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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

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最近、なんともボンニュイな日々を過ごしており

皆様のブログへのコメントも滞り誠に失礼しております…(+∀+;)。



3月末、Ryoが短いお休みで帰って来たので、

久しぶりにダイスキノ川へ行ってまいりました。

年明けに訪れた頃は、さすがに雪も多く、温泉湧出ゾーンから上の流れは

細くなり消えていました。その時は採取初めにして

ダイスキノ川初のテキサをゲッチョ(+∀+)!したのでした。

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それから3ヶ月近く経ち、入口までの道には除雪が入り、すっかり溶けていました。

雪原の表面も溶けて硬いのですが、すぐに踏み抜いてしまい

"つぼ足"で、ヒーハーフーハー(+∀+;)川へ向かいます。

「は、はやく、川の流れへ下りましょう…」

歩くだけで体力の殆どを使ってしまいました(涙)。

川は真冬に比べ増水し、やや濁ってはいますが歩けない事はありません。

ちょっとした難所も雪の上を歩くよりは、ずっと楽です。

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硫黄泉ゾーンは2カ所あります。

水温が高ければ真冬に野湯を楽しみたいのですが、残念ながら冷泉です。


林道沿いの露頭では雪崩が多く見られました。

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朝から降り続く雨はみぞれとなり、じきに雪へと変わりました。

状態は悪いですが、こんな大きなフィロパキを採取したのは初めてです。7cmあります。


Ryoはハイファントセラス・オシマイと思しき化石を採取。

いつものスタート地点である大きな砂防ダムを越え橋の下を潜り、

プゾシア、インター、ハウエリが出る横沢を過ぎたところでタイムアップ。

水量も多く岸も川底も見えません。4時半頃川を後にしました。

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翌日、Ryoのお休み最終日、大量のサンドイッチを作り、モーライへ行く事にしました。

しかし…家を出る直前、Ryoが「ハンマーが無い…」と言うのです。

どこを探してもありません…。昨日、ダイスキノ川へ忘れて来たようです。

Ryoは「わたしの不注意だから取りに行かなくてもいい」と言うのですが、

高価なエスティングのハンマー。しかも円安が進み買った頃の倍近い値となっています。


「夕張川は昨日よりも水が少ないですね。雪解でこの水量ですから、

きっとダムを閉じているんでしょうね。もし、帰りに時間があればナンブーを見て行きましょう」


はたして、ハンマーはRyoが着替えた辺りに置いてありました。

「ウェーダーが水漏れしてビショビショで着替えに一生懸命だったんだよね~」

「シーズン本番なら誰かが"お持ち帰り"してたかもしれませんね」

雨の中、サンドイッチを食べながら、しばらくボ~ッと風景を眺めた後、

ダイスキノ川下流から~中流にかけての漸新世「幌内(ぽろない)層」を見る事に。

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流れに降りると、橋桁にセッケイカワゲラ(雪渓襀翅)がとまっていました。

子供の頃、雪上を歩くこの虫の写真を見て、とても美しいと感じたものです。

おおよそ生物のいない厳寒の雪原の上を極小の虫がさまよい歩くのを想像し、

何とも言い知れぬゾクゾクする様な感覚を覚えたのです。

雪遊びをする時は必ず探していましたが、一度も出会った事はありませんでした。

思えば、その頃、ワタクシが住んでいた町には幼虫が育つのに適した冷たい川など無かったのでした。

化石採取を初めてから、こんな風に忘れていた過去の記憶が呼び起こされる事が多くなりました。

このセッケイカワゲラ、氷河期の生き残りで、低温に適しているため、暑いのは苦手だそうです。

手のひらに乗せて長時間観察していると死んでしまうでしょう。

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さっそくRyoがスナモグリの爪の入ったノジュールを見つけました。

ワタクシは状態の悪い二枚貝をいくつか…。対岸の露頭の方がありそうなのですが、

長靴では渡れず見る事が出来ませんでした。


数百メートル上流に大きな露頭が見えましたが、こちらも流れが深く辿り着けませんでした。

4~5km上流は白亜紀ゾーンなので、転石が無いか探したところ、

8cmほどのゴードリセラスを見つけました。縫合線がパイライト化して美しいです。

その後も幾つかアンモ入りのノジュールを見つけ、夕食用に小さなフキノトウも採って上がりました。



4時を過ぎても、まだ明るいのでナンブーへ向かいます。

案の定、水は少なく石が沢山見えていますが、普段、殆ど水の流れがないため、

河原はコケと泥に覆われ石の区別はつきません。

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対岸の大露頭へ向かいます。


滑らぬ様慎重に歩いたのですが結局水没してしまいました。

辿り着いた露頭は上から下まで幌内層でした。幌内層は高確率で化石が入っているのに、

ここは化石があまり含まれていません。

「ぅう...苦労して辿り着いたのに…ココはポロナイナイナイノ層でしたか~...(+∀+;)」と、

ガッカリしながら露頭を移動していると、こんなモノが…。

「えっ….!?うそーん(+∀+;)....!!??幌内層って、こんなのも出るですか!!??」

まさかのアサヒガニの出現に我が目を疑いました。


ドロドロになって、やっとの思いで露頭を登りきり、橋上で欄干によりかかって一休みしました。

遠くでRyoが河原にしゃがみこんで石を叩いているのが見えます。

ナンブーの町はすっかり寂れ、雪に押しつぶされた廃屋が目立ちます。

「昔、両親に連れられて、ここへも買い物に来たんだろうな…」と、

少しも残っていない記憶を懐かしみました。


近くの廃屋のカーテンのない窓に夕方の鈍い光が低く差し込み、床の一部を照らしました。

もう誰も帰ってこない閉め切られた部屋の空気は今ひっそりと対流を始め

同時にスローモーションの様な緩慢さで時も動きだしてる気がしました。

淋しいけれど悲しくはない、むしろ幸福な感じもするな...などと考えていると

フゥフゥ言いながらRyoが上がって来ました。

「お疲れさま~」

「あぁ、疲れた…。あっち、なんかあった?」

「露頭は幌内層で化石は少なめですね。ところで、Ryoさん、これ何に見えます?」

「…ん~…カニ?」

「やっぱりそうですよね~(+∀+)!? 最近、カニづいてますね(笑)そちらは?」

「一応、ポリプチの入ったノジュールみっけた」

「おぉ〜...大きいですね」


「夕食はRyoさんの浜松土産の丸アジの干物とフキノトウの天ぷらですよ」

「うわ~美味しそ~(^ ^)お腹へってきた」

「それにしても、思わぬ収穫があって良かったです」

「私がハンマー忘れたおかげだね~」

「えぇ...まぁ、たしかにそうなんですけどもね...(+∀+;)。。。」



3.9cm

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これまで採取した白亜紀のアサヒガニに比べ、縦に走る背中の稜線が目立ちます。


長いトゲも特徴的です。

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ハサミ部分は欠損していますが、腕部分は折り曲げた状態である様です。

雌型となっている逆側も保存してあります。

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幌内層から産出するという、テシマムカシアサヒガニRadinina teshimaiと思うのですが、

間違えているかもしれません….(+∀+;)。

御存知の方がいらっしゃいましたら御一報下さいませ。。。


<追記>

M笠H物館のK様さんより「Radinina」は「Ranidina」の誤りではないか...。

という御指摘を賜りMしたのでズババッ!!と修正致Sます。おありがとうございます〜(涙)。

私が参考にした「学生版・日本古生物図鑑」はMスプリントと思われMす。PんPん(+∀±)!!

正しくは、テシマムカシアサヒガニ(Ranidina teshimaiです。






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by motoronron | 2014-04-05 19:39 | 夕張 | Comments(22)