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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

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5月下旬

apogon2さんとK師匠様さんが、三笠ポンポコ川巡検に誘って下さいました。

アルビアンの化石が採取出来る川として、また、下流域のチューロニアンでは
リヌパルスというハコエビの化石が産出することでも有名です。
札幌から三笠へ向かった場合、最も近い白亜紀化石産地ですし、
甲殻類好きとあって、化石採取を始めた頃のワタクシ達がまず訪れた川ですが
ワタクシ達の採取能力は乏しく、おまけに行く度に作業中だったり
道が悪かったり、歩けた日も殆ど化石は採れませんでした。
気になるけれど、ドシロートにはハードルが高過ぎる川...。
結局、年に1度本流をチラ見する程度で、すっかり足が遠のいてしまったのでした。

今回も、自分がアンモナイトを採れるとは思えませんでしたが
ベテランの御二方の後ろをついて歩けば、凄い瞬間に立ち会えるかも...という期待がありました。

朝から晴れ、風も適度にあり気持ちの良い巡検日和です。
1年ぶりのポンポコ林道、状態は割と良いのですが
それでも車の腹を擦る嫌な音が足元から聞こえて来ます。
前を走るapogon2さんの車のマフラーが地面に深い溝を掘ります。
本当は出来るだけ奥へ進みたかったのですが
随分手前で我々の車では通れないぬかるみが出現してしまいました。
前回のモイモイの件もありますから、あまりムリをせず
少し引き返して川に降りる事になりました。
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小沢を抜けると、明るく広い川の流れに沿って風が吹いていました。
化石が少ないアルビアン、あまり期待出来ないと思っていても
心地良さから自然と期待感が湧いて来ました。
まず上流へ向かいました。石は沢山あるのですが、化石がありません。
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「...ぅう~(+∀+;)。。。ナイナイナイナイナイナイ…超ナイナイナイナイナイナイ!!やっぱしポンポコはナイナイナイナイ!!」
早くも期待感がへし折られるワタクシ。。。
あまりに採れないでウロウロしているワタクシを見かねたK師匠様さんが
パンパーンと大きな石を割り、保存状態の良いヤーディアを下さいました。
最近、ワタクシが気にしている二枚貝のひとつです。
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トリゴニアを叩きまくった末にバラバラにして涙するワタクシの側で
apogon2さんとK師匠様は黒光りする美しいアンモを採取されていました。
「ス、スゴイ…(+∀+;)!異常巻きかしらん?やっぱしあるんだ~。」

いつも、力強いK師匠様さん
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K師匠様さんは時折ヨモギの葉をプチプチと採りながら
20数年前、お兄様とこの川を歩いた時の想い出や
化学合成二枚貝の密集を発見した時のお話をして下さいました。
これまで、ワタクシのポンポコ川への興味は、リヌパルス、化学合成貝類、アンモナイトの順でした。
まさか、その重要な産地を発見された方と御一緒する日が来るなんて思いもしませんでした。
機会を与えて下さったapogon2さんに深く感謝しています(+∀+)!!

横沢もチェック
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「広くて気持ちの良い川ですし、化石採取じゃなければ最高ですね(+∀+)」
「ホントだね~(^ ^;)。いや〜、やっぱり難しいね」
apogon2さんとそんな話しながら、のんびり歩きます。

午前中は大きな発見も無いまま終了。昼食後は下流に向かって歩きます。
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ワタクシは、割る石が無いので、とにかく化石の入った石を片っ端から割ります。
二枚貝の破片やサンゴが覗く、やや脆く粗目の砂岩がありました。
このタイプはサメの歯もありそう...と細かくしてゆくと、スクアリコラックスが出てきました。
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apogon2さんとK師匠様さんに見て頂きます。
「ん〜、確かに歯だな〜」
「鋸歯がみえてるね」
「…(+∀+#;)やった……」と、今日の目標達成気分。
欲を出して、さらに叩くワタクシを残し、お二人はさらに下流へと歩いて行かれました。
キレイなサンゴが…大きめの巻貝が…と叩いていると、本当に2本目が出て来ました。
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随分細くて小さいですが、ハッキリと条線が見えています。
「よし、これで十分〜」とお二人を追いかけます。

大きな石をひっくり返しているapogon2さんに近付き
「ふたつめのサメが出ちゃいま…」と、言いかけた時
その大きな石の端に円盤状のものが付いているのが分かりました。
「そ、それ...って(+∀+;)! もしかしてアンモですか!?」
「う~ん、どうなんだろうね。はじめ石かとも思ったけど、ココからつながっているんだよね」
apogon2さんは、丁寧に余分な石を落とし、リュックからタガネを取り出し慎重に割り始めました。
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この川で、このヌンメリツルンとした背中…ワタクシにはアンモノセラタイテスにしか見えません。
apogon2さんも確信があるからこそ、ここまで慎重なはずです。
登場の瞬間の映像を頭の中で幾度も繰り返しながら、固唾をのんで見守りました。
亀裂が入り始めると、その時は思ったよりも早く、あっけなく訪れました。
パカンと開いて外れた円盤状の石には紛れも無い渦巻きが、
「……Σ(+∀+;)!!!うぁっ!!!!!!!」
「やったーー'(゚∀゚∩ !!!」とapogon2さんは歓声を上げます。
あまりに見事な出現にワタクシはアワアワアワアワ…するばかり。
「いゃ~、震えがきちゃった(^ ^;)」
K師匠様もやって来られ「おぉ〜! これは、いいんでしょ!!」
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一目で20cmオーパーと分かる圧倒的な存在感。
これまでの辛さの分を一気に取り戻して余ある素晴らしすぎる成果でした。
大きな感動を噛み締めつつ、普段同様、静かに化石を新聞紙で包むapogon2さんの背中からは
喜びが溢れて感じられました。


これ以降、一同足取り極めて軽く、口数も多くなり
自分が採ったわけでもないのに、ワタクシまで浮かれ気分のまま楽しく巡検を終えたのでした。

帰宅後、早速、アルビアンさんにサメの歯を報告をしました。
写真を御覧になって、即スクアリコラックスとクレトダスと同定され
続けて詳しい説明もお送り下さいました。
クレトダスはおそらく隠れている部分に副咬頭があるとのことで
クリーニングをしてみると、はたして針先の様な副咬頭が現れました。
いつも的確なアドバイスを下さり本当にありがとうございます。
どちらも、お世辞にも保存が良いとは言えませんが
ポンポコ川で初採取のサメの歯です。嬉しい標本となりました。
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貴重な体験をさせて下さった、apogon2さん、K師匠様さん、おありがとうござまいした〜(+∀+)!







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by motoronron | 2015-06-23 17:25 | 三笠 | Comments(32)