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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

<   2013年 02月 ( 22 )   > この月の画像一覧

毎度ながら...ベテランの皆様には全く不要な記事です(+∀+;)。
これから化石採集を始めたいと思っている方のお役に立てればと思います。
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方向オンチの上、記憶力の悪いワタクシは採取に行く前、必ず地図をプリントします。
肥後育ちでワタクシ以上に土地勘の無いRyoにも分かり易い地図作る事で
より採取・探検気分を楽しんで欲しいとも考えています。

地形図は日々刻々と書き換えられています。特に川沿いはその頻度が高い様に思います。
先月、見た時にはあったはずの記載が消えていたりします。
「加えられる」だけならまだしも「あるのに消えてしまう」のです。
地図のバージョンアップは、化石採取をする者にとって必ずしも「改良・改善」とは言えません。
化石産地は川沿いに多く、河川工事やダム等出来るとまわりの様子も随分変わってしまいます。
ですから、採取に行った時点での地形図を写真と共に保存しています。
将来、変更があったとしても、幾分予測しやすいと考えています。
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この二つは同じ場所です。下が新しいものです。
より細かく用水路などが描かれていますが、大変見難く、肝心の露頭も分かり難くなっています。
等高線が狭くなっているので状況は推測出来ますが、古い方がすぐに目に入り期待も持てます(笑)
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古い地質図と現在の地図を照らし合わせるのは案外面倒です。
地質図はカラー印刷され、細かな書き込みが多いため、詳細を読み取ろうとすると苦労します。
古い物は印刷も悪く、折角、地図にない沢が記載されているのに判読出来ない場合もあります。
これなど、もはや妨害とも言える状態です。
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<オリジナル採集地図>
化石採集をはじめた当初は、地質図と地形図をいちいち照らし合わせていたのですが、
現在は、フォトショップを使用して、地形図を合成して広域地図を作ったり、
重ね合わせ、場所の特定の精度上げたり、その時の使用目的に適した
オリジナルの簡易地図を作ったりしています。
地形図と地質図を重ね...
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地層を示すカラーと似た色で川や谷をなぞり、
地質図を取り除くと、どこで採取するのがベストか、時代は何かが一目で分かり易くなります。
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<2万5000分の1地形図>
採集を始めた頃、googleやYahoo!の地図は今程詳細でなく、車載地図に比べると遥かにマシとは言え、
物足りなく感じていました。
ある夜、地形図が書店で販売されていたのを思い出しました。
深夜、大型書店へ出かけ、25000分の1地形図を幾枚か購入しました。
店員さんがクルクルと丸めてくれた、青みがかった紙の大きな地図、
なんだか特別なものに感じられワクワクして帰りました。
地図の本を片手にいろいろと勉強してはみたのですが、
残念ながら化石採集にはあまり役立ちませんでした。
地図にブルーのラインで引かれた川の流れの精度は著しく低く、
「何番目のカーブの先に...露頭が...あ...無い...(+∀+;)」となります。
結局、現在位置の把握には大きく地形を読む力が要求されます。
また、如何せんフィールドでも車内で広げるにも大きすぎ、文字や線等は微細すぎ、
使い勝手はよくありませんでした。
さらにショックな事に...国土地理院のHP「ウォッちず」で、
無料で地形図を見る事が出来る様になっていたのです。
当然、最新の状態であり紙の地形図に無かった道も記載されていました。
これ以降、地形図は購入していません。折角「山ヤ折り」なんて覚えたのに..。
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<オリジナル地形図の使い方>
地形図をプリントし、それぞれの同一地点にアルファベットを何カ所か記入して
ルーズリーフタイプのクリアポケットファイルにいれます。
広範囲の地図が複数のページに分割されても、同じアルファベットを探すだけで
つながりを簡単に把握出来ます。全体像を知らないRyoが見てもすぐにわかり、
一切の予備知識無しに、ワタクシに情報を伝える事も出来ます。
これは、基本的にフィールドには持ち出しません。車中、計画をたてたり予習するためのものです。
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<GPSロガー>
GPSロガー機能付きのデジカメの導入であらゆる事が激変しました。
例えば、置いてきた化石を迎えに行く際、これまでの様に同じ道程を延々と歩かずとも、
ショートカットしてアクセス出来る様にもなりました。
どの化石がどこで産出したかもメモを残さなくて良くなりました。
短期間であちこちの産地を訪れるワタクシたちは記憶に頼るのが不可能になっていましたので、
このカメラの機能とGoogle Eatrhは本当に助かりました。
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<地図印刷サービス>
「4x3印刷」というサービスがあります。
広域地図を指定した枚数で分割印刷します。貼り合わせる際のガイドも印字されるので、
面倒な位置の合わせやズレから解放されます。
化石採集には使わないかもしれませんが楽しいサービスと思います。

2008年夏、初めて三笠へ出かける際は、どんな土地か全く知らなかったため、
Yahoo!の地図をプリントし、切り貼りして床を埋め尽くす様な大地図を作りました。
行きたい所を書き込み、林道もペンでなぞりました。
小学生の自由研究の様で、なかなか楽しく、桂沢湖周辺の把握には役立ちました。
当時、このサービスがあったら随分楽だったろうと思います。
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by motoronron | 2013-02-26 19:59 | その他 | Comments(20)
前回のつづきです(+∀+)。

<松樫MAP川>
この川とサヌシュベ川との合流は対岸にあって近寄れません。
佐主橋を渡り、すぐ左側にある林道から近づくのがベスト...なのですが、
鍵がかかっていました。歩く時間もないので、終了。
この頃は「魔法の鍵」を持っておらず、入れない所だらけだったのです。

「右側にダムの堰堤近くに降りる道があって、穂別川本流が見られると思うのですが...どれかしらん?」
とかなんとか言っているうちに、あっと言う間に通り過ぎてしまいました。
道央と道東を結ぶ主要道路故、思いの外交通量が多く、
皆スピードを上げているため、小心者のワタクシは、のんびり見る事が出来ません。終了。

<ぬまσ沢>
穂別大橋を渡ると、右手に国道に沿った林道と川があります。
大部分は新生代・滝の上層ですが、両脇に白亜紀層があります。
どうにか林道へ進入出来ましたが...こちらもチェーンがあって進入不可。
「どうします?1kmほど歩くと白亜紀層が出ていると思うのですが...」
「やめやめ、つぎ!」.....終了。

<穂別川上流>
穂別ダムの脇を北上し、穂別川上流へ向かいます。
右手にある沢はどれも白亜紀層があるはずなのです。
それぞれの谷や沢の間の距離を細かく調べてきたのですが、
道路がつけかえられたり、長い迂回路があったり、全く使い物になりませんでした。
おまけに絶えずダンプや重機が行き来します。
後に知ったのですが、穂別ダムの北側では道東自動車道の延長部分の
開通を1ヶ月後に控え、最終工事の真っ最中だったのです。
そして、ワタクシたちが進む道は「むかわ穂別 IC」へ続く道になる予定だったのです。

ダムの西側へは通り抜けも難しい様に思われ「ぬT=レまoまTょレヽ川」に行くのは諦めました。
現在位置も分からぬまま、ひたすら北上を続けました。
高速道路の下を通り過ぎた事でようやく位置を再確認。
ここから先は旧道が続いている様でした。

「もう4時を過ぎたので、これから沢に入ると暗くてよく見えないと思うんです。今日は、このまま上流まで行きましょう」
「そうだね。な〜んか、どこもダムと工事だな〜」
「ホントですね〜(+∀+;)」
作業車とはすれ違わなくなりましたが、相変わらず川へは近寄れません。
何度か高速道路の下を通ります。随分と奥まってきたにもかかわらず民家があるのには驚きました。
すぐ側には「熊出没注意」の看板。
「家の前に立てられても...ね〜(笑)」
「たしかに(笑)でもさっきから、アスファルトの上に熊糞あるんですよね」
「やっぱり多いのかな?」
「これだけ工事していても逃げないんですね」
高速、線路共にトンネルに入る辺りにゲートがあり、とうとう行き止まりです。
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車を降りると、すぐ側に大きな熊糞がありました。
チョイとつついて何をお召し上がりになっているのか検分。
ブドウを中心とした木の実と小さな甲虫が少々でした。
雑食といえども、内容物に偏りがあります。
その都度、そこにある食物を平らげるからでしょうか。
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左手の露頭に白い部分があり、近寄ってみると無数の貝化石でした。
「Ryoさん、これ全部貝です」
「スゲ〜!!ちーちゃいのがイッパイ入ってる」
「きっと、新生代の滝の上層です。川に降りてみましょう」
斜面に崩れ落ちた岩も全て同じもの。河床にもビッシリ入っています。
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砂岩質の岩の中にはシジミの様な貝化石が密集していました。
「どっかで、こんなの見たよね?」
「美流渡"一の沢"と化石や岩質が似てますね」
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これはカキでしょうか。
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薄暗くなるまで採取し、6時頃、川を後にしました。
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「さすがに今日は疲れましたね」
「最初の砂防越えで体力消耗しちゃったもの...」
「ワタクシもです。今回は下見、次回は採りますよ〜(+∀+)!」
「よしっ! 採るぞっ!! ....で、いつ?」
「近いうち...です」
「明日はダイスキノ川でしょ、夜はモーライで焼肉もしなきゃいけないし〜...。じゃ、明後日だな」
「すごいスケジュールですね...そのあと出張で大丈夫なんですか?」
「採るぞっ!!」
「は〜い(+∀+;)。。。」
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by motoronron | 2013-02-24 23:23 | 穂別 | Comments(18)
2011年 9月上旬

「おことわり」
今回はいつにもましてヒドイ記事です...(+∀+;)。
くれぐれも期待して読まれぬ様お願い申し上げます。

初めて穂別へ行く事にしました。
じわじわと広がる様に新地開拓をするワタクシたち、
夕張すら殆ど未採集なのですから当然穂別には辿り着けませんでした。

「今回は初めてですから、少しずつ調べて歩きましょう(+∀+)」
「了解!!」
「ですから...」
「了解!!」
「...(+∀+;)。そうです...採れなくても、文句を言ってはいけないのです」

国道274号線を夕張から穂別へ。登川トンネルを抜けると穂別です。
「いよいよだね。初めての所ってワクワクするな〜」
「いろいろ調べて来ましたが、ポイントが多く、全部は回れなそうです。しばらく、こんな感じで通いましょう」
「穂別はどんな化石が出るのかな?」
「まず、ワタクシたちがよく採取している新生代・幌内層(ぽろないそう)があります。白亜紀はレンジが広いので様々な時代の化石が出る様です」
「じゃ、これまでと違うアンモ出るんだ!?」
「そうなんですが...。今回、行きやすそうなのはサントニアンが多い気がします。ダイスキノ川みたいな感じですかね?」
「そっか。ま、アタシはコザコザ系がイッパイあれば、どこでもイイんだけどね」
「さて、もうそろそろ、右手に林道への入口があるはずです...」
わからないまま過ぎてしまいました。二度Uターンし、やっと見つけました。

<±ぬUゅ∧〃川支流>

「国道に平行して林道と川があります。そして流れに沿って狭くサントニアンがあり、枝沢の上流は函淵層〜幌内層になります」
「えぇ〜...ハコブチ?それいらないな〜...」
「まぁ、ハコブチには期待していませんが、出ないゾーンに達した時、分かり易くて良いでしょう?」
古い橋から川を覗き込みましたが降り難そうです。駐車スペースもありません。
しばらくウロウロした後、林道に入ってすぐの製材場の脇に車を置かせてもらいました。
脇には支流があり、そこから目的の川へと出ました。
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「ここは下流に行くとハコブチなので上へ行きましょう」
足元の石を丹念に見ながら進みます。
「コザコザ系あんまし見つからないね」
「石の感じからして、ありそうな雰囲気なんですが...」
「あ、これはポリプチの破片が入っています」
その後、ノジュールひとつ見つけられず、500m程歩くと分岐していました。
「どっちにしましょう...」
「どちらでも〜」
「では、今日は左にしましょう(+∀+)!!」
この選択は完全に間違いでした。
細い沢をしばらく行くと高い砂防が現れました。
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「右側から上がりましょう」
笹を掴んで急斜面を登ります。足場は悪く、隠れて深い溝もある様です。
砂防ダムの横を過ぎても、降りられず、川に近づく事が出来ません。
薮こぎに慣れてきたとは言え、笹薮の中の移動は重労働です。
先頭を歩くワタクシはすっかり息があがってしまいました。
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15分程かけて、やっと抜けましたが、すでにグッタリです。
「こりゃ、帰りも大変だな...」
「ですね。ハァ〜...気持ち悪くなっちゃいました...(+∀+;)」
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数十メートル歩いたところで、やっとノジュールが出てきました。
「Ryoさん、アンモですよ〜!!」
「ホントだ、結構コザコザしてるね。ここのは茶色っぽいのか〜」
この後、大小5つもの砂防ダムが現れました。
時折、破片は見つかるのですが、良い成果が得られず、
つい奥へ奥へと進んでしまいます。
そして、急に傾斜がきつくなり、沢の様子もなんだか険しくなってきました。
階段状の流れが続き、最後は滝登りの様相を呈してきました。
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「Ryoさん、ここまでにしましょ〜(+∀+;)」
「これはもうムリだね。化石もぜんぜん無いしさ」

戻る途中、状態の悪い二枚貝の化石を幾つか見つけました。
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地質図では函淵層ですが、もう少し新しい時代の化石の様です。

再び、砂防と笹薮を越え、やっと沢の入口に戻ってきました。
「こんなに辛かったのは初めてですね...」
「もう、ここ二度と来ないからね」
「ワタクシだって(+∀+;)!!」
大した距離ではないのに、2時間半もかかってしまいました。
「右側の流れは次回探検しましょう」

<カナカナカナ....の沢>
先の沢で粘ってしまったため、3時近くなってしまいました。
「ここは白亜紀層が短いのでササッと見ましょう」
川へはスロープがあって降り易いです。
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アンモやイノセラの破片が入ったノジュールが転がるも、まともな化石は出てきません。
「おっ、なんか出たよ!」
Ryoがノジュールを割るとスナモグリの爪が出てきました。
「これは、上流の幌内層からの転石ですね」
300m程でまたもや憎き砂防ダム。幸い林道が横にあるので上がります。
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再び川に降りて50m程でまた砂防...。
「なんだよ〜....」
「...ま、イイでしょう。そろそろ白亜紀ゾーンは終わりなのです(+∀+;)」
「短っ!!!」

穂別ダムの方へ移動します。
「この辺りも白亜紀層が出ているはずなんです。護岸もしてあって、民家があって、ちょっと川に入るのためらいますね」
「工事もしてるね。ほら、あそこなんて川の中にユンボ入ってるよ。スゴイな〜」
豊進のキャンプ場を過ぎ、稲里に入ります。
「この地名、化石のお店の産地説明でよく見ますよ」
「いっぱい化石出るのかな?」
「でも、地図で見ると「稲里」って、すごく広くて、どこが良い産地なのか、さっぱり分かりませんでした(笑)」

つづく
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by motoronron | 2013-02-24 23:01 | 穂別 | Comments(4)
2011年 4月上旬

お休みの日は、いつだって遅い朝食ですが、この日は特にのんびり、
ふたりで窓の外の残雪を愛でていました...。

「昨日のモーライは最高だったね~」
「ええ、潮は引いていましたし、お天気も良くって...(+∀+)」
「で、今日はどうする?」
「(笑)連日ですけど、体は大丈夫ですか?」
「ぜ~んぜんヘーキだよ。こんなお天気イイんだからさ、どっか行こうよ!!」
「じゃあ近場にしましょう。...当別川はまだ雪が多いでしょうし。久しぶりに徳富川(とっぷがわ)はどうですか?」
「ん~...ま、いっか...。じゃ、もうすぐお昼になっちゃうから、すぐ出発しよう!!」
Ryoは大きめのバッグにお菓子をどっさり放り込み、熱い珈琲を魔法瓶にトポトポ詰めました。

国道275号線を北上します。道路沿いの雪はすっかり解け、
露出したアスファルトと粉塵の汚れが日射を受け、さらに雪を溶かします。
助手席では御機嫌でRyoがモリモリとお菓子を食べ、
時折、思い出した様にワタクシの口にも入れて来ます。
「高い山はまだ真っ白だ~」
「登山はイヤですが、あそこがどんな風かは見てみたいですね~(+∀+)」

学園にある峠の側にやって来ました。
ここは沼田でタカハシホタテを採取した帰り道、初めて徳富川に降りた場所でもあります。
Ryoはやる気満々、あっと言う間に着替え、一人で雪の斜面を降りて行きます。
「Ryoさ~ん!!!足元に気をつけて下さいね~! 下が空洞になっていることがありますからね~!!」
ワタクシをチラと一瞥しドンドン降りて行きました。
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「ネコヤナギがすっかり膨らんでキレイですね。銀色に光って玉の様に見えますよ」
「雪はどっさり残ってるけど春だもんね」
「山の色もほんのりピンクがかってきた気がします」
空気はまだまだ冷めたくとも頬にあたる日光はたしかに春の光です。

「川の水は思ったよりも少ないですね」
「地面も結構出てるよ。これなら化石採れるね」
「さて...どうやって降りましょうかね...」
積雪でスロープは隠れ、結構な落差です。
「Ryoさん、雪庇(せっぴ)の様になっているので、あまり端に行かないで下さいね。落っこちちゃいますよ」
結局、どこまで行っても低い場所がみつからずロープで降りました。

「さあ~、今日は何があるかな~!?」
今にも駆け出しそうな意気込みをRyoの声に感じました。
早速、大きな岩に二枚貝の断面が入ってるのを見つけました。
「前に来た時、こんなのあったっけ?」
「ん~、さすがにこの大きさは見逃さないでしょう。流されて来たのかもしれません。帰りに採取しましょう」
「アタシ上の方見てくるから、反対の方見て来てよね」
「了解で~す(+∀+)」
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Ryoは泥岩に埋まった化石をタガネを使って掘っている様です。
ワタクシはノジュールを探し集めてきて、片っ端から割ってゆきます。
徳富川のノジュールや岩は一見当別川のそれと似ていますが、いくらか割り易い様です。
化石の含有率はほぼ100%と優秀でしたが、さすがに完全体の採取は難しいです。
地質図によると、橋を境に下流数百mは鮮新世・幌加尾白利加層(ほろかおしらりかそう)、
上流は中新世・増毛層(ましけそう)~徳富層(とっぷそう)と1km程続く様です。
ウニが入っていましたが、残念ながら保存状態が悪いです。
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こちらはタカハシホタテです。
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驚く様な化石はあまり出ませんが、相変わらず種類は豊富です。
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ハンマーを勢い良く振るっていると、すぐに汗が吹き出して来ました。
フリースだけになり、胸のジッパーを全開にし、雪の上に腰を下ろして一休みしました。
辺りを見回していると、上流の山の方から流れに沿ってゆったりと大きな風が吹き、
無機的...有機的...それぞれが混在した春の香りを運んで来ました。
どちらかといえば、水や氷や石といった無機質な香りが好きなワタクシですが、
やはり春の風の匂いは、心を妙にざわつかせるものでした。
ワタクシの後ろにはオルメカの巨顔石彫を思わせる赤褐色の巨岩が山から突出しています。
そこだけが周りとは全く岩質が違い火山性の様です。
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しばらく採取した後、Ryoのところへ戻り、降りてすぐに見つけた二枚貝を取り出しにかかります。
「大きいね、ナミガイかな?」
「殻が閉じている様ですし、殻の厚さもあるので違う貝だと思います。さ、割りますよ、気をつけて下さいね...」
大ハンマーを数回叩き付けます。バラバラになった岩から貝が転がり出ました。
「あれ~?これってさ...もしかして?」
「ええ...間違いないですね(+∀+;)」
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中から出て来たのはオウナガイでした。ここで採取するのは初めてでしたし、
これまで、オウナガイはもっと深い所に棲息していると考えていたので、この時は意外に思いました。
「当別川でも出るよね」
「ごく一部に密集して地層から出ますよね。徳富川でも出るなんてイイ発見です」
目に付く化石はほぼ採取したので、文字通り河岸を変え上流へ。
川縁の畑では燻炭融雪剤を撒いた模様が楽しいです。
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徳富川上流、キャンプ場近く「夢イッパイの橋」にやって来ました。
川縁に中新世・増毛層が露出しています。
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「ここは、増水してて勢いがあるね」
「雪も多いですね。少しでも露出してるといいのですが...」
「大分、薄暗くなって来たので、パパッと見ましょう。わわっ(+∀+;)!!!!足の下に空洞があります。気をつけて下さい」
「結構、深いね~。なんか動物いないかな~...?」Ryoはワタクシが踏み抜いた穴を覗き込みました。

「少し上流の方に地層が見えます。行ってみましょう」
足元に気をつけながら、少しずつ慎重に進みます。
「あ、二枚貝みっけ」
Ryoが崩れ落ちた泥岩の中からイシカゲガイを拾いました。
「こちらの大きな岩にもビッシリ入ってますね」
「でも、それダメな石なんだよ。硬くって全然採れないんだもん」
「ええ、特にこの薄茶色のがキンキンなんですよね。それにこの大きさじゃ大ハンマーで割るのも難しいです。大きめの巻貝も見えているのに残念です...」
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Ryoは主に泥岩層からの掘り出し、ワタクシはノジュールも割ります。
大部分が雪の下ですので多くは採取出来ませんでしたが、
雪中採取としてはまあまあでした。
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「Ryoさ~ん、どうでしたか~(+∀+)?」
「ん~、状態はイマイチだけど採ったよ」
「そろそろ日没です。帰りましょう」
「うん。楽しかったね。アタシお腹すいちゃった」
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ツヤツヤの夕日が徳富岳の向うへ落ちてゆきます。楽しい早春の徳富川でした。
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by motoronron | 2013-02-23 21:23 | 新十津川 | Comments(12)
前回のつづきです(+∀+)。

2010年 10月上旬

「灌漑溝」
ここは、当初予定にはありませんでしたが、
橋から下流方向を覗き込むと何となく良さそうに見えます。
灌漑溝という名から人工的なものを想像しましたが、
護岸等無く右側に地層も露出しています。盤の沢橋の袂から降ります。
細い川ですが深い所に流れ、降りるまで少々苦労しました。
左右に露出している地層は、これまで紹介した当別川本流、土方の沢、
西野沢等で見られる泥岩層と同様と思われます。
少し進むと、右手にかなりの高さの露頭があります。
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化石を見つける事は出来ませんでしたが、運が良ければあるかもしれません。
この様な深みがしばらく続きますが、抜けると穏やかな流れになります。
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当別川との合流まであと少しという地点で奥の方から勢いの良い水音が聞こえて来ました。
カーブの先で流れは重ね落ちていました。
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弾けた水沫に岩苔はしとり、明るい木漏れ日に照らされ新鮮そうに輝いていました。
これまでのやや陰鬱な雰囲気が一変しました。
甌穴が幾つも口を開け、落葉は旋回しては次の段へと運ばれてゆき、
穴の底ではノジュールが水に揺られています。
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予想もしていなかった小さな景勝地、しばし"秘境"気分を味わいました。
僅かの距離で素晴らしい体験をしましたが、化石の採取は出来ませんでした。

「四番川」
ようやく四番川につきました。
国道451号線沿いに流れ、降りる事は容易と考えていましたが間違いでした。
川は随分深い所を流れていました。道路脇の傾斜を下り、
次にコンクリートの護岸を降りなければなりません。
これが高さのある上、足場も無く直接降りられません。
適した場所を探し求め、笹薮を掻き分け右往左往しました。
あまりの苦痛に、結局、ワタクシがロープで降り、下から降り場所を見つけました。
こんな時は下からの方が見通しが利いて良いものです。

随分、時間を無駄にし、ようやく上流へと向かい歩き始めました。
可能ならば、四番川支流である前田の沢も見る予定です。
流れは緩やかで川幅がありますが、深みが多くあり腰まで浸かります。
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深い場所をゆるゆると流れている為、暗く雰囲気は鬱々としています。
20分程進むと、ようやく貝化石の痕跡を見つける事が出来ましたが、
状態は非常に悪く、取り出しただけで粉々になり採取は出来ませんでした。
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どこまで行っても河床の露出は無く、右手に現れる泥岩層以外は見る事が出来ません。
前田の沢の合流に近づくにつれ、やや大きめのノジュールが出て来ました。
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ルシノマでしょうか、見つける化石はどれも保存が悪いです。
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低い砂防ダムが出て来ました。水深があり乗り越えるのは容易ではありませんでした。
ここから先は、川の中を歩くのは困難と判断し、左手の急斜面に切られた溝を
何度も滑り落ちドロドロになりながら上がりました。
国道に出て帰り道、脇に「前田の沢林道」と看板がありました。
先程の砂防に続く道の様です。ワタクシは初めて目にしましたが、
どうやら「砂防」ではなく「沈下橋」の一種の様です。
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思いの外ハードな探査に二人ともすっかり疲れてしまいました。
前田の沢の入口はチェーンが張られていたので今回は諦め、
少し先にある四番川上流を見に行く事にしました。
林道「四番川線」は奥で工事中らしく無施錠でした。
しばらく行くと、左手に川を渡る道がありました。
橋は無く、オフロードカーはそのまま渡る様です。
川へ降りてみると、泥岩層の河床は見るからに化石がありそうです。
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川底に二枚貝の断面が見えました。ツノガイとツリテラの破片がありました。
この2種の共産を経験した事がないので、少し不思議な感じもしました。
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北国の秋の暮れ、5時ともなれば、すっかり暗く空気も冷えて来ます。
青山方面へは戻らず、新十津川市街に出て国道275号線で帰る事にしました。

これは幌加にある、ワタクシたちが「ドリフハウス」と呼ぶ廃屋。
悪戯もされず、生活していた瞬間をそのままに朽ちゆく様が、
寂しさ郷愁とともに、どこか可笑しみも感じさせ愛らしいです。
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幌加小学校跡(昭和58年閉校)
こちらも大変懐かしい校舎です。こんな所に住んでみたいものです。
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今回は、良い化石には恵まれず残念でしたが、知らない産地を歩くというのは
いつもワクワク感があり、やはり良いものだと思いました。
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by motoronron | 2013-02-20 17:41 | 当別 | Comments(20)
2010年 10月上旬

この日は、当別川上流から新十津川町にかけ、まだ見ぬ産地の下調べに出かけました。

まずは、いつもの「白い橋のトコ」
変化の少ない所ですが、化石採取を始めた頃、初めてのクジラ化石やニコイチウニを採取し、
とても思い入れがある場所です。
本日は水量はやや多め。あちらこちらに大小のノジュールが覗いています。
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かつては古いコンクリート製の橋桁がひとつあり、その上に木が生えていました。
いつのまにか流され、今となっては、どの辺りに立っていたか正確に思い出せません。
さほど大きくは無かったので、町営軌道に使われた橋ではないと思いますが定かではありません。

大ノジュールにはウニの抜け跡があり、泥岩層には巻貝が入っていました。
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この泥岩層にはクルミ〜こぶし大のノジュールが幾つも覗き、
2〜3個にひとつの割合で二枚貝や巻貝の化石が入っています。
当別川流域では同様の泥岩質の露出がありますが、
ノジュールの有無が化石が多産するかのバロメーターになる気がします。
ノジュールの質は当別川の特徴で砂質で硬く、小気味好くは割れません。
化石の質は概ね良いですが、分離が悪く、殻が母岩に残るか、
ノジュールと共に割れるので、慎重な作業が必要です。

再び新十津川方面へ向かいます。ダム堰堤を越える昇竜橋を渡ります。
青山ダム(青山貯水池)は、当時、下流で当別ダムを建設していた関係か水がありませんでした。
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トンネルを抜け...ここからが未体験ゾーンです。

「三番川」
上石橋(かみいじりばし)の袂から降ります。やや高さがあります。
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化石がありそうな雰囲気です。
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上流に向って少し進むと、右手にカキと思しき化石が密集していました。
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化石カキ礁を初めて目にし、また予想外の化石の出現に驚きました。
とにかく無数にあるのですが、大変脆く単体を取り出すのは困難です。
この場所は、その筋の方には有名なスポットなのかもしれませんが、
ワタクシの持つ資料やインターネットには全く情報が無く、詳細は不明です。
三番川層? 泥岩質ですから奔須部都層(ぽんすべつそう)?
....それとも全く別でしょうか。いずれにせよ楽しみな課題です。
カキ化石はこの狭い範囲だけで、これ以降、現れませんでした。

深みでは十数cm程の小魚が沢山泳いでいます。
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分岐を過ぎ、しばらく進みました。この辺りは奔須部都層のはずですが、
残念ながら化石を見つける事は出来ませんでした。
どの様な雰囲気かは確認出来たので折り返します。
三番川は当別川の支流とは言え、全長7〜8kmはありそうです。
化石が存在しそうな部分だけでも4kmはあるでしょう。
また、分岐する流れも長いため、何度も通って調べる必要があります。

地質図を見ると三番川層の大部分は先に見た青山ダムの辺りに存在したようです。
三番川沿いに多く露出しているのは奔須部都層です。
もし、上石橋を渡る手前500mにある谷へ降りる事が出来れば、
三番川と当別川の合流付近まで流れる小さな沢があるかもしれず、
そこには三番川層が露出している可能性もあります。
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つづく
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by motoronron | 2013-02-19 16:23 | 当別 | Comments(4)
先の記事の追加写真です〜(+∀+)。
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殻長7.5cm

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高さ8cm

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高さ13.5cm

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by motoronron | 2013-02-18 20:37 | 道南 | Comments(14)
2012年 4月下旬

恒例の黒松内・添別での化石採集を計画したワタクシたち。
メインのミッションはムカシオナガトリガイの完品を入手する事でしたが、
折角、遠方へ行くのですから新地開拓をしなければなりません。
いくつか候補地をあげ、産地と思しき場所をグーグルマップにプロットし、
メモを書き込み、印刷すると同時にRyoのiPadへデータを転送します。
これでカーナビもいりませんし、道中慌てて地図を繰る必要もなくなります。

今回は、黒松内よりもさらに南、今金町まで行く事にしました。
「今金では巨大フジツボがでるそうですよ(+∀+)」
「それイイね!!フジツボ大好き」

1時頃、黒松内での採取を終え、おにぎりを頬張りながら道順を確認します。
「今金って、すぐ側だね」
「ん〜、地図で見ると近いのですが、片道1時間半はかかるはずですよ」
「そっか〜、じゃ、あんまり時間無いね」
「ええ、見たい所が4つあるのですが、とても全部はムリですね」
「アタシはまた明日来てもイイのよ。あげイモ食べたいし」
「それはムリ....往復10時間以上もかかるんですから〜(+∀+;)中山峠コワイし...」

道々9号線を南下し、国道5号線で長万部へ。
「再び太平洋に出て来ましたね〜」
「長万部って前に来たね」
「JRの"一日フリーきっぷ"を使って旅をした時です。2006年の冬でした」
「もう、6年ちかく前か〜」
「あ! この松の防風林、見覚えありますね(+∀+)」
「そうだ!! この間を抜けて海を見に来たんだよね」
「あの頃は、こんな風に化石を採るために来るなんて思いもしませんでしたね」
「ホントだよ〜。新十津川も夕張も....全部そうだね。免許取って良かったね」

国縫(くんぬい)で右折、国道230号線で今金へ向かいます。
ピリカ湖(美利河ダム)の横を通り過ぎます。
「ここでは30年前のダム工事の際、ピリカカイギュウの化石が出たそうです」
「ジュゴンみたいのか」
「そうです、出たのは頭から胸辺りまでですが、復元すると8m以上とか...」
「へ〜! そんな大きいんだ〜」
「ジュゴンは3mほどでしょうから、倍以上あったんですね」
「実物をみたかったね」
「さて、もうすぐ目的地です。シリベシトシベツ川沿いの露頭に化石があります」
「シリベソベシベツガワ?」
「いえ、シリベシトシベツガワ、です」
「シリ、ベ、ツ、ベシベ、ツベシ、ガワ....?」
「うわ〜、あんまりヘンな言い方しないで下さい。ワタクシまで間違えて覚えそうです(+∀+;)」
「全然わかんない。北海道の地名って難しいよね」
「殆ど外国語ですものね(笑)」

旧道沿いの花石郵便局の前を過ぎ、花石橋を渡り、しばらく行くと目的地です。
排水を兼ねた小さな沢がやや深い所を流れています。
残雪があるので降りるのは楽です。夏は笹薮を漕がなければならないでしょう。
それでも何度か雪下に出来た空洞に足をとられたり、腰まではまったりました。
川を覆う厚い雪を崩しながら後志利別川(しりべしとしべつがわ)との合流へ向かいます。
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「あ、あの上の方、露頭が見えますよ(+∀+)」
「何かありそう?」
「ここから化石は見えませんが、クロスラミナが見えます」
「それなんだっけ?」
「斜交葉理ともいって、水流の方向が頻繁に変化する状態で砂等が堆積して出来る層です。北広島市の公民館のホールに地層をはぎ取ったものが展示してあったでしょう?」
「あ〜、スズメバチの巣みたいの?」
「(笑)そうです」
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崖に雪の足場を作りながら徐々に斜め上へ登って行きます。
「どう?ある?」
「あ...ホタテ系の破片が入っていますね」
「壊れちゃってるね...。こっちのは、なんだろ?二枚貝の破片かな?」
「もっと上にイッパイ入っているみたいです。登りましょう」

結構な高さがあるため、雪が無いとこの位置まで登るのは難しいかもしれません。
「あ〜、ありますあります(+∀+;)!!た〜くさんあります」
みっちりと堆積した中にホタテの化石が数えきれない程入っていました。
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「さっき、Ryoさんが二枚貝の一部と言ったのはフジツボの欠片みたいですね。同じものが大量に入っています」
「え〜?コレ、フジツボなの?すっごい大きいじゃん」
「ですから〜....ココのフジツボはジャンボなんですってば(+∀+)!!」
「ホタテの仲間は、オーロラニシキというやつだと思います」
ふたり、ここからは黙々と採取します。大好きなイトカケやタマガイも出て来ました。
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「ね〜、フジツボちゃんとしたの出てこないんだけど〜」
「基本的に死ぬとバラバラになりやすいですからね...。ワタクシもいくつか筒状になっているのを取り出そうとしたんですが、意外に脆くて結局バラバラになってしまうんです(+∀+;)」
どうにかひとつ取り出しましたが、欠片からするとこのフジツボでも小さいサイズの様です。
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わずか一時間で袋が重くなるほど化石が採れました。
「黒松内に比べて種類は少ないようですが相当な量ですね...。Ryoさん、もうオーロラニシキは採らなくてイイですよ。後で大変なコトになりそうです(笑)では裏側の後志利別川を見に行きましょう」
「え〜、川は見なくていいよ〜」
「ま、ま、そう言わずに、真裏ですから」
今日は早朝からの活動で、さすがにRyoも疲れて来た様です。

倒木を乗り越え雪の斜面を登ったり降りたり...短い距離とは言えなかなか大変です。
しばらくして、急に目の前が明るく開けました。
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「随分、大きな川だったんだね〜」
「ほら、Ryoさん、右側を見て下さい。クロスラミナの大露頭ですよ」
「おぉ〜キレイ」
↓この写真は、ちょっと大きくなります。
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「今、ワタクシたちが立っているのは黒松内層で500万年前、あの露頭はさっき化石を採取したのと同じ瀬棚層で120万年前だそうです。
「随分時代が違うんだ」
「あの下へ行ってみましょう」
傾斜があり滑って危険なので川の中を歩きます。
露頭の端に辿り着いたところで、とうとうRyoの気力が途切れてしまいました。
「アタシ、ココで採ってるから先へ行って来てイイよ...」
そう言うと、ぺたんと座り込んで穴を掘り始めました。
ワタクシは露頭にへばりつきフジツボを求め上へ下へ、行ける所まで進みました。
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裏側の露頭同様、フジツボとオーロラニシキが大量に入っています。
時折、サンドパイプの様なものもありました。

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崖に抱きついたワタクシのすぐ目の前にあるクロスラミナは、イキイキと水の踊った様が鮮やかです。
無機的な物理現象の繰り返しが織り上げた精妙な文様はひとつの完成された美だと思いました。

崖下に降りてみると川底は大量のフジツボの殻で埋め尽くされていました。
冷たく澄んだ雪解け水に磨かれ、斜光に輝く太古の遺骸、こちらも大変美しいものに見えました。
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戻る途中、枯草の上に比較的状態の良いフジツボが落ちていました。
「Ryoさ〜ん、大丈夫ですか?」
「フジツボ採ったよ」
「結構大きいじゃないですか、今、ワタクシもそこで一個拾いました」
「大きいフジツボって聞いてたけどさ、こんなに大きいなんて思わなかったな〜」
「ね、来て良かったでしょ〜(+∀+)?」
「うん、良かった」
「さ、無事、目的のモノをゲット出来ましたし、帰りましょうか」
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4時過ぎ、夕日を背に受け今金を出発しました。
「本当は、少し先にマキヤマ・チタニイの出る所があるので、なんとか、そこまでは行きたかったんですよね...」
「たしか、近くにメノウが出る所もあったよね?」
「それは、正にこのあたりです(笑)瑪瑙橋という橋もありますよ。さ、疲れたでしょう?お家に着くのは9時半の予定です。あとはゆっくり眠って下さい」
「アタシあんまり採れなかったけどさ、本当にイイ所だったね。来年も来ようね」
「ええ、きっと来ましょう」
「もっと大きなフジツボ採るぞっ!!」
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by motoronron | 2013-02-18 20:33 | 道南 | Comments(10)
2011年6月上旬

おそい昼食を食べ終え、珈琲をいれる用意をして、
ワタクシたちはキッチンで押し相撲をして遊びながら湯が沸くの待っていました。
「ねぇ~。どっか行きたくないですか~っ!!!っと」
「おっとっと..例えば何処ですか~っと(+∀+)!?」
「当別川とかさ~ぁっ!!!!」
「それは、昨日行きました〜っ...っと」
「じゃ~、望来で!!どうだっ!!!」
「それは、一昨日...行きました、よっと!」
「じゃ~ぁ、どこがイイんですかっ!!!」
「もうすぐ3時です、近くでないと...。当別川支流にしましょう...かっ!!」
「それでもイイですよっ!!それっ!!!」
「ひさしぶりに土○の沢に行きましょう。前回、増水していて入口しか見れなかったですし...」
「あそこあんまり無いからな~...っあ!! あ~ぁ...」
「勝った(+∀+)」

○方の沢は2009年の秋に初めて訪れたので約2年ぶりです。
化石が多産する印象は無いのですが、全く無い訳でもなく、
何より、しっかりとチェック出来ていないのが、ずっと気にかかっていました。

3時半、川の近くに到着しました。
「ここは林道が川に沿っているので、そこから降りましょう」
「ゲートなかったっけ?」
「そうなんですが、一応見ましょう」
運良くゲートが開いていました。少し雑草を刈った跡もありました。暗く細い林道を慎重に進みます。
...が、数百メートル進んだところで工事車両を数台発見!!
おまけにライトバンが一台こちらに向かって来ました。慌ててバックします。

「くぅ~残念...(+∀+;)。どうりで除草してたわけです...。この先1kmくらいの地点に橋があって川が分岐します。その付近に望来層と三番川層の境目があるので期待していたのですが...」
「三番川層ってどんなだっけ?」
「ワタクシたちは多分まだ見た事がないと思うんです。望来層よりいくらか下の層です。この沢は下流から順に、当別層(鮮新世前期)~金ノ沢層~望来層(中新世後期)~三番川層(中新世中期)~奔須部都(ぽんすべつ)層(中新世前期)と古くなってゆきます。いずれも化石が出るはずなんです。奔須部都層では植物化石も出るそうですよ」
「知らない層が多いね」
「奔須部都層は以前、月形へ探しに行ったんですよ」
「ダムのとこ?」
「そうです、あの上流の...」
「あの崖す〜ごい怖かったね~」
「初心者マーク付けて行ってはいけない所でした(笑)」
「....さて、どうしよっか?」
「仕方がありません、今回も下流から歩きます」

「もうすぐ4時なので、少し早めに歩きましょうね」
笹薮を漕いで川へ降ります。樹々の隙間から当別川との合流がキラキラと輝いて見えました。
川縁に露出してる地層は当別川沿いでよく見るものです。
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この付近では西野沢下流、その合流付近の当別川に架かる古い橋の側で見られます。
化石は多産しませんが、運が良ければ何か採取出来ます。

かつて橋があったのか、それとも護岸が壊れてしまったのか、
巨大なコンクリートが無数に横たわっているので、それらを乗り越えて行きます。
道々28号線の下を抜けると再び例の地層が露出しています。
見るからに化石が入っていそうなのですが見つけられません。

足元には大きなノジュールが転がっていたり、埋まっていたりします。
本流の当別川でも、この様なノジュールが多数集まっている所があります。
通称「ひょうたん石」と呼ばれる複数のノジュールが合わさったものもあります。
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この大ノジュールには左の方に貝化石の抜けた痕がみられます。
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植物化石が出ました。これは望来でよく見かけます。
ノジュールの緻密な質感もそっくりですので、上流よりの転石と思われます。
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雰囲気は良いのですが、なかなか化石に出会えません。
「やっぱココは無いな~」
「まぁまぁ、新地開拓は大事ですよ(+∀+)」
「そ~だけどさ~」
「ほら、ここにマコマが入っていますよ~。Ryoさんマコマ好きでしょ?」
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「そ~だけどさ~...。あ~らら、砂防ダムまで出て来ちゃった」
「う〜、これまた大きいですね...(+∀+;)横から上がりましょう」
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笹をたよりにワタクシが急斜面をよじ登り、補助ロープを落としサイドからサポートします。
「砂防はイヤよね〜」
「えぇ...ムダに疲れます(+∀+;)」

ダムの上は広く、湿地になっていて、ぬかるみます。
土○の沢は深い所を流れているため日が差してもあまり開放感はありません。
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「ん.......?」
「(笑)Ryoさんも気付きました?クレソンの匂いがするんですよね?」
「そうそう!!この辺りクレソンの匂いがする」
振り向くとワタクシたちが過ぎた辺りにクレソンが群生していました。
「イッパイあるね〜、帰りに採ってこ〜よ。パスタ作ってよ」
「いいですよ。お魚料理もいいかもです(+∀+)」

左上に林道があるはずです。下からは見えませんが微かに工事の音が聞こえ、
今、どの辺りを歩いているのか分かりました。
「あ、ルシノマ...の抜け穴が...(+∀+;)」
「残念...ちょっと遅かったね」
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またしても、川の左右に思わせぶりな地層が露出しています。
川底からノジュールを拾い上げ割ると、炭化した植物と二枚貝の破片が入ってました。
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「Ryoさん、5時になります。そろそろ帰りますか」
「やっぱり、イマイチだったな〜」
「今度はもっと上流まで行ってみましょうよ。知らない地層が多いのですから、きっと知らない化石が出ますよ(+∀+)」

先程乗り越えて来た砂防を降りてすぐ、ドラム缶程の大きなノジュールの表面に
巻貝化石が入っているのを見つけました。写真撮影をし終え、ふと視線を横にやると
黒々としたクジラの肋骨と思われる化石が入っていました。
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「Ryoさ〜ん、さっき気がつきませんでしたが、コレ、クジラ入りでした〜(+∀+;)!!結構大きいですよ〜」
「アタシあんまり骨に興味ないんだよね〜。お〜、イッパイ入ってるね。じゃ、アタシ奥の方見てるからゆっくりやっててイイよ」
しばらくの間、汗だくでハンマーを振るいましたが、とても人力では取り出せないと諦めました。
「あれ?ダメだったの?」
「残念ですが、この装備ではとても歯が立ちません...。では、当別川との合流をチェックして帰りましょう」
初めて見る合流は当別川にしては思ったよりも穏やかな流れでした。
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上流の方を見ると右手に切った様な露頭がありました。
白い化石がチラホラ見えます。どれもマコマの様です。
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「こうしてみると、尾白利加(おしらりか)と良く似ていますね」
「オシラリカ........あそこも、無かった...」
「.....う、ヤブヘビ(+∀+;)。。。あの時は運が悪かっただけですよ〜。痕跡はイッパイあったじゃないですか〜。必ず尾白利加もリベンジしますよ〜」

初夏の日は長く、まだまだ明るかったのですが、6時頃、帰路につきました。
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by motoronron | 2013-02-17 23:29 | 当別 | Comments(8)
化石採取を続けていて悩みのひとつは「保管」と「スペース」かと思います。
特にワタクシたちの様にビミョ〜な化石まで拾ってしまう者にとっては重要課題です。
最初は段ボールに詰めていましたが、マーケットで貰う箱はサイズが均一でなく
また所詮段ボールですから一箱乗せただけで重さに耐えかね次第に不格好に潰れてゆきます。
スペース有効活用の点からも横へ広がって貰っては困ります。猫の爪研ぎ場になるのも問題です。

ある日の整理風景です。リビングが大変なコトになっています(+∀+;)。
写真に写っていない前後も石と箱だらけです。仕分けし箱にラベルを貼るだけで一苦労でした。
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段ボール管理の頃はこの様なラベルを貼付けていました。
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札幌の博物館活動センターの保管庫を見学した際、
青く丈夫そうなプラコンテナに保管されていました。
「なるほど...プロはこんな箱を使うのか(+∀+)でも、ちと大きいかな〜?」
ホームセンターで似た箱を見つけましたが、値段もそれなりでしたので諦め、
一般的な農業用プラコンテナ(高30.5cm)を購入しました。
しかし当然ながら...これは満杯に詰めると持ち上げ困難で、適量だとスペースのムダです。

しばらくして、店先に半分の高さのプラコンテナ(高15.5cm)が並びました。
始めは498円でしたが、ある時から398円と破格のお値段に。
行く度に車のトランク一杯購入し、家中に積まれていた段ボールをほぼ整理出来ました。
農家の倉庫に積まれているのをみても、かなりの耐過重の様です。
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そして...先日、東雁来ホーマック資材館にて、更に背の低いプラコンテナを発見しました(+∀+)!!
お値段がやや高いので未購入ですが、この高さの製品の存在を知っただけでも儲け物です。
いずれ更なる省スペースがはかれることでしょう。

細々としたものは、ダイソーのプラケースに収めています。
シンプルなデザインがお気に入りです。下から17cm、8.5cm、4.5cm、2cm
価格は全て100円。高さのバリエーションがある上、スタック出来るので便利です。
人気商品故、入荷するとすぐに無くなってしまいます。
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皆様はどんな保管&整理をしてますでしょか(+∀+)??
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by motoronron | 2013-02-17 16:01 | その他 | Comments(14)