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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

カテゴリ:当別( 18 )

コニチワ(+∀+)!!! ドォモデースタルデス!!

当ブログは、昨年8月にオープンし、はや9ヶ月。
とは言え...4ヶ月分休眠があるので、継続期間はビミョ〜ではあります(+∀+;)...。
んがっ!!!!しか〜し!!三日坊主を絵に描いた餅の様なワタクシめが、
カビは生えても消滅せず、ここまで続ける事が出来たのは、
偏に皆様方のお陰様々です。心より感謝申し上げまする〜。

その時のテンションだけをモチベーションに綴るため、
どうしても皆様の様にコンスタントな更新が出来ませんが、
これからも、細々と続けて行く所存でございます。
たま〜にチラと覗いて頂けますと幸いに思います。
今後とも相変わらぬ御贔屓のほど隅から隅までずずずぃ〜っちょんっと
おん願い上げ奉りまする〜(+∀+)。。。

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さて、ワタクシ「いつか記念記事を書く時はこのネタ!」と開設当初より決めておりました。

当別川で採取したウニです(+∀+)!!

実は写真に写っていない奥の方が少し陥没してしまっているため
残念ながら完全体ではありませんが、状態は大変良いと思います。
ワタクシめのコレクション中、スキスキランクはナンバー1です。
故に今回も特別にカワユイおざぶに鎮座ましましてまし。
「いくら、もとろんがウニ系が好きでも、これが100回記念というのはど〜なの?」
そんな声が耳鳴りの様に...潮騒の様に聞こえてまいります...。
んぅ〜、でも、このコは間違いなく、キング・オブ・ウニ子なのです。
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では、Ryoさんの手の上に乗せてみましょう...。はい、丼。
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如何でしょう...(+∀+)。
このウニさんのスーパー感、お分かり頂けたのではないでしょうか?
同じ当別川でノジュールから出た白ウニ化石と比較すると、こんな感じです。
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採取は 2009年10月

Ryoの出張中に、珍しくワタクシは一人で出かけました。
この頃は、間もなくダム底に沈んでしまう産地から、
ひとつでも多くの化石を救出しようと使命感に燃えて採取していました。
「当別川は、ひとりでも行ってこい!」がRyoからの命令でもありました。

午後を大分過ぎてから出かけたため、川岸の一番奥に着いた頃には、すっかり暗くなっていました。
帰りしな、採り残した化石は無いか、這う様な姿勢で調べていました。
さすがに腰が痛くなってきたので、立ち上がり、のびをしてから辺りを見回していると、
あまり化石の多くない、やや高い位置の層に「何か」が埋まっている様でした。
化石採取をする者の多くが、遠くからでも直感的に、それがノジュールであるか否か分かる様に
ワタクシも、薄暗がりにある、よく見えない「何か」に違和感を感じ近寄りました。
ほんの僅かに覗いた部分だけでもウニである事は明らかでした。
棘の跡の大きさと間隔から、普段、採取しているウニとは比べ物にならない大きさである事も。

今採るべきなのか、日を改めるべきなのか、迷いました。
しかし、気持ちを抑えられず、チゼルハンマーを地面に突き立ててしまいました。
興奮と緊張でワナワナしながら周りを掘り進めると、想像以上に大きく予想の倍程の大きさでした。
泥岩に直接埋まったウニは大抵とても脆く、これまで、いくつも壊してきたので、
出来るだけ慎重に...と何度も自分に言い聞かせながら、そっと泥岩を除去してゆきます。
辺りが宵闇に包まれ、手元が殆ど見えなくなった頃、ようやくウニが動きました。
ソ〜ッと引き抜き、手探りで破損が無いのを確認し、いつも以上に大切に新聞紙に包みました。
真っ暗な薮の中、草を掻き分け、枝ですり傷を沢山作りながら車へと戻りました。
人一倍臆病なワタクシですが、この時ばかりは不安よりも興奮が勝り、フワフワした心持ちでした。

家に帰り、早速、水洗します。そっとブラシで擦ると下から生々しい模様が現れました。
裏側には棘がびっしりと残っています。少し力を入れただけで棘が剥離するため、
途中からは刷毛に換えて洗浄を続けました。

化石採取をはじめて1年目のワタクシにも、
これが、なかなかお目にかかれない化石であろう事は想像出来ました。
ほんの駆け出しの頃に良い化石に出会え、良い体験をしたのです。
将来、これほど興奮する出会いはあるのだろうかと思います。

化石採取の楽しさを教えてくれた大好きな当別川での思い出深い化石、
これこそ、100回記念にふさわしいと考えました。

200回記念の記事を書ける様、これからもRyoとふたり、楽しく採取を続けたいと思います。
ありがとうございました。

気品溢れるブツブツとお尻の穴
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エレガントで艶やかなお毛々
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典雅な毛並み
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by motoronron | 2013-04-29 11:36 | 当別 | Comments(22)
前回のつづきです(+∀+)。

2010年 10月上旬

「灌漑溝」
ここは、当初予定にはありませんでしたが、
橋から下流方向を覗き込むと何となく良さそうに見えます。
灌漑溝という名から人工的なものを想像しましたが、
護岸等無く右側に地層も露出しています。盤の沢橋の袂から降ります。
細い川ですが深い所に流れ、降りるまで少々苦労しました。
左右に露出している地層は、これまで紹介した当別川本流、土方の沢、
西野沢等で見られる泥岩層と同様と思われます。
少し進むと、右手にかなりの高さの露頭があります。
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化石を見つける事は出来ませんでしたが、運が良ければあるかもしれません。
この様な深みがしばらく続きますが、抜けると穏やかな流れになります。
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当別川との合流まであと少しという地点で奥の方から勢いの良い水音が聞こえて来ました。
カーブの先で流れは重ね落ちていました。
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弾けた水沫に岩苔はしとり、明るい木漏れ日に照らされ新鮮そうに輝いていました。
これまでのやや陰鬱な雰囲気が一変しました。
甌穴が幾つも口を開け、落葉は旋回しては次の段へと運ばれてゆき、
穴の底ではノジュールが水に揺られています。
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予想もしていなかった小さな景勝地、しばし"秘境"気分を味わいました。
僅かの距離で素晴らしい体験をしましたが、化石の採取は出来ませんでした。

「四番川」
ようやく四番川につきました。
国道451号線沿いに流れ、降りる事は容易と考えていましたが間違いでした。
川は随分深い所を流れていました。道路脇の傾斜を下り、
次にコンクリートの護岸を降りなければなりません。
これが高さのある上、足場も無く直接降りられません。
適した場所を探し求め、笹薮を掻き分け右往左往しました。
あまりの苦痛に、結局、ワタクシがロープで降り、下から降り場所を見つけました。
こんな時は下からの方が見通しが利いて良いものです。

随分、時間を無駄にし、ようやく上流へと向かい歩き始めました。
可能ならば、四番川支流である前田の沢も見る予定です。
流れは緩やかで川幅がありますが、深みが多くあり腰まで浸かります。
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深い場所をゆるゆると流れている為、暗く雰囲気は鬱々としています。
20分程進むと、ようやく貝化石の痕跡を見つける事が出来ましたが、
状態は非常に悪く、取り出しただけで粉々になり採取は出来ませんでした。
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どこまで行っても河床の露出は無く、右手に現れる泥岩層以外は見る事が出来ません。
前田の沢の合流に近づくにつれ、やや大きめのノジュールが出て来ました。
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ルシノマでしょうか、見つける化石はどれも保存が悪いです。
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低い砂防ダムが出て来ました。水深があり乗り越えるのは容易ではありませんでした。
ここから先は、川の中を歩くのは困難と判断し、左手の急斜面に切られた溝を
何度も滑り落ちドロドロになりながら上がりました。
国道に出て帰り道、脇に「前田の沢林道」と看板がありました。
先程の砂防に続く道の様です。ワタクシは初めて目にしましたが、
どうやら「砂防」ではなく「沈下橋」の一種の様です。
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思いの外ハードな探査に二人ともすっかり疲れてしまいました。
前田の沢の入口はチェーンが張られていたので今回は諦め、
少し先にある四番川上流を見に行く事にしました。
林道「四番川線」は奥で工事中らしく無施錠でした。
しばらく行くと、左手に川を渡る道がありました。
橋は無く、オフロードカーはそのまま渡る様です。
川へ降りてみると、泥岩層の河床は見るからに化石がありそうです。
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川底に二枚貝の断面が見えました。ツノガイとツリテラの破片がありました。
この2種の共産を経験した事がないので、少し不思議な感じもしました。
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北国の秋の暮れ、5時ともなれば、すっかり暗く空気も冷えて来ます。
青山方面へは戻らず、新十津川市街に出て国道275号線で帰る事にしました。

これは幌加にある、ワタクシたちが「ドリフハウス」と呼ぶ廃屋。
悪戯もされず、生活していた瞬間をそのままに朽ちゆく様が、
寂しさ郷愁とともに、どこか可笑しみも感じさせ愛らしいです。
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幌加小学校跡(昭和58年閉校)
こちらも大変懐かしい校舎です。こんな所に住んでみたいものです。
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今回は、良い化石には恵まれず残念でしたが、知らない産地を歩くというのは
いつもワクワク感があり、やはり良いものだと思いました。
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by motoronron | 2013-02-20 17:41 | 当別 | Comments(20)
2010年 10月上旬

この日は、当別川上流から新十津川町にかけ、まだ見ぬ産地の下調べに出かけました。

まずは、いつもの「白い橋のトコ」
変化の少ない所ですが、化石採取を始めた頃、初めてのクジラ化石やニコイチウニを採取し、
とても思い入れがある場所です。
本日は水量はやや多め。あちらこちらに大小のノジュールが覗いています。
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かつては古いコンクリート製の橋桁がひとつあり、その上に木が生えていました。
いつのまにか流され、今となっては、どの辺りに立っていたか正確に思い出せません。
さほど大きくは無かったので、町営軌道に使われた橋ではないと思いますが定かではありません。

大ノジュールにはウニの抜け跡があり、泥岩層には巻貝が入っていました。
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この泥岩層にはクルミ〜こぶし大のノジュールが幾つも覗き、
2〜3個にひとつの割合で二枚貝や巻貝の化石が入っています。
当別川流域では同様の泥岩質の露出がありますが、
ノジュールの有無が化石が多産するかのバロメーターになる気がします。
ノジュールの質は当別川の特徴で砂質で硬く、小気味好くは割れません。
化石の質は概ね良いですが、分離が悪く、殻が母岩に残るか、
ノジュールと共に割れるので、慎重な作業が必要です。

再び新十津川方面へ向かいます。ダム堰堤を越える昇竜橋を渡ります。
青山ダム(青山貯水池)は、当時、下流で当別ダムを建設していた関係か水がありませんでした。
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トンネルを抜け...ここからが未体験ゾーンです。

「三番川」
上石橋(かみいじりばし)の袂から降ります。やや高さがあります。
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化石がありそうな雰囲気です。
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上流に向って少し進むと、右手にカキと思しき化石が密集していました。
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化石カキ礁を初めて目にし、また予想外の化石の出現に驚きました。
とにかく無数にあるのですが、大変脆く単体を取り出すのは困難です。
この場所は、その筋の方には有名なスポットなのかもしれませんが、
ワタクシの持つ資料やインターネットには全く情報が無く、詳細は不明です。
三番川層? 泥岩質ですから奔須部都層(ぽんすべつそう)?
....それとも全く別でしょうか。いずれにせよ楽しみな課題です。
カキ化石はこの狭い範囲だけで、これ以降、現れませんでした。

深みでは十数cm程の小魚が沢山泳いでいます。
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分岐を過ぎ、しばらく進みました。この辺りは奔須部都層のはずですが、
残念ながら化石を見つける事は出来ませんでした。
どの様な雰囲気かは確認出来たので折り返します。
三番川は当別川の支流とは言え、全長7〜8kmはありそうです。
化石が存在しそうな部分だけでも4kmはあるでしょう。
また、分岐する流れも長いため、何度も通って調べる必要があります。

地質図を見ると三番川層の大部分は先に見た青山ダムの辺りに存在したようです。
三番川沿いに多く露出しているのは奔須部都層です。
もし、上石橋を渡る手前500mにある谷へ降りる事が出来れば、
三番川と当別川の合流付近まで流れる小さな沢があるかもしれず、
そこには三番川層が露出している可能性もあります。
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つづく
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by motoronron | 2013-02-19 16:23 | 当別 | Comments(4)
2011年6月上旬

おそい昼食を食べ終え、珈琲をいれる用意をして、
ワタクシたちはキッチンで押し相撲をして遊びながら湯が沸くの待っていました。
「ねぇ~。どっか行きたくないですか~っ!!!っと」
「おっとっと..例えば何処ですか~っと(+∀+)!?」
「当別川とかさ~ぁっ!!!!」
「それは、昨日行きました〜っ...っと」
「じゃ~、望来で!!どうだっ!!!」
「それは、一昨日...行きました、よっと!」
「じゃ~ぁ、どこがイイんですかっ!!!」
「もうすぐ3時です、近くでないと...。当別川支流にしましょう...かっ!!」
「それでもイイですよっ!!それっ!!!」
「ひさしぶりに土○の沢に行きましょう。前回、増水していて入口しか見れなかったですし...」
「あそこあんまり無いからな~...っあ!! あ~ぁ...」
「勝った(+∀+)」

○方の沢は2009年の秋に初めて訪れたので約2年ぶりです。
化石が多産する印象は無いのですが、全く無い訳でもなく、
何より、しっかりとチェック出来ていないのが、ずっと気にかかっていました。

3時半、川の近くに到着しました。
「ここは林道が川に沿っているので、そこから降りましょう」
「ゲートなかったっけ?」
「そうなんですが、一応見ましょう」
運良くゲートが開いていました。少し雑草を刈った跡もありました。暗く細い林道を慎重に進みます。
...が、数百メートル進んだところで工事車両を数台発見!!
おまけにライトバンが一台こちらに向かって来ました。慌ててバックします。

「くぅ~残念...(+∀+;)。どうりで除草してたわけです...。この先1kmくらいの地点に橋があって川が分岐します。その付近に望来層と三番川層の境目があるので期待していたのですが...」
「三番川層ってどんなだっけ?」
「ワタクシたちは多分まだ見た事がないと思うんです。望来層よりいくらか下の層です。この沢は下流から順に、当別層(鮮新世前期)~金ノ沢層~望来層(中新世後期)~三番川層(中新世中期)~奔須部都(ぽんすべつ)層(中新世前期)と古くなってゆきます。いずれも化石が出るはずなんです。奔須部都層では植物化石も出るそうですよ」
「知らない層が多いね」
「奔須部都層は以前、月形へ探しに行ったんですよ」
「ダムのとこ?」
「そうです、あの上流の...」
「あの崖す〜ごい怖かったね~」
「初心者マーク付けて行ってはいけない所でした(笑)」
「....さて、どうしよっか?」
「仕方がありません、今回も下流から歩きます」

「もうすぐ4時なので、少し早めに歩きましょうね」
笹薮を漕いで川へ降ります。樹々の隙間から当別川との合流がキラキラと輝いて見えました。
川縁に露出してる地層は当別川沿いでよく見るものです。
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この付近では西野沢下流、その合流付近の当別川に架かる古い橋の側で見られます。
化石は多産しませんが、運が良ければ何か採取出来ます。

かつて橋があったのか、それとも護岸が壊れてしまったのか、
巨大なコンクリートが無数に横たわっているので、それらを乗り越えて行きます。
道々28号線の下を抜けると再び例の地層が露出しています。
見るからに化石が入っていそうなのですが見つけられません。

足元には大きなノジュールが転がっていたり、埋まっていたりします。
本流の当別川でも、この様なノジュールが多数集まっている所があります。
通称「ひょうたん石」と呼ばれる複数のノジュールが合わさったものもあります。
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この大ノジュールには左の方に貝化石の抜けた痕がみられます。
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植物化石が出ました。これは望来でよく見かけます。
ノジュールの緻密な質感もそっくりですので、上流よりの転石と思われます。
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雰囲気は良いのですが、なかなか化石に出会えません。
「やっぱココは無いな~」
「まぁまぁ、新地開拓は大事ですよ(+∀+)」
「そ~だけどさ~」
「ほら、ここにマコマが入っていますよ~。Ryoさんマコマ好きでしょ?」
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「そ~だけどさ~...。あ~らら、砂防ダムまで出て来ちゃった」
「う〜、これまた大きいですね...(+∀+;)横から上がりましょう」
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笹をたよりにワタクシが急斜面をよじ登り、補助ロープを落としサイドからサポートします。
「砂防はイヤよね〜」
「えぇ...ムダに疲れます(+∀+;)」

ダムの上は広く、湿地になっていて、ぬかるみます。
土○の沢は深い所を流れているため日が差してもあまり開放感はありません。
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「ん.......?」
「(笑)Ryoさんも気付きました?クレソンの匂いがするんですよね?」
「そうそう!!この辺りクレソンの匂いがする」
振り向くとワタクシたちが過ぎた辺りにクレソンが群生していました。
「イッパイあるね〜、帰りに採ってこ〜よ。パスタ作ってよ」
「いいですよ。お魚料理もいいかもです(+∀+)」

左上に林道があるはずです。下からは見えませんが微かに工事の音が聞こえ、
今、どの辺りを歩いているのか分かりました。
「あ、ルシノマ...の抜け穴が...(+∀+;)」
「残念...ちょっと遅かったね」
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またしても、川の左右に思わせぶりな地層が露出しています。
川底からノジュールを拾い上げ割ると、炭化した植物と二枚貝の破片が入ってました。
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「Ryoさん、5時になります。そろそろ帰りますか」
「やっぱり、イマイチだったな〜」
「今度はもっと上流まで行ってみましょうよ。知らない地層が多いのですから、きっと知らない化石が出ますよ(+∀+)」

先程乗り越えて来た砂防を降りてすぐ、ドラム缶程の大きなノジュールの表面に
巻貝化石が入っているのを見つけました。写真撮影をし終え、ふと視線を横にやると
黒々としたクジラの肋骨と思われる化石が入っていました。
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「Ryoさ〜ん、さっき気がつきませんでしたが、コレ、クジラ入りでした〜(+∀+;)!!結構大きいですよ〜」
「アタシあんまり骨に興味ないんだよね〜。お〜、イッパイ入ってるね。じゃ、アタシ奥の方見てるからゆっくりやっててイイよ」
しばらくの間、汗だくでハンマーを振るいましたが、とても人力では取り出せないと諦めました。
「あれ?ダメだったの?」
「残念ですが、この装備ではとても歯が立ちません...。では、当別川との合流をチェックして帰りましょう」
初めて見る合流は当別川にしては思ったよりも穏やかな流れでした。
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上流の方を見ると右手に切った様な露頭がありました。
白い化石がチラホラ見えます。どれもマコマの様です。
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「こうしてみると、尾白利加(おしらりか)と良く似ていますね」
「オシラリカ........あそこも、無かった...」
「.....う、ヤブヘビ(+∀+;)。。。あの時は運が悪かっただけですよ〜。痕跡はイッパイあったじゃないですか〜。必ず尾白利加もリベンジしますよ〜」

初夏の日は長く、まだまだ明るかったのですが、6時頃、帰路につきました。
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by motoronron | 2013-02-17 23:29 | 当別 | Comments(8)
2009年 12月上旬

良く晴れた寒い午後。
ワタクシたちは澄んだ青空の下、雪に覆われはじめた広い湿地を渡っていました。
当別川で一番お気に入りの場所へと向かっているのです。
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「いつも草が高い上、足元グジュグジュですから今日は楽チンですね」
「今が一番イイ時かもね。一昨日は酷い目にあったからな〜....」
「あれにはホント参りました...(+∀+;)」
ワタクシたちは、二日前にも当別川の違う場所へ行ったのですが、
降りしきる雪の中、延々と笹やぶを漕ぎ、疲れ果てショートカットしようと対岸に渡ったつもりが
中洲だったり、ビーバーの巣の様に堆積した流木を橋に川を渡ったりと散々だったのです。

ようやく川岸に到着しました。産地へは川を渡らなければなりません。
早速ウェーダーに着替え、腰まで浸かって慎重に渡りました。

「ここに冬来るのは初めてですね」
「結構、凍ってるな〜...」
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「ほら、化石が氷から透けて見えてますよ」
「採っていい?」
「どうぞ、足元気をつけて下さいね。今日の川に落ちたら冷たいですよ〜(+∀+)」
Ryoはタガネを地面に突き立て、勢いよくハンマーを振るいますが、なかなか刺さりません。
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「凍ったら、割れやすくなるのかと思ったら逆みたい」
ワタクシも試してみました。たしかに硬いだけでなく粘る様な感触もあります。
「本当ですね...いつもみたいにポロッとは取れないです」
「でしょ〜。こりゃ、周りをぐるっと掘らなきゃダメか〜」
普段なら、チゼルで突くだけで採取出来る二枚貝ひとつに大変な手間です。
「今回は泥岩からでなく、ノジュールを割った方が早いかもしれませんね」
雪に覆われていない場所を求め、下流へ移動しました。
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下流も状況は似た様なものでしたが、若干傾斜があるため水がたまり難く
氷層は薄く、地面の露出もやや多い様でした。
ワタクシが氷や枯れ草の写真を撮っている後ろでRyoは必死でハンマーを振るっていました。
しばらくして「やった〜!!採れた〜!!」の声。
振り向くとRyoが深く大きな穴を掘りあげていました。
「おぉ〜スゴイですね、一体何が採れたんですか(+∀+)!?」
「ん、マコマ」
「......(+∀+;)。。。」

川の中に大きめのノジュールをみつけ、大ハンマーで割ると真ん中に真っ白なウニが入っていました。
「Ryoさ〜ん、ウニですよ〜(+∀+;)!!」
「お、白ウニじゃん。やったね。その調子でジャンジャン割って〜」
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当別川のウニ化石は泥岩層に直接埋まっているか、
この様にやや大きいノジュール中に一つだけ入っている事が多いです。
前者は風化していたり破損している事が多く完品を得るのは難しく、
後者は砂岩質のノジュールが割れ難く大変です。
夕張のノジュールの様にガラス質を思わせる割れ方はしません。
割れ易い「目」の様な方向性もありません。
ガスガスしている割に硬く、割るというより叩き壊すという感じです。
化石自体の保存状態は素晴らしいのですが、非常に分離が悪いため良い標本にはなり難いです。

大八木さんの本では「ウニが多産」という記述がありますが、
ワタクシたちの印象では少ないです。
また、ウニがノジュールからはみ出している写真が掲載されていますが、
残念ながら、この様なウニもあまり見た事がありません。
大八木さんが採取したという砕石工場はとうに無くなり、
辺り一帯は新しいダム建設のため、あらゆる所を大きく掘り返していました。
今後、採取が困難どころか、水の底となってしまうことでしょう。
それを危惧していたからこそ、この日もワタクシたちはここにいたのでした。

「あー、疲れた。全然掘れないよ」
「休みながらやってください。でも、動いていないと寒いでしょ(笑)?」
「寒くないけどさ、なかなか出てこないからイライラするんだよね〜」
「(笑)難しいものです...」
「ね、氷の模様がどれもおもしろいね」
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「見て下さい。こっちの水が滴っているところの氷は小さなニョロニョロみたいですよ」
「あ、ホントだ。氷の下に水が流れるとウネウネ動いて見えるね」
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薄氷を踏むと、乾いた音をたてて割れます。
その薄く美しい模様を壊すのは心地良さと同時に禁忌的感覚もあり、ちょっとドキドキします。
「あー! キレイな氷割ったらダメよ!! それアタシが割るヤツなんだから! アッチのは割ってもイイよ」
「.......あれ割ったら川に落っこちるでしょうがっ(+∀+;)!!!!」

3時間程、思い思いの場所で採取を続けました。
マコマ、タマガイ、ウニ、巻貝数種....少ないながらも収穫はありました。
冬の川の風景や自然の造形も楽しめました。

「採りにくいのはイヤだけど、冬の川ってイイね〜」
「気持ちが良かったですね〜(+∀+)」
「虫もいないし(笑)!」
「汗もかかないし(笑)!」
「明日、テント持って来て泊まろっか?」
「ん〜....(+∀+;)。。。あったか寝袋買ってからにしましょう」

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4時を過ぎ、すっかり薄暗くなってきました。
Ryoは足早にスタスタとワタクシの先を歩いています。
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Rryo越しに遠くピンネシリ、待根山、隈根尻山。いずれも夕映えに輝き美しかったです。
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2013年現在、水没のため同地での採取は困難と思われます。
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by motoronron | 2013-02-15 17:38 | 当別 | Comments(16)
2012年 7月上旬

望来の家庭菜園で、ラディッシュやわさび菜などの初収穫をした後、
久しぶりに当別川へ行く事になりました。
長い間増水していた様ですが、さすがにもう良いでしょう。
厚田から道々11号線で山を越え、当別・青山へと抜けます。

「久しぶりだから、楽しみだね~!!」
「最後に行ったのが...去年の9月末でしたから...9ヶ月ぶりですよ!?」
「こんなに来なかったのって初めてだね」
「最近はどんどん行く所も増えてますしね」
「どんなんなってるか、すっごい楽しみ!!」
Ryoはチャプチャプとペットボトルを振りました。

当別川は望来の崖同様、ワタクシたちが化石採集を始めた頃から親しんでいる産地です。
開放的で気持ちが良く、数も採れます、そして、たまに「おや?」という化石が産出します。
いつだってRyoはどちらかに行きたいと言うのでした。

道々28号線にぶつかり、右折して当別町方面へ向かいます。
目印の橋が見えて来ました。長く、橋の付替え工事中でしたが、すっかり完成した様です。
橋のたもとの横に採取地へと続く林道があり、3km程下流の川岸にシルト層が露出しています。
この奥でもダムに伴う林道の付け替え工事が大々的に行われ
立派なアスファルトの道やピカピカの橋が次々と完成し、誰にも使われず落ち葉に埋もれています。
前回は、重機などの保安からか、かなり手前に大きなゲートが出来てしまい、随分歩いたのです。
お気に入りのポイントに行く為には、この林道を通り川の側までいくか、
道々から土手と野原を延々と歩き、ウェーダーに履き替えて川を渡るかのどちらかです。
しかし、当別川は水量が多く、渇水時でも腰程の深さがあり、渡れるのは限られた時だけです。
この日は休日とあって作業はしていない様ですが、ライトを点け静かに車を進めます。
所々、鋼板が敷き詰められ、轍の跡から未だに頻繁に重機が行き来しているのが窺えました。
「これはゲートはまだありそうですね...。」
「じゃ、結構歩かなきゃダメなんだ」
「まぁ、行けないよりはマシです。でも、段々と面倒な状態になって来ましたね」
「あそこは大好きだから、無くなっちゃうとイヤだな~...」
「本当ですね...あんなに採れる場所はないですもんね...」
「ね〜?川から離れていってるよ」
「あれ?ホントだ...。それに、どんどん高くなっている様な??」
新しい作業道が出来ていたのです。慌てて戻ります。
あろうことか、旧道は土が盛られた上、単管パイプで封鎖されていました。
奥の方は草も伸び始め廃道になりかけています。
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「これは...さすがに無理です」
「別に開けておいてくれてもい~のにね!!」
「また、最初の頃の様に川を渡らなきゃいけませんね」
「あ~あ、当別川がどんどんダメになるな~」

仕方が無いので「白い橋のトコ」へ行く事にしました。
道々を青山貯水池方面へと戻ります。左手に目印の看板が現れ、植林した苗木が並ぶのが見えます。
しばらく進むと立派なトイレと休息所があり、続いてナゾの施設が...。
「ん....(+∀+;)??」
「どしたの?」
「目印が無い様な...?」
「あれ?なんだか道も変だよ?」
「もしかして...これは新しい道ですか?」
Uターンし、草むらの奥に平行して走る旧道を見つけました。
幸い林道は封鎖されてはいませんでしたが、しばらく来ないうちに随分と鬱蒼としてしまいました。
今年は草刈りもしなかった様で、草が深く路面の把握が出来ない程です。
3mはあろうかという背の高い草の中を車は左右に揺れながら潜水艦の様にソロソロ進みます。
時折、小枝が車に爪を立てキィキィいわせ、足裏にはザワザワと
車の底を草が撫でている感触が伝わって来ます。
巨木の門を幾つか抜けて右へカーブすると少し視界が開け、白い橋が現れました。
橋も初めて来た頃に比べ、随分とくたびれてきています。
道と橋のつなぎ部分には段差が出来始め、いずれ自分たちで工事をしなければ渡れなくなりそうです。
橋の上には、泥や落ち葉が厚く堆積し、水たまりが出来、草も生えています。
川を覗くと、やや水が多く川岸はすこし狭い様ですが、歩けない事はありません。

いつもの場所に駐車し、橋の下にハチの巣がないか注意しながら降りて行きます。
「うわ~...毎度ながら、ココは滑りますね。ワタクシの長靴滑るんですよね~」
「アタシはスパイクついてるから平気」
相変わらず、Ryoはスタスタと先に行ってしまいます。
その後ろをワタクシはアワアワとバランスを崩しながら付いて行きます。
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川全体を眺めてみると、数年のうちにやはり侵蝕は進んでいる様です。
見慣れていたはずの巨大ノジュールはいつのまにか姿を消し、
シュロの様に頭に草を乗せて立っていた古い橋桁は、
どの辺りに立っていたかも思い出せない程キレイに無くなり、
確実に、時が過ぎているのを感じました。
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「今日はノジュール少ないね。化石入ってないのばっかだし」
「もともと、あまり沢山出る所ではないですからね...」
「また、ニコイチ・ウニみたいのでないかな〜?」
ワタクシも幾つか割ってみましたが、たしかに、いつもより少なく感じました。
採取品は二枚貝を少しだけでした。
「今日はイマイチだな~。つり橋のトコに行く?」
「そうですね..いつもの所もダメ、ここもダメとなると、あそこしかないですものね」
「大丈夫かな~...」

再び、当別方面へ向けて走ります。
月形へ抜ける道を横目に過ぎ、目印を探せないまま、知らない橋を渡りました。
「ちょちょちょちょ....!!(+∀+;)なんだかヘンです!!」
「大分、過ぎちゃったんじゃない?」
「それもそうですし、道が違います...。とりあえず、T字路まで戻りましょう」
「あ~...この道、全部新しいんだ...」
「じゃ、旧道は...?」
「あれ、じゃないかな~...?」
Ryoが指をさしたのは、随分下の方の草むらの向うでした。
旧道へは車で入る事が出来なくなっているので、歩いて行く事になりました。
いつも駐車していた場所までは500m程、なんとも遠くなってしまいました。
それに、今後、ここに簡単に来る事が出来るかすら怪しいです。
旧道はすっかり荒れてしまい、なんだか頼りなく感じ、
いつも、この道を通っていたのが信じられませんでした。
この日、最初に行こうとした産地は、前述の様に林道で直接アクセスするか、
ここから野原を突っ切り、川を渡らなければなりません。
その上、さらに500m加わってしまい、ワタクシは暗澹たる気持ちになりました。

「つり橋のトコ」と言ってはいますが、ワタクシたちが初めて訪れた2008年頃には
既に片側のケーブルが切れ、歩行面が垂直になってぶら下がっていました。
その後、橋は落ち、今は前後のアンカーが残っているだけです。
すこし土手を歩き、笹をかき分け、橋のアンカーの所からロープを伝って降りて行きます。
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降り立って直ぐ、Ryoがポカンとした顔で辺りを見回し
「....なんだか....違うね...」
と言いました。
川岸には大小の流木が散らばり、数cmの厚さで泥が堆積し、干涸び割れています。
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川縁の木々の枝先にはゴミがぶら下がり、土手の高さギリギリまで水位が上昇したのが窺えます。
長きに渡り水流に削られた泥岩層の複雑な造形は、簡素な形に変わっていました。
明るく瑞々しい川だったのに、今は荒涼とした雰囲気すら湛えています。
しばらく会わないうちに、別人の様になってしまった....。そう思いました。
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「今年は雪が多かったから、凄く増水したんでしょうかね...」
「それにしても、随分、変わっちゃったね...」
化石を探すよりも、あまりの変わり様に驚き、二人、ウロウロするばかりでした。
しばらくして、泥の溜まり方が、以前、恵岱別ダム上流で見たものと同様だと感じました。
「Ryoさん...これ、ダムが完成したからですよ。増水して激しく流れたんでしたら、こんな風に溜まることはないでしょ?」
「まだ作っている最中じゃないの?」
「最終的な完成はまだかもしれませんが、一度、試験的に水を貯めたはずなんです」
「それだけで、こんなになっちゃうの?」
「そうなんでしょうね...。当別川は流れが強いので雪融け水がある程度流してくれると良いですが...。高い位置の分厚い部分までは水が来ないかもしれませんね。そのうち草が生えたりすると、露出している泥岩層は狭まるでしょうね」
「いつものところは大丈夫かな?」
「水面からの位置が低いので、もっと酷いかもしれませんね...」

水没前に、ひとつでも多くのノジュールを救出しようと、二人で、時にはイモートさんと三人で、
暑い日も雨や雪の日も、夕暮れまで一生懸命ノジュールを集めた事を回想しながら、
下流の方へと歩いて行きました。
いくつか痕跡はありましたが、どれも採取する程の状態ではありませんでした。
100m程下流の川縁には大きなオウナガイが密集して産出する場所がありました。
望来よりも大型で保存も良く、地層に直接入っているため採取もし易かったのです。
連続する川縁の2m程の狭い範囲にのみオウナガイが産出するのでした。
Ryoのお気に入りの場所で、狭い窪地にしゃがみ込んで、顔を泥だらけにして
一生懸命掘っていました。そこも完全に消え、まったく分からなくなってしまいました。

これ以上進めない所まで行き、全体的な被害状況を確認してから、Ryoのところへ戻る途中、
泥の中に石と雰囲気の違うものが埋もれているのを見つけ掘り出しました。
枯れ草の束をタワシ代わりに、川の水で泥を洗い流すと骨特有の模様が現れました。
12cm程の摩耗したクジラの骨の一部でした。
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当別川流域でクジラの骨は珍しくはありません。
ワタクシも「新撰組副長の沢」でメートル級のノジュールに大きなクジラの骨が入って
いるのを見た事があります。しかし、この場所で見つけたのは初めてでした。
すっかり感傷的な気分になっているワタクシには、この場所が最後にくれたプレゼントに思え、
とても寂しい気持ちになってしまいました。
「Ryoさん、これ...」
「ん~...ホネだな」
「ね。ココでは珍しいでしょ?」
「初めてだね」

「あの...今日は、もう、帰りますか」
「そだね...また、今度こよう」

新しい橋を幾つか渡りました。
眼下で草に埋もれて霞む様に見える道は、いつも期待に胸を膨らませて川へ向かった道、
帰りには新発見にドキドキしながら満ち足りた気持ちで車を飛ばした道...。
二人とも自ずと言葉が少なくなりました。

完成したダムをしばらく眺め、写真も撮りました。
別段、憎しみなどは湧きませんが、ただ、やるせない気持ちでした。
当別川はワタクシたちに化石採集の楽しさの全てを教えてくれた川でした。

これで最後とは思いたくありませんが、確かに川は大きく変わってしまいました。
大きな自然の力は、どこまで回復力があるものでしょうか?
100年、200年といった遠い未来の事はわかりませんが、
ワタクシが訪れる事が出来る間に、かつての流れは甦るでしょうか?
常態的に湛水する桂沢湖や小平蘂湖の様に全く別な風景になってしまうのでしょうか?
ワタクシの鬱々とした気持ちは今だけのもので、
次回、訪れた時には、何事も無かったかの様に川が迎えてくれたら嬉しいと思います。
「さようなら」ではなく、いつまでも「やぁ、ひさしぶり、元気してた?」と言葉を交わしたいと
心の底から思っています。

ダムを過ぎてからの風景は、なんだか怖いくらいに、いつもと変わらず、
今、見て来たもの全てが悪い夢だった様に思えました。
山の向うへ重たげに沈みかけている太陽は黒みを帯びた朱色です。
夕映えに染る山々や雲や空...そしてRyoの横顔を見ながら、車を走らせました。
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by motoronron | 2012-09-30 22:09 | 当別 | Comments(27)
ワタクシとRyoが、とにかく愛してやまない化石産地は3つあるのですが...
ひとつは以前に紹介しました望来の崖、そして、いまひとつが当別川です〜(+∀+)。
本でも紹介され、化石採集をされる方にはポピュラーな産地かと思います。

免許を取りたての危なっかしい運転で、採取できる場所を一生懸命探しました。
当時は既に当別ダムの工事が大々的に進み、ひっきりなしに大型トラックや重機が走り、
ワタクシにとっては、なかなかコワイ道路でした(+∀+;)。

最初に化石を見つけたのは青山橋近くの支流で、ワタクシが「プチ景勝地」と呼んでいた場所です。
今から思うと随分な軽装でRyoと沢登りをしていました。偽物クロックスなんて履いているから、
躓く!!転ぶ!!滑る!!落ちる!!!(アブナイッ(+∀+;)今すぐ受験生は窓からPCを捨ててっ!!!)
泥岩層には大小の甌穴が無数にあり、さらに、それが水流で削られ、
所々に大きなノジュールが転がる、独特な雰囲気でした。
当時はノジュールというものがあまりよくわかっていませんでしたが、
きっと、こういうものだろうな〜...と思っていました。
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「こんなトコには、化石があると思うがですよ〜...(+∀+)」
「ん〜...そうなんだ〜....こういうの??」とRyo。
「!?はやっ(+∀+;)!!!!」
「ソレ!!まさにソレ!!!!Ryoさん...目敏いですね」
二枚貝の断面が見えていました。
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ふふふ...なるほど〜...こんな地層にこんな風に入っているのか...。
それでは、似た場所を探しましょう!!と散策し始めたのですが、
当別川は結構大きな川で、川幅もあり、流れは強く、深いのです。
いくつか見つけた露頭も真下はとても深く近寄る事ができません。
双眼鏡で対岸から観察もしましたが、貝などの痕跡は見つける事が出来ませんでした。
また、川の浅いところは川原石や小砂利ばかりで、化石は全くありませんでした。

ある日、本屋さんで大八木和久著「産地別日本の化石650選」を立ち読みしていて、衝撃!!
当別川の記載があったのです。しかも、こんなスゴイ化石が〜(+∀+;)!!??
「ま〜じ〜で〜す〜か〜(+∀+;;;)」クラクラして汗をかいちゃった程です。
当別青山の砕石場から産出したという、ウニ、フジツボ、エゾボラ、
タマガイ、シラトリガイ等が載っていました。
ウニにフジツボ...これは、かなりワタクシたち好みです。
ク〜ッ!!テンション上がりMAX(+∀+)!

しばらくして、出張から戻ったRyoとすぐに出かけました。
「採石場!!採石場!!どこどこ〜(+∀+)??きっと目立つからわかりますよね〜」
しかし、いくら行ったり来たりしても、それらしき建物が見つからないのです。
「この辺りだと思うのですが...おかしいですね?」
「もしかして...ダム工事で無くなっちゃったんじゃない??」
どうしても見つける事が出来ないまま、日が暮れてしまいました。

後日、ワタクシ「ひとり先発隊」が、他の場所で良さそうなポイントを見つけました。
ここを「白い橋のトコ」と名付けました。
大きな巻貝の破片、正体不明の白くバラバラの破片の断面(ウニでした)
二枚貝などを見つけました。

お休みの日。朝から秋の冷たい雨が降り続いていましたが、Ryoと出かけました。
暗い林道を雨で頭を下げたイタドリにとうせんぼうされ、ぬかるみにヒヤヒヤしながら進みました。
昔はこの白い橋のさらに奥まで農地が広がっていた様なのですが
今はすっかり背の高い草に覆われ、道も消えかけています。
入植し人生をかけて開墾した畑を手放し、こうして野に帰し、
今、ダムの底になろうとしているというのは、一体、どんな気持ちだろうと考えてしまいました。

橋の下には、幅は狭いですが泥岩層が露出していて、大きなノジュールもあります。
鬱蒼とした草を掻き分け降りて行きます。雨に濡れた草に叩かれ、はやくもビショ濡れです。
露頭は上からの水で絶えず湿り気をおび、全体的に薄く苔が生え、とても滑ります。
小さな露頭には大きなノジュールが危なっかしいバランスで入っていました。
大したものは見当たらなかったのですが、豆ノジュールをひとつずつ割ってゆきました。
主に木っ端の様なものでしたが、時折、小さな貝が出ました。
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巨大ノジュール
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「暗くなってきましたし、雨脚も強いので、そろそろ帰りましょう。Ryoさんカゼひいちゃいますよ」
「アレ採って」
「えっ...(+∀+;)。ちょっと上すぎるのですが...」
「大丈夫!!ココとココに足掛けたら登れる」
「どれ....あわあわあわあわっ!!!メチャメチャ滑るじゃないですか(+∀+;)!?」
四つん這いのまま、思いっきり滑り落ちるワタクシ。
「頑張って!!アレ欲しい」
何度も滑り落ち、相当おかしな格好で無理矢理バランスをとりながら、
ドロドロになって、ようやく手のひらサイズのノジュールを掘り出しました。
「あ...なんか、入ってる...」
「叩いて叩いて!!!はやくコンコンしてっ!!」
「Ryoさん!コレ、ウニですよ(+∀+;)!!コロンとウニ化石が入っています〜!!」
「やったーーーーー!!!!」

多くの化石は採れませんでしたが、代わりに想像以上の化石を手に入れる事が出来ました。
ビショビショのドロドロになりながらも、ふたり、嬉しい一日となりました。
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クリーニングしてみると、なんとウニが二個、重なって入っていたのです。
これは本当に嬉しかったです〜(+∀+)。
ウニは貝と違い、キレイに分離しない様でしたので、ルーターを使って削り出してみました。
化石採集最初期のワタクシたちの一番のお気に入り化石です。
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翌年の春、採石場の場所はあっけなく判明しました。山菜採りのご夫婦が
「あ〜...採石場なら、あそこだ〜」とワタクシたちの後ろを指差し教えてくださいました。
そこは、深く大きく掘られた広大な窪地があるだけでした。
言われてみれば、奥に大きなコンクリートの残骸がありました。
本で紹介されていた、コロコロ転がるノジュールからの採取は永遠に出来ない事となりました。
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by motoronron | 2012-08-17 23:57 | 当別 | Comments(16)
化石採集を始めて1年目。
採土場にお邪魔して化石を採取する様になりました。
数は少ないですが、ワタクシにとって初めての化石が採取できドキドキでした。
今から思えば、大したものではなかったり、状態が悪過ぎたりでしたが、
その頃は本当に貴重に感じていました〜(+∀+)。

この頃は、Ryoが出張に出ている間に、ワタクシが新しい採集場所を探していました。
ぐ〜ぐる先生の航空地図で当別の大沢という所に採土場をみつけ、7月のある日、出かけました。
近くの別の採土場は灰色の泥岩でしたが、ここは主に茶色で砂と泥でした。
いつもの採土場の上部層と似ていましたので、こちらの方がずっと新しいのだと思いました。
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良く晴れた風のない午後、目に入る汗に堪えながら、端から順に這う様に化石の痕跡を探します。
採土した山をいくつも調べ、露頭部分も下から順に隈無く歩いたのですが、
貝殻の破片ひとつ無く、ガッカリしていました。それでも諦め切れず、
もう一度、切り出し面にピタリと張付き、ジッと端から見てゆきました。
小石が入っているばかりで、やはり貝は見つかりません。
しかし、ふと目に止まったベージュ色の5mm程の破片が気になりました。
道具は持ってきていなかったので、小枝を使い少しずつ掘り出しました。
小さな欠片は、私の直感では「骨」でした。
しっとりと濡れたそれはカスカスした感触で、枝が擦れると粘土の様に粉っぽく削れてしまいます。
掘り出してみると、10mmx5mm程の欠片でした。
砂がびっしりと付着していますが、表面は密で中はスポンジ状です。やはり骨片と思いました。
大した事の無い貝化石で心底喜んでいた、その頃のワタクシです、
予想もしない、この思わぬ発見にドキドキしてし、体が火照る様でした〜(+∀+;)。
同じ層、もう少し奥にも他の部分があるのではないかと思い、さらに掘り進めました。
砂の堆積した層とは言え、案外硬く、枝は簡単に折れてしまいます。
その度に小枝を拾って来ては、少しずつ穴を広げて行きます。
10cm程奥から、3mmx4mm程の小さな欠片が出て来ました。確かにこの層にある様です。
まだあるかしからん?と、しつこく掘り続けます。
見え始めた厚さ3mm程のものには続きがあり、やがて、全てが現れました。
飛行機の垂直尾翼や昇降舵の様な形、間違いなく頚椎。
2時間程かけて大体を掘り出し、イタドリの葉で何重にも包み、草で縛り、
トトロのお土産の様にして、そっと持ち帰りました。

ピンク点の所から出てきました。
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付着した砂粒はなかなか取れず、針の先で一粒ずつ除去しました。
風化した骨はもろく、一度コーティングをしてから、組み立て作業をしました。
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一応、様になったところで「コレハ、ナンノ骨デアルカ??」推理しました。
・小さい穴が二つ(横突孔)があるので、首の骨。
・すんごく古いモノではない。でも、あの深さですから、チョー最近のモノでもない。
・海の貝が全く見つからなかったので、陸の生き物?
・随分大きいのでキツネ、タヌキでは無い。もっと大きな動物。
・もちろんヒトではない。それは困る、コトワル(+∀+;)いや化石ならそれでもイイか。
・では....クマ?シカ?
さっそく、ぐ〜ぐる先生に伺って、がっかりしました。シカは全体的に長く、全く違いました。
では...クマだ!!違う様です。一応、クジラ系も見てみましたが...これも全然違いました。
あ〜、も〜....他に大きい陸上生物が思いつきません。
はいはい。これは、早くも迷宮入りですか(+∀+;)!?

本屋さんに行く度、骨本に片っ端から目を通しました。
ある日、読み物系の骨本をめくっていると、この性悪ピエロが笑っている顔の様な骨に
すんごく良く似たイラストが載っていました。
トドの骨でした。(+∀+)!!キタコレ!!!鰭脚類か!!なるほど大きい訳です。
そして、陸上の生き物ではなかったのですね〜。ワタクシの推理冴えてる〜(涙)。

それからは、厚田の浜でトド系の骨を拾い集め、鰭脚類と確信する様になりました。
しかし...トドの頚椎はずっと大きいのです。子供なのかしらん?他の鰭脚類なのかしらん?
ワタクシが出来るのはココまででした。。。

1年が過ぎました。教育大学のS教授のブログに厚田などでのビーチコーミングの話がよく掲載され
いつも楽しみに読んでいました。ある時から、海岸に打ち寄せられたアザラシや
トドの死骸や骨の話が多くなりました。
そこで、懸案であった、この骨の事を質問させて頂きました。
写真をお送りしたところ、新しい様に見えるので「化石」ではないかも...との事でした。
しかし、その後、S教授は海獣類化石の専門家である国立科学博物館のK先生に
わざわざ問い合わせて下さったのです。

今後、もしも、同様の化石を採取された方への情報も兼ねて、
以下、差し支えない限りで、K先生から頂戴したメールの一部を転載いたします。

1通目
写真拝見致しました.色あいは風化のせいか白っぽいですが,化石だろうと思います.
たしかに,標本は鰭脚類の頸椎で,おそらく第3頸椎あるいは第4頸 椎だろうと思われます.
大きさが分からないので何とも言えませんが,セイウチ科では椎体よりも
椎孔(椎体の上にあり,脊髄神経が通る穴)が相対的に小さい傾向があります.
この標本は,それに較べると椎孔がやや大きいことから,セイウチ科ではなく
アシカ科のものかも知れません.当別層の時代からは,アシカ類と
セイウチ類の両方が知られていますが,これまでの大ざっぱな傾向として,
本州の同時代の化石産地からは比較的アシカ類が多く産出しており,
北海道では同時代からはほとんどがセイウチ類のようです.
したがって,北海道からはこの時代のアシカ類がほとんど知られていないので,
もしアシカ類だと大変興味深いものです.
(もちろん,セイウチ類だとしても貴重な標本ですが)
さしあたって,セイウチ類かアシカ類かを判断する上では大きさが参考になりますので,
もし差し支えなければスケールの入った写真を見せていただけると大変幸いです.

2通目
先日の当別の標本ですが,参考までにトドの雌の第6頸椎の写真を添付致します.
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全体の形態や大きさはアシカ科鰭脚類としてよく一致していると思いますが,
先日のメイルでも指摘した椎孔の大きさがトドより大きいことや,
関節突起の大きさと向きがトドとは若干異なっていることなど
トドそのものではないことが伺われます.
当別層の時代だと先日のメイルの通り北海道ではアシカ科鰭脚類の報告はありませんが
後期鮮新世~更新世前期には現生属が現れ,とくに中期更新世以降は現生種が現在と
ほぼ同様の分布をしていたようです.したがって,この標本を今後更に比較検討するとすれば
ニホンアシカの雄 (体サイズはトドの雌くらいでちょうど合います)の第5
もしくは第6頸椎が対象となると思います.
近々国立歴史民族博物館にニホンアシカの頭蓋標本を見に行く予定でいますが,
その際に頸椎の標本がないかどうか見ておきたいと思います.

今後、どの様な結果がでるのか...(+∀+)本当に楽しみです。

S教授、K先生には本当にお世話になりました。あらためてお礼申し上げます〜。
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by motoronron | 2012-08-14 23:59 | 当別 | Comments(2)