました。まだ、殻の奥に少しだけ残っていますね」
「粒が小さいね」
「鮨ネタのタコの卵は大きいですもんね。これはタラコくらいでしょうか?」

「で、食べるの?」
「えっ...(+∀+;)。いや、今回はホルマリンに漬けて標本にしようかと...」
「そっか...。でも、足一本くらいイイんじゃない?」
「だ~め!! ただでさえ、カモメに突かれて傷だらけなんですから~」
イカタコ系が好物のRyoにとって、キッチンでザルに入った活タコは、
もはや新鮮な食材にしかみえない様です。

夕食後、急いでキッチンを片付け、作業開始です。
まず、Ryoに3.5%の食塩水を作ってもらい、隅々まで洗浄します。
溢れた砂と一緒に卵と短く切れた足も流れ出て来ました。
「わっ! 足取れちゃったんじゃない?」
「大丈夫です。切れた足が側に落ちていたので、殻に入れて来たんです」
「頭に穴あいてるよ」
「あ...ホントだ...(+∀+;)こうしてみると、けっこう喰われてボロボロですね」
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(ヒラヒラした足先部分で殻を作る様です)
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(計測してみると思ったよりも大きく40cm近くありました)

塩水に浸けると、すこし元気を取り戻したのか、足をクネクネさせます。
皮下であずき色の模様がランダムにうごめいて見えます。
よく観察すると、小さな斑点が順次拡大縮小することで模様が動いて見える様でした。
白い部分は真珠の様な光沢で角度によって虹色に輝きます。
「すっごくキレイだね〜」
「出来るなら飼ってみたいですね」
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少量の卵塊と千切れた足をバットに並べます。
Ryoは足を指先で突いています。
「お、まだ動いてる。色も変わるね...。ねぇ!これ指に吸い付くよ~!!おもしろ~い」
「その足は...標本にしないので、食べてもいいですよ(+∀+)。。。」
「やった!!」
「柔らかそうなので一度湯通ししてから、わさび醤油で頂きましょう」
「イイですね~(^ ^)」

茹でると奇麗な赤い色になりました。冷水でしめ、一本だけ小皿に盛ります。
「それでは....いただいてみましょう」
「いっただきま~す!」
まず、Ryoが食べました。
「どうですか?」
「ん、柔らかいな...吸盤のとこがショリショリする感じ」
「どれどれ...。なるほど...弾力が無いですね。ショリショリというよりシャクシャクかな?」
「淡いな〜」
「生臭みは無いですが、普通のタコやイカに比べると旨味が少ないですね。卵も食べてみましょう」
「プチプチはしてるね。少ないから味はよくわかんないな~....」
「でも、舌の上に残る感じは悪くないので、ある程度量を食べるとコクがあって美味しいかも。身も卵もクセが無いですね。鮨屋のタコの卵は噛むとドロンとしてあまりスキじゃないですが、アオイガイの卵は美味しい方なんじゃないでしょうか?」
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その夜、アオイガイは塩水に漬けられ、冷蔵庫で保管され。翌日、標本となったのでした...。
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はじめてのアオイガイ。色々な意味で堪能いたしました(+∀+)。。。
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by motoronron | 2012-11-19 18:14 | 石狩 | Comments(18)
10月下旬。

ビーチコーマーの方々のブログではアオイガイ漂着のニュースが多く見られ、
アルビアンさんからは、メールでも教えて頂きました。
ワタクシ達は相当な回数、この望来の浜を訪れているのですが、
甚だ運が悪く、これまでアオイガイを一度も見た事がありません。

最近、家庭の都合で休みをとる事が出来ないでいましたが、
家庭菜園の後片付けついでに、望来の浜を歩くことにしました。
いつもの場所に駐車し、着替えをします。
「アオイガイ来てるかな~?」
「どうでしょうね、どうもワタクシ達は縁がないですからね~(+∀+)」
「あっ!!!」
「どうしました?」
「持ってくる長靴...間違えた..」
いつも履いている長靴が裂け、浸水しビショビショになったので、
替えの長靴を出しておいたのですが、破れた方を持って来てしまった様です。
「よりによって...ワタクシのだけ...(+∀+;)いいです...いいです、ワタクシが履きますよ...。はぅ~っ!!早くもグチョグチョ!!!」

Ryoは期待イッパイ、久しぶりの海へ向かって、元気に歩いて行きます。
ワタクシはその後ろを"だぽんだぽん"と重い音をたてながらついて行きます。
この日の正利冠川(まさりかっぷがわ)は、いつもと流れが変わり、通路が水の底。
川の中か、泥岩の斜面を歩かなければなりません。
「斜面、滑りますね〜...気をつけてください...」と言った途端に派手に転びました。
「ねぇ、川の中歩いた方がイイんじゃない?」
「そうですね...。はあ~っ...!!水がはいってくるぅ~(+∀+;)」
「どうせ濡れてるんだから一緒でしょ?」
「イヤイヤ...冷水が入って来るのはまた別です。せっかく温かくなってきてたのに」
「あっ!!!」
「今度はどうしました?」
「こっちの長靴も穴あいてるみたい...」
「...(+∀+;)。今日は最初から、なんだかな~...ですね」
「この後、イイ事あるんじゃない?」
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風は海へ向かって吹いているのに、思ったより波の荒い日でした。
「ワンソクルイ、いないかな~」
「ホオズキガイはオレンジ色で目立つんですけど...めったに見ないですよね」
「ある時はあるのにな~...」
大きめのメノウをいくつも拾いました。メノウブームの様です。

ノジュールは沢山あるのですが、その多くが波打ち際に集まってしまい、
長く雨の日が続いた後の濁った海水では見づらく、殆ど採取出来ませんでした。

崖の上からは滝の様に水が流れ落ち、数カ所で崩落の跡がありました。
「ツメタガイの殻ですよ。今日のは大きいですね」
「割れちゃってるのが残念だね~」
「こんな大きな化石が欲しいですね」
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露頭に入ったノジュールから巻貝の化石が出ました。
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にわか滝の流れの中にネジボラを見つけました。
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「やっぱり、アオイガイ無いね~...」
「ん~、難しいものですね」
ワタクシが、昆布と共に打ち寄せられた岩ガキをモチャモチャ食べながらノジュールを割っていると
後ろから「アオイガイみっけ」の声がしました。
「ホントですかっ(+∀+;)!?」
「ん~...オモチャかも?」
「オモチャ?(どういうコト?)」
ワタクシは慌てて駆寄りました。
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「あ、これはタコブネですね〜。やったじゃないですか! Ryoさんっ(+∀+)!!!」
「タコブネっていうのか~。な〜んか違うと思ったんだよね。でも、なんだかわからないから、アオイガイって言ってみた」
「初めての採取はアオイガイの破片とばかり思っていたので意外でした。オモチャっていうのは?」
「ひらってみたら、プラスチックみたいだったから、よく出来たオモチャかもと思ったんだよね〜」
「イミテーションだったら逆に珍しいですよ(笑)半信半疑だったので、見つけた時のテンションが、ちょっと低めだったんですね」
「そうそう(笑)」
「お手柄ですよ(+∀+)まだ落ちてないか探しましょう」

リュックサックの横に小袋をぶら下げ、その中にタコブネを入れました。
落としていないか、壊れていないか気が気でなく、
風が吹く度、手を後ろに回し確かめながら歩きました。

大きく崩落し、土砂が山盛りになっている所がありました。
よじ登って観察していると、状態の良い大きなオウナガイを見つけました。
これまで望来ではあまり大きなオウナガイを採取した事がありません。
大型のものは全て当別川産でしたので、これも嬉しい収穫です。
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左上のオウナガイはさらに大型です。
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植物化石がのぞいているノジュールも見つけました。
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岩に座り、ビールの景品のクリームサンドのリッツと熱いコーヒーで休憩しました。
海と青空の狭間からは、絶えずゴウゴウと低いうなりが聞こえて来ます。
遠く、丘の上で回る風力発電のプロペラは来た時と向きを変えています。間もなく正午です。
背後の崖の小さな滝は、時折吹く強い風に翻弄され、右に左に蛇行しながら落ちていました。
Ryoは、コーヒーを飲みながらも、キョロキョロと目だけはアオイガイを探している様でした。

結局、その後、アオイガイもタコブネも見つける事が出来ませんでしたが、
ワタクシ達にとっては、僅かの時間で大収穫の一日でした。
「やっぱり、モーライはイイね〜。気持ちよかった〜」
「ですね〜(+∀+)今日は新たな"逸品"がRyoさんコレクションに加わりましたしね」
「また来ようね」

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by motoronron | 2012-11-13 13:42 | 石狩 | Comments(17)
家庭菜園に行く途中、望来の崖に寄りました~(+∀+)。
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海水浴シーズンには行かないので本当に久しぶりです。
海からの風が吹いていましたが、波は高くありません。
数日続いた強い雨のため崖の下は大量の土砂が積もっています。
ヌルンヌルン状態の場所もあり、嵌ると大変です。
ワタクシ、クロックスがすっぽ抜け...裸足で泥の中を歩いてしまいました(+∀+;)。
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所々、小さな滝が出来、崩落を助長します。
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「崖の上の畑、どんどん小さくなっちゃうね」
「ん〜...ここの上の土地は動産ですからね〜(+∀+)」

海水は濁っています。泥岩層が露出し、ノジュールが入っているのが見えます。
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波打ち際にノジュールがゴロゴロしているハズなのですが...残念ながら見えません。
それでもRyoは一生懸命海の中に入り、探し出してきてはパンパンしています。

北の方から、お高そうな一眼レフを肩にかけた、ジーンズと帽子とおヒゲのよく似合う
ダンディなおじさまがやってきました。軽く挨拶を交わすと、ニコニコと過ぎて行きました。

海側はRyoに任せ、ワタクシは崖によじ登り化石を探します。
オウナガイの美品を見つけました。多産する割に美品は少ないのです。
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大型の巻貝とキヌタレガイの一部が覗いていましたが、どちらもモロモロでした。
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怪しげなデコデコ貝化石の一部を発見(+∀+)。。。なんでしょね〜。
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崖の上から黒い雲が出てきた~...と思っていたら、急に大粒の雨が降り始めました!!
慌ててカメラをTシャツの中に入れ、前屈みになって歩きます。あっと言う間にビチョビチョです。
向うからダンディなおじさまも同じ様にTシャツでカメラを巻き、早足でやって来ました。
「ひどい雨ですね〜(+∀+;)!!」
「すぐやむと思うんだけど...わ〜!!」おじさまは大慌てで過ぎて行きました。
片手には先ほど持っていなかったハズの布袋。もしかして化石も採取したのかしらん?
こんな天気でなければ、いろいろお話できたのですが〜。

今日の望来は浜がすっかり狭くなっていました〜。
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収穫は少なかったですが、久しぶりの望来、楽しかったです〜(+∀+)。
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by motoronron | 2012-09-14 11:45 | 石狩 | Comments(2)
前回に引き続き、愛する厚田の崖です。

とにかく沢山の化石を産出する露頭ですが、圧倒的に貝類が多いです。
個人的にお気に入りで、レア度が高いと思っている一つが、カニ化石です〜(+∀+)!!
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サイズは、全長約30mm・幅約25mmと小型です。
これまで採取したのは全てほぼ同じサイズですから、これで成体なのだと思います。
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これはちょっと潰れちゃってます。
実はこのカニさん、クリーニングの際、殻の下側がバラバラに砕けてしまいました、
ガーーーーーーーーーーン(+∀+;)!!!!!と、ショックを受けていたら、
その下からまた殻が出て来ました。二枚殻だったのかしらん?脱皮直前?
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分離は貝類に比べ大変良いと思います。ただ細い脚などを取り出すのは難しいかもしれません。
クリーニングは容易ですが殻は極々薄いため、パラッ....と剥がれてしまう事もあるので注意です。
下の写真の様にノジュールの中、透明でショリショリした鉱物の被膜に包まれている事が多いです。
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産出場所は、河口からスタートし当別層〜望来層4分割1・2・3・4〜海水浴場という順に見た場合
望来層2付近で出る事が多い様です。クジラ化石もこの辺りで見つける事が多いです。

ところで、みんな大スキスキスキ(+∀+)!!!な、タラバガニ、ハナサキガニ、
ズワイガニ、イバラガニといった大型のカニ化石ってないのでしょうか?あんまり見た事がありませんね〜。
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by motoronron | 2012-08-10 20:00 | 石狩 | Comments(20)
石狩の化石採集は皆様にも「おなじみ度No.1」の厚田の崖です。
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Ryoと二人の化石採集はここから始まりました。
海水浴シーズン以外は採集に訪れる大のお気に入りの場所です。
最初期は崖下のモシャモシャした堆積から、カサカサ化石を拾っていましたが、
天候と引き潮に恵まれた時、砂浜の下は泥岩層で、化石が白く見えていたり、
ノジュールが入っていることに気付きました。
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日によってはノジュールがそこら中転がっていました。
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テンションMAX(+∀+;)!!通いまくりました。吹雪の中、何時間も波にもてあそばれながら
素手で海中からノジュール採取していました(手袋濡れちゃうのイヤなので...)。
テンションが上がると冷たくもないし苦痛でもないです〜!!
大体、いつでも化石は採れるのですが、ワタクシたちが
「ノジュールの旬」とか「ノジュール・ブーム」と呼ぶ時期があります。
化石の入ったノジュールが海からやってくるのです!!
でも、無いとなると全く無く、海が荒れた後は崖下の土砂まですっかり無くなります。
特産のメノウすら無いことがあります。
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もし、この記事を読んで行かれる方、無くても諦めないで下さい。
とてつもなくひどく運が悪かっただけなのです。
タイミングが合えば、た〜〜くさん採れます(+∀+)!!

比較的よく産出する化石は、多い順に...
・ワタゾコウリガイ
・オウナガイ
・ツノガイ
・キヌタレガイ
・キララガイ
・エゾボラ
・ネジボラ
・ツキガイモドキ

植物化石もよく出ますが、キレイなのはたまにしかありません。

個人的にレア度が高いのは〜上位から順番に...
・魚(不明種)
・カニ(不明種)
・ウニ
・クジラ(不明種)

カニ、ウニ、クジラはブームがある様でパタッと採れなくなります。
カニはなんとなく他のノジュールと雰囲気が違います。
滅多に出ませんが保存は良いです。魚は大体グチャグチャです。
崩れウニ密集のデカノジュールはよく見かけますが、
マルッとキレイなウニにはなかなか出会えません。クジラ骨は殆ど摩耗しています。

上記以外にも、札幌市博物館活動センターの収蔵品整理のリストには
・ギンエビスガイ
・アラソデガイ
・タマガイ
・クダマキガイ
・サンジョガイ(サンショウガイのこと?)
・ヤリガイ
・フデヒタチオビガイ
・フネソデガイ
・クルミガイ
・サクラガイ
・ヒメエゾボラガイ

と、ありました。他の貝も産出しています。キヌマトイガイの仲間でしょうか。
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貝類の分離は総じてあまり良くなく、母岩に殻が残りがちです。
ツノガイは多産しますが、頭からお尻までシュッとしていて模様も奇麗なものは見た事がありません。

ん〜、いずれにせよ、ココは化石が出ても出なくても、とっても気持ちの良い崖なのです(+∀+)。
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by motoronron | 2012-08-09 22:46 | 石狩 | Comments(4)