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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

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前回のテキサナイテスの記事には沢山のコメントを下さいまして

本当にありがとうございました〜(+∀+)!!



5月中旬

apogon2さんとK師匠様に連れて行って頂いた、三笠モイモイの沢を2日後、Ryoさんと再訪しました。

連日の雨、この日も小雨が降る薄暗い昼下がりで入れる沢は限られていました。

前回未見のモイモイ最下流とハクション別川との合流付近を歩くことにしました。

小沢を伝って本流に出ます。人が歩いた形跡はありませんが化石もありません。

川底の大ノジュールの端をいたずらに叩くと脈に分断されたゴードリが割れて出て来ました(涙)。

「なんだか、思ったより化石が少ないですね~(+∀+;)」

「最近、石が少ないのにも慣れてきたよ…」

「す、すみませんね〜…(+∀+;)。。。」


おや、急に割り跡が増えた様な…と思って顔を上げると見覚えのある露頭。

あっと言う間に前回歩いた地点に到達してしまいました。

折り返して、橋をくぐりハクション別川に近付くと、昨年のものと思しき割り跡が散見されました。

とにかく石が少ないので誰かの割り残しをさらに細かく砕きながら歩きます。


少し遅れてRyoがやって来ました。手に幾つか石を抱えています。

「何か採れましたか?」

「ん~。割っちゃったけどテヌイとなんかよく分かんない歯」

「歯ですか!? スゴイじゃないですか〜!」

「たぶんだけどね~。見た事無い歯だよ。少しギザギザしてる感じよ」

「ギザギザッ!?鋸歯があるんですか?」

「ほら、ココんところ…右端に」

「ん~?ん~…(+∀+;)?? 言われればそんな気もしますが…ちょっとよく分からないですね。でも、歯には間違いないです。帰って顕微鏡で見てみましょう」


賢明な皆様はコレが何であるか既にお気づきですね(+∀+;)。。。


インターの抜け殻…。

破片や雌型はよく見かけますが肝心の御本尊には出会えません。

川岸や露頭から、ひと抱えもある大きなノジュールをいくつか抜き、汗だくで割りましたが、

全て細かい化石が寄って付いているだけで中は空でした。


黒い雲はさらに厚みを増し、3時前にも関わらず暗くなってしまいました。

何も見つけられぬまま国道に到着し終了。たった2時間の採取でした。



帰宅後、Ryoさんが採取したサメの歯を観察してみました。

どうも凹凸はあれど、鋸歯には見えません。


「この下部のくびれはなんでしょうね...? 歯根は....歯根…?くびれ?

ハッ!!!……Σ(+∀+;)。。。。。こ、これって…これって…もしかして!!?ズコーーーッ!!



「Ryoさ~ん、なんだか分かりましたよ~! この歯は、こう見るのです」

90度回転させて差し出しました。

「ぅん~?」

「これは、キクザメの一種だと思います。下のボンヤリと白っぽい部分が歯根で、Ryoさんが鋸歯っぽいと言っていたのは歯根との境目です」

「じゃ、縦横違うの?」

「そうなんです、キクザメは横長の歯なんです」

「なんだ~。私の中ではサメの歯ってキバみたいなイメージだったんだよね~」

「ワタクシも最初に鋸歯と聞いてしまったので、つい縦長と思い込んで見ていました」

「分かっちゃうと、こうとしか見えなくなるね(笑)」

「たしか、キクザメは珍しい歯だったと思いますよ。Ryoさん大発見ですね〜(+∀+)!!」


キクザメと言えば…と、以前、三笠市立博物館の加納さんから頂いた論文を読みます。

『北海道上部白亜系蝦夷層群(サントニアン階)から産出した,北太平洋地域で初産出となるキクザメ目サメ類Echinorhinus属の歯化石について』(金子正彦・藤本艶彦・加納学)


要約すると…

・これまで国内でキクザメ化石の報告例はなくサントニアンのキクザメは最古。

・北太平洋地域で古第三紀以前のキクザメ化石の報告はない。

・論文掲載の標本は17.6mmで白亜紀で最大級。国外での多くは数分の一サイズ。

(2012年現在)


「掲載されている写真と比べると若干形が違う様ですが、キクザメの一種で間違いなさそうですね。Ryoさんのは16mmくらいなので、かなり大きい歯の様です」


すぐに、アルビアンさんと加納さんに写真をお送りして見て頂きました。


<アルビアンさん>

「見てすぐキクザメだと断定出来ました。三笠産、もしかして初発見かも。ノジュールからというのもレアです。私はノジュールからは羽幌のサントからでした」


<加納さん>

「砂岩ではなくて、泥岩ノジュールからですよね?いろいろな意味ですごいですね。私が知る限り蝦夷層群で3個目ということになりますか」

加納さんはこの後も詳しい御説明を沢山下さいました。おありがとうございます。


アルビアンさんが羽幌で採取されたのを加えると、Ryoさんのは4例目ということになります。


「Ryoさんの発見は初産出!!とはなりませんが、三笠初の様ですし素晴らしい化石ですよ(+∀+)」

「う〜ん、粉々にしなくて良かった~...かなり叩きまくったからな~(笑)」

「たしかに...。叩き跡もスゴイですし、相当キワドイ位置に入ってましたものね...(+∀+;)」







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by motoronron | 2015-05-24 11:10 | 三笠 | Comments(40)
4月上旬

午後、おなじみダイスキノ川の下見に行きました。
今年は雪が少ないので山越えは無理でも、
いつもの駐車スペースまでは進めるかと期待しましたが、
ゲートの遥か手前からたっぷりと雪が残っていました。
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一見、ザラメ状で硬そうな雪でも、一足ごとに深く埋まり、
ワタクシは、すぐに汗だくになってしまいました。
川はさほど増水しておらず、川縁に枯葉の堆積が見えました。
これでは今年も期待出来そうにありません。

窪地に溜まった水にはエゾアカガエルのつややかな卵塊がありました。
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林道を1.5km程歩き、川に降りると記憶にある割り跡がそのままありました。
やはり、あまり更新されていない様です。
水量が少ないとはいえ春の川。水は濁り、見るべき石原も殆どありません。
支流の谷はまだ雪に埋まり、分厚い雪の下から澄んだ雪解け水が流れ出しているだけでした。

ただ黙々と歩くだけで、全くノジュールが拾えません。
急に辺りが暗くなって冷たい風が吹き、雨が降り始めました。
「あ〜ぁ。前は、いつ来てもノジュールが沢山あったのにな〜...」
「無くなるものですね〜」
「今日が初めてなら化石の無い川だと思っちゃうよ(笑)」
「タイミングが大事ですし、通わなければ分からないことですね」
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ウェーダーに穴があいているRyoは深みを避け雪上に移動します。
ワタクシは小さな石溜まりを見つけて近寄って行きました。
「あっ!(+∀+;)...あれは...!?」
目が悪いワタクシでも、遠目にそれが、いつものアンモではないことが分かりました。
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いつも破片ばかりでしたが、ようやくマルッとしたのが採れました。
「Ryoさ〜ん!!これ見て〜! 落ちてましたよ〜」
と、川向こうにいるRyoの足元へ投げました。
雪の中から石を掴み出したRyoが声をあげます。
「あっ!テキサっ!? スゴ〜イ! こんな風に出る事あるんだね〜」
「何と言っても、殆どクリーニングをしなくても良いのが最高です(笑)」
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思わぬ拾い物に気を良くしましたが、この後は何も拾えず、
残雪が想像以上に深いのを知り帰る事にしました。
雨はみぞれになり、そのうちアラレと変わり、音を立てて岩の上を跳ね回りました。
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雪の上を頼りな気にカワゲラが歩いていました。
背中にラインがあり、毎春、ここで見かけるカワゲラとは違います。
帰宅後調べたところ、ヤマトヒメカワゲラの様でした。
クッキリとした翅脈と透ける尾毛が美しかったです。
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殆ど露出していましたから、ワタクシにしては珍しく直ぐクリーニングしました。 42mm
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さて、このテキサ...。はじめはテキサニテス・カワサキイと思っていたのですが、
なんだか違うようです...。もーりんさん図鑑のプロテキサニテス・フカザワイの説明には
「〜肩とキールのとなりの2列は巻き方向に横長」とあり合致している様に思います。
ワタクシ達的にはフカザワイの幼殻で決定していたのですが、もーりんさんに現物を見て頂いたところ
「ん〜...なんか自分が持ってるフカザワイと違うな〜...(^_^)」とのこと...。
はい、ワタクシ完全にお手上げどえす(+∀+;)。

毎度、質問ばかりで申し訳ございませんが〜、皆様の忌憚なき御意見を賜りたく存じまする〜。







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by motoronron | 2015-05-18 19:47 | 夕張 | Comments(24)
オークションにて、今年、スイスで発行された変形切手を入手しました。
化石部分はエンボス加工され立体的になっています。
ワタクシが入手した時点では、切手ショップでの販売はありませんでしたが、
先程、調べたところ取り扱いが開始された様です。価格は600円前後でしょうか?
例によって100均額にいれてみました(ちゃんとガラス使用なのが嬉しい)。
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スイスはあのジュラ山脈のある国ですから、やっぱりジュラ紀のアンモなのでしょね〜。
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大きめサイズで、デザインも切手というより水族館で売ってる絵ハガキみたいですね。
個人的にはモッサリ感のある古い切手の方が好きです(+∀+)。。。







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by motoronron | 2015-05-09 13:59 | その他 | Comments(21)