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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

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2014年 11月下旬


「さて…(+∀+)。雪中巡検が続いていますが…今日は当別に行きましょう」

「どこ行くの?」

「イッチバン川です。上流から前回終了地点まで下りましょう」

「まぁ…イイけど。あそこ石が硬すぎるんだよね~」

「確かに硬いですが(+∀+;)。下見ということで気楽に歩きましょう」


初冬のベタつく雪が降りしきる中、当別の北部、青山地区に向かいました。

お昼過ぎ、イッチバン川沿いの月形へと抜ける道の入口に到着。

「ん~…全然、除雪が入ってませんね…」

「タイヤの跡はあるよ」

「幅からするとトラックですね。一応、入ってみますか」


水を含んだ雪にハンドルをとられ、蛇行しながら坂道を登って行きます。

「本当はもう少し上まで行きたかったのですが、ちょっと雪が深すぎますね…(+∀+;)今日はここからにしましょう」

バンパーの前には押し除けた雪が山になっていました。まるで除雪機です。


雪を漕ぎ川へ近付きます。落差のある所が多く、

それ避けて随分遠回りをしましたが、なんとか川に降りる事が出来ました。

「はぁ…もう疲れちゃった…」

「ワタクシも汗だくです。あ、ここは層が綺麗に出ていて良いですね。何層か判ればいいのですが…今日は下流を見るので、宿題としましょう」

ずっと川の中を歩きたいのですが、度々深みが現れ巻かなければなりません。

夏場では登れない斜面でも雪があると足場を作れるので越えて行けます。


「Ryoさん、上の方にノジュールがくっついてますよ」

「ホントだ~…やっぱり大きいね。何が入っているのかな?」

「たぶん、巻貝かウニじゃないでしょうか?クジラの骨かもしれません。空っぽの可能性もありますけどね(笑)」

「あんなのアタシ割れないよ」

「きっと、ワタクシも数個割ったら体力の限界です」

「この川大きいノジュールばっかりなんだもんな~」

「Ryoさんはお手頃サイズを探して下さいね。痕跡でも良いです。とりあえず何が出るか知りたいのです。 それにしても本当に大きいのばかりゴロゴロしていますね…(+∀+;)」

「好きなの割ってイイよ」

「えぇ...まぁ...気が向いたら…」


しばらくは何も見当たりませんでしたが、Ryoが巻貝の覗くノジュールを見つけてきました。

ワタクシはあまりにも採るものがないので、とうとう大ノジュールを割る事にしました。

普段行く白亜紀産地では考えられないほど硬く、ツルハンマーでは歯が立ちません。

格闘の末、ようやく端が欠けましたが、ここまででワタクシは汗だく。

コートを脱ぎ…フリースのジッパーを下し…最後はTシャツ1枚になって

ノジュールを叩き続けました。濡れた腕からは湯気が立ち上ります。

にぶい音がして、やっとヒビが入りました。ツルを抉じ入れると関節した脊椎が現れました。

「Ryoさ~ん(+∀+;)!!カッコイイのが出てきましたよ~」

Ryoは俯き石を探しながら緩慢な足取りでやって来ました。

「うわ...Tシャツだし。汗だくだし...」

「だって暑すぎたんですもの...。これ見て下さい」

「おぉ~、背骨だ。ちょっと短いけど、これはカッコイイね」

「割れ方がイマイチでしたが、一応、持って帰りましょう。径は2cm程ですね」

「bokugenさんみたく、骨を全部出して並べてみたら」

「それ、ワタクシにはムリです(+∀+;)。でも、接着してクリーニング出来たらそれなりに良い標本になるでしょう」


この後は流れが厳しく、おまけに滝まで現れ前進するのがやっとで採取どころではありませんでした。

「Ryoさ~ん!!そこから足場が無いので緑の笹だけ掴んで登って来て下さい。滝壺に落っこちないでくださいよ。冷たいですよ~」

「靴の裏に雪がこびりついてて…笹に乗ると滑るんだよね」

「頑張って〜! もう少し上がるとツルハシを刺してあるので柄を掴んで下さい…」

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太陽は緑がかった鈍色の厚い雲に隠れ、気温は下がり雪は激しくなりましたが

二人とも汗だくになって笹薮を漕ぎます。

時折、葉の上に積もった雪の塊りが顔に当たってくるのが不快です。


ちょっと休みましょう。ワタクシ足がつりそうです」

「疲れたね~…。コーヒー飲む?」

「頂きます...。ノジュールは見えているのですが、こう深いとどうにも難しいですね」

喘ぎ続けたため口の中はすっかり冷え、熱いコーヒーを口に含んでも何も感じず、

しばらくして遠くの方から温もりが沁みてきました。

ワタクシは雪の上に寝転がり、端から端まで同じ色になって距離感の掴めない空を

ぼんやり見ながら「離宮鼠とはこんな色だったかしらん...」などと考えていました。


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「綿帽子を被ったノジュールは温かそうですし、川に浸かっているノジュールはなんだか気持ち良さそうですね」

「そうだね。温泉に入ってる感じ?」

「そんな風ですよね(笑)。では、ワタクシは深くなっている所の壁を見てきますので、Ryoさん待ってて下さいね」

腰まで流れに浸かり一歩ずつ慎重に進みます。

壁にウニと貝化石の破片を幾つか見つけました。やはり、この辺りでもウニが出るのです。

しかし、どれもペシャンコになっていて、かつて当別川で見た様に崩れながらも形を保っているものは無い様でした。


こちらも、白い貝化石の破片がチラホラ見えます。

壁に嵌ったノジュールも気になりますが、どうすることも出来ないので戻ります。



「ここから上がる予定なのですが...出来ればちょっと下流を見たいのです…」

「イイよ、ついでだから見て来ようよ」

夏に比べ水かさが増しているため川は歩けず、またしても藪漕ぎです。

ワタクシは内心「言うんじゃなかった...」と後悔です。

行けども降りられる場所が見当たらず、結局、葦を束にして掴み、無理矢理川へ降りました。


「この辺りの河床の泥岩が気になっていたのですよね~」


ツルハシで少し掘ってみると、白い破片が混ざりはじめました。

「二枚貝だね。殻の感じはマコマかな…」

「なるほど...もう少し掘ってみますね」

「あっ!!」

「あっ(+∀+;)!!!こ、これは…まさかのオオハネガイでしょうか?」

「きっと、そうだよ! この殻の感じ覚えてるもん」

「そうか...こっちに繋がっていたんですね...残念、殆どスレてて一部しか残っていません」


もう少し掘ると、またしてもオオハネガイが。

「もしかして密集してるんでしょうか(+∀+;)!?」


ワタクシ達がやたらオオハネガイで盛り上がっているのは、

何年も通った当別川でもオオハネガイは殆ど見かけなかったからです。

微妙な状態のものが2つとわずかの破片のみ。ワタクシ達にとって珍しい貝のひとつなのです。


まだあるかと、しばらく掘っていましたが、さすがに三匹目のドジョウは現れませんでした。

掘り起こした土を細かく砕き、貝化石の破片をひとつずつ確認していると見慣れないものが。

「この殻の感じ、腕足類ではないでしょうか(+∀+;)?」

またまたワタクシたち大興奮!

当別では更新世の材木沢層でしか腕足類を見ていません。

この泥岩が何層か正確には判りませんが場所と地質から須部都(すべつ)層かもしれません。

いずれにせよ、当別の中新世では初めての腕足類です。


「満足しました…(+∀+)。イッチバン川の本格採取がますます楽しみになってきましたよ」

「沢山じゃないけど、収穫があって良かったね」


イッチバン川を後にすると雪は大粒に変わりました。

ヘッドライトの光は無数の雪を照らし円筒状に真っ直ぐ遠くまで伸びます。

ワタクシ達はじんわりとした幸せと充足感を胸に、

今日出会った化石のことや、来年の夏のことを話したのでした。










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by motoronron | 2015-07-22 23:59 | 当別 | Comments(23)
以前よりアルビアンさんが大々的に宣伝されていますので
御存知の方ばかりと思いますが、普段ブログを読まれない方のために宣伝いたします。

平成27年 三笠市立博物館 特別展
『すごいぞ化石!』
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アルビアンさんとワタクシの標本も展示されていますよ〜(+∀+#)。。。

7月18日(土)〜10月12日(月)
AM9:00〜PM5:00
休館日 毎週月曜(祝日の場合は平日)

観覧料
大人 450円
小・中学生 150円
(JAF割引・団体割引あり)



そして...夏休みには沢山の催しがあります。

『夏休みイベント -化石博士になろう! 2015 in Summer-』

■化石クリーニング体験(参加費無料・入館料のみ)
8月13日(木)
8月14日(金)
8月15日(土)
AM9:00〜PM4:00

1日何百人ものお客様がいらっしゃる大人気イベント(+∀+)!!
リピーター続出(本当なのです)


■化石レプリカ作り体験(材料費150円+入館料)
8月13日(木)
8月14日(金)
8月15日(土)
8月16日(日)
AM9:00〜PM4:00

小さなお子様にも簡単にリアルなレプリカ製作が出来ます。色とりどりでちょっと美味しそう(笑)


■展示解説ツアー(入館料のみ)
8月13日(木)
8月14日(金)
8月15日(土)
8月16日(日)
AM11:00〜/ PM2:00〜

展示された化石を見てアレコレ想像するのも楽しいですが
専門家による楽しくて分かりやすい解説があると、もっと化石の魅力を感じる事ができますよ。


■展示化石にさわろう! (入館料のみ)
8月1日(土)AM9:00〜/AM10:00〜/AM11:00〜
8月8日(土)PM1:00〜/PM2:00〜/PM3:00〜

各回定員8名 事前予約優先(01267-6-7545)

展示ケースのガラスの向うにある化石に触れられる機会はそうないですよね。
手のひらに乗せ、本物の質感と重さに長い時の流れを感じてください。


■学芸員・加納プレゼンツ「超マニアック化石教室」(入館料のみ)
8月8日(土)AM10:00〜11:30
定員10名 対象年齢 小学校5年生〜高校生
参加条件 普段から化石が好きな少年少女
※事前予約制(01267-6-7545)
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幾度も海外有名産地で化石採取をしてこられた加納さんがお送りするスペシャルな講座です。
ホントはワタクシが受講したい〜(+∀+;)!!!

いずれも詳細はコチラ→三笠市立博物館

と...今年も盛り沢山の内容がテンコ盛り沢山(+∀+)!!
お子様の夏休みのイベントに最適!! 自由研究ネタもこれでバッチリですよ〜!!
名物のソフトクリームと石炭ザンギを食べ過ぎて、お腹をこわしちゃうのも夏の思い出!!






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by motoronron | 2015-07-21 23:23 | その他 | Comments(10)
7月上旬

Ryoのお休み最終日。明日は埼玉へ出発です。
軽~くということで、おなじみアッシーベッシーへ。
1時頃、お昼ご飯を食べてから川へ降ります。

二人共、あまり無いだろうな...と予想してはいましたが、想像以上の無さに驚愕Σ(+∀+;)!!
他の方の割り跡もあるのですが根本的に化石が少ない印象です。

歩けども歩けども化石は見当たらず...。
ようやく見つけた結晶化ゴードリは粉砕してしまい、涙。
3時間まともな化石に出会えず、二人共すっかり疲れてしまいました。
「今日は、もう帰ろうか...」と考えながら、アナゴーの肋の跡が見えるノジュールを
いたずらに叩きます。やはり出て来るのは住房部だけ。
さらに叩くと、またまた住房部...。つづけて思いっきり叩くと...
「キャ~(+∀+;)!!!!!出た!出た!!コリグノニ系が出た~!! 割った割った割った~!!!」
これで、どうにかボウズは免れました。そして初めて系です。
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熊フンをチラホラ見る様になり、時間も5時近く薄暗くなってきたので
スタート地点まで戻らず、途中の沢から上がる事にしました。
広い石溜まり、足を取られてズッコケながら歩きます。
「昨年この辺でイモートさんがライマニセラス密集を採ったんですよね~。また落ちてないかな~」
石原に土砂が被さり草が生えはじめたあたりを掘ってみるとノジュールが出てきました。
「コザコザ密集系ですね。あ、こ....この跡は...(+∀+;)も、もしや...?」
即、パーンと割ります!!
「キャ~(+∀+;)!!!!!出た出た出た出た!!!ライマニさんが出た!!」(注・ライマニではありません)
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成果が無かったRyoはどよよん気分で沢を足早に上がってゆき、ワタクシはアワアワ後を追います。
(ん~...なんだかな~...でも、二人共ボウズよりはマシだし~...(+∀+;)。。。ん~仕方なし)
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後日、アルビアンさんに写真を見て頂きました。
「写真を見る限りではプリオノカイクロセラスとリーサイダイテスに見えますね〜そうなりますと大変産地的にレアです!!ライマニの可能性も有りますね〜 これは焼き肉の時に是非!拝見したいです(^o^)!」

え....リーサイ…なのですか、これ(+∀+;)。
あそこで、まさかのリーサイ…。上流からやって来たのでしょうか。
あらためて図鑑等を見るとライマニはもう少し肋が強く、
思っていたよりずっと厚みがありました。

後日、巡検前にアルビアンさんとアンキロさんと三笠市立博物館に寄りました。
夏の企画展の準備を見学した後、持参した化石を学芸員の唐沢さんと相場さんに見て頂きました。
調べて下さっている間、展示されているはずのリーサイダイテスを探しますが見当たりません。
アンキロさんが「リーサイって、もうひとつ名前なかったっけ?」とおっしゃいます。
「(+∀+;)???」
皆で「標本が無いね〜?おかしいね〜?」と話していると、呼ばれました。
なんでも、今はリーサイダイテスではなく、サブプリオノカイクルスと呼ぶとのこと。
アンキロさんとアルビアンさんも「そーだった!!」と納得。

バロイシセラス・ミニムス
     ↓
リーサイダイテス・ミニムス
     ↓
サブプリオノカイルクス・ミニムス

と、変わったのだそうです。勉強になりました〜(+∀+)おありがとうございます。


すると...昨夏、あそこでイモートさんが採取したアンモは何だったのでしょう?
写真を送って貰いました。...改めて見るとワタクシの記憶と随分違います(笑)。

イモートさんのは、ヘソがやや広く、ヘソ周りの突起も目立ちます。
肋はヘソ付近まで伸び、強い様に見えます。
なんとなく、ライマニにしては薄手ですし派手すぎる気がするのですが...(+∀+;)。
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by motoronron | 2015-07-20 23:58 | 芦別 | Comments(12)
先の記事のコメントで、じゅりあさんから「ブラックライト照射してび〜む♡」と
おナイスすぎるアドバイスを頂戴しました。

「おぉ〜(+∀+;)!!そーじゃそーじゃ!」
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実は最近もサメの歯を飛ばし、ブラックライト片手に泣きながら床を捜索したのでした。
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さすが、数年前までブラックライトの下、デスコ客の注目を一身に集めながら
踊りまくっていたダンシング・クイーンなアバジュリコさん(+∀+)!!

はたして...謎化石の殻は光るのでしょうか。。。
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ハイッ!!キラッキラ〜のキラ〜(*∀*;)!!!
じゅりあさんのおかげで、また一歩、夢の甲殻類系に近付きました。
おありがとうございました〜!!







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by motoronron | 2015-07-17 20:08 | 芦別 | Comments(22)

めずらしく投稿4連チャ〜ン(+∀+)!!これで1年分は書いたでしょか〜。


6月上旬


高松のお仕事からRyoが帰ってきました。

お土産は讃岐名物「醤油豆」。少し歯ごたえがあって、やや塩辛く、

“煮豆は甘いもの”というワタクシのイメージとはズレますが、

ご飯と食べるならこの方が美味しいですし、日本酒を愛する四国ですから、その組み合わせも最高ですよね。

Ryoさんのおかげで、足を運ばなくても各地の美味しい物が味わえます(+∀+)。


翌日、Ryoの体の事を考え、昼からアッシーベッシー本流行きました。

(完全オフという選択は無かったのでした…(+∀+;)ワタクシニハマネデキマテンガ)

Ryoにとっては今年初めてのアシベシです。

しかし…これが…無いのです!! 申し訳ない程ナイナイなのです…!!

もーりんさんのブログでは、車で30分~♪サクっ!!とアンモ!なんてありましたが、

それは超ベテラン様だから出来る事で、ワタクシ達にとっては本当に厳しい採取となりました。


小雨降る中、ジグザクジグザクふたりきり川の端から端までスニーカーぶる〜すしてみても、

ビミョ~な化石を拾えただけ。アナゴーくらいは採れると思っていたのですが…。


Ryoさんのオーラが重く暗いのは気のせいでしょうか...(+∀+;)。

「残念ですが、そろそろ帰りますか…」と伝えようとした時、

ハンドボール大のノジュールを見つけました(終盤に強いもとろん説)。

駆寄った勢いで雑に割ると、こんな化石が現れました。

正直、何であるかは分かりませんでしたが、直感で「あ…甲殻類系?ラッキ~(+∀+)♪」と思いました。



帰宅後、ルーペでよく観察すると変わったクビレがあります。

アンモではない、貝類ではない、植物ではない、棘皮動物ではない…と

消去法で予想してゆくと、やはりワタクシには甲殻類にしか見えません。

Ryoに勧められて、少し掘ってみると予想と全く違う形状でありました。


ワタクシは初めこの様な状態を予想していました(合成写真です)。

赤線が中心でシンメトリーだと思っていたのです。

ところが、中心と思っていた線は右へと曲がってゆきました。

左側が脈によって切られているにせよ、中心は赤線ではないようです。


甲殻類の胴の殻ならば、お椀をふせた様な形状でしょうから、

裏側をこれくらい掘れば殻が途切れそうのものです。


殆ど取れてしまいましたが、わずかに残る赤茶色の膠っぽい膜で全体が覆われていました。

この感じはやはり甲殻類の一種に思えます。


アルビアンさん宅での焼肉パーティーに持参してみましたが、

ベテランの皆様からも「分からない...」というお答え。

アルビアンさんからは「本当の謎化石というのはこういうのですね(^o^)」という力強いお言葉…(+∀+;)。


三笠市立博物館学芸員の加納さんも「ん~、なんだかよくわからないな~!! 」とのこと。


一部分とはいえ、特徴的な形状ですので、御存知の方は一目で分かるのかもしれません。

例によって、ネット上で皆様の御見解を賜りたく思います~(+∀+)。

国内はもちろん…アゼルバイジャンの酒場で踊っている化石ハンターのアナタ!!

カーボベルデの学校でカンニングしようとしている化石少年のアナタっ!!

アンドラでショッピングに明け暮れている化石コレクターのアナタっ!!

キリバスで初日の出を眺めている化石仙人のアナタっ!!


是非×2、この謎化石の謎を解いてくらさいませ~(+∀+)!!


『追加写真』

縦15mm 幅13mm

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by motoronron | 2015-07-16 20:16 | 芦別 | Comments(14)

6月中旬


ワタクシ達的には相当ガンバって…。なんと11:00に小平着(+∀+;)ゴゼンチューデスヨ!!

この日、全道的に雨であるのは知っていました。目的地が工事中なのも知っていました。

でも、久しぶりに行ってみたかったのです…ミドメモ川に。


産地に着くまで雨は降らず「これは…なんとかもつのでは(+∀+;)!?」と期待するも

川に降りてすぐに雨が降り始めました。

昨年訪れた時もドロドロの濁流で、ぬかるみから足が抜けず歩くのに四苦八苦しました。

有名川の楽チンゾーン。6月半ばともなれば取り尽くされて殆ど何も残っていないでしょう。

それでも、ツヤツヤの美しいスカフィをはじめ、未知のアンモの痕跡だけでも見てみたい。

あまり期待せずに、まず下流へ向かって歩きました。


「結構、割り跡あるね~…」

「大物狙いの様ですが、あまり出てはいないみたいですね」

「ハイエナ狙いも出来ないし、コザいのも少ないな~」

「まぁ、そう言わずに、前みたいにユーボ密集とか採って下さいよ(+∀+)」

「あぁ…。あ~いうのもういらない。クリーニングめんどくさいもん」


降ったり止んだり、雲間から日が射したり、目まぐるしく天候が変わります。

ミキサー車が林道をひっきりなしに往き来します。

ミドメモ川は、ワタクシが知る限り3カ所林道が崩落しているので、

それを補修しているのでしょう。規模が大きい為、工事期間も長い様です。

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「あ、なんか出たよ。プゾかな。でも、ちょっと切れてる…」

「おぉ~(+∀+;)!!でも保存はイイ感じじゃないですか?」

思ったよりあるのかも…と、ワタクシも一生懸命河原を探しますが、

服が濡れているため少し俯いただけで蒸気でメガネが曇り視界が遮られます。

シャツの裾で拭いても水滴がつくだけで改善されません。


ようやく川縁の泥に埋もれたノジュールを発見し

覗いた部分を力一杯叩くと、カーン!!とツルハンマーが軽く跳ね返されました。

掘り出して見ると、予想より遥かに大きいノジュールでした。割れないわけです。

ふぅふぅ言いながら転がし、どうにか河原まで運びました。

化石の入っている部分は一部に寄っている様で殆どは空でした。

残念に思いながら小割りしてゆくと、プゾシアが出て来ました。

こんな良いモノが採れるとは思っていなかったので喜びも一入です。

それでも、いつもに比べると化石が少ない様に感じました。


結局、この後、Ryoは何も採れず。 川が深くなってきたので戻る事にしました。

途中、ワタクシは2カ所の露頭から、それぞれプゾシアを掘り出しました。

「いゃ~、この辺りは結構プゾがあるんですね~!!」

「………………」

「…………(+∀+;)。。。」


一旦、車に戻って着替え、今度は上流へと向かいます。

こちらは、さらに化石が薄く割る石を探すのも大変です。

コザコザもパッとせず、見つけた大ノジュールにもめぼしいものは入っておらず、

露頭からも何も出てきません…。

雨脚はどんどん強くなり、雨粒が葉を叩き森は痺れた様な音を立てて揺れます。

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「久しぶりの土砂降りですね(+∀+;)。。。」

「ダイスキノ川に通ってた頃は、雨の日も当たり前だったね」

「あの頃はどうかしていたのです(笑)」

「いつ行っても化石があったから楽しかったな~」

「ところで、Ryoさん寒くないですか?」

「全然!! 虫も来なくていい感じよ」

「ワタクシ、ウェーダーの中に雨水が溜まってきましたし、カッパを着ていないので体が重いですよ」


いつもチェックする横沢に入りました。

入口付近には比較的新しい割り跡がありましたが、しばらく進むとそれも少なくなりました。

気付くと後ろから付いて来ていると思ったRyoがいません。

少し心配になりましたが、ここはRyoもよく知る川ですから、

問題はないだろうと早足で先に進みました。


露頭を覆っていた表土が雨で流されはじめています。これは期待大。

しかし...化石に出会えません。ガッカリしながら歩いていると大きめのアンモの破片が…

「おぉ!! こんなトコにアカントの破片がっ(+∀+;)!! …って、知ってる! このアンモ去年も見たっ!」

昨年の夏から殆ど状況が変わっていない様です。

流れは見る間に泥流へと変わり、川底は全く見えなくなってしまいました。

視界はますます悪く、何度も転びそうになりながら本流へと戻りました。

遠くからRyoが石を叩く音が聞こえたので追いかけます。


「沢どうだった~?」

「ダメです。この雨が終わった後がベストなのでしょうね。Ryoさんの方は?」

「全然だね」


水量も増し、諸般の事情からこれ以上は進めないため、折り返す事にしました。

川縁には、昨年、植木鉢にしようと持ち帰った巨大プゾシアの破片がまだ残っていました。


泥の中から手頃なノジュールを掘り出すと、またしても端にプゾシアが覗いています。

下の余分な部分をガンガン叩いているとパカッと外れて、テトラが出てきて慌てました。

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先程、ワタクシが入った横沢から濁った水が勢い良く吐き出されます。


「あ、Ryoさん、それアンモですよ!!」

ミドメモ名物の巨大アンモナイトが埋まっていました。

破片だろうと思っていても、ついつい確認してみたくなるものです。二人で掘ってみました。

「あんまりスレてないのは珍しいね」

「ツヤツヤと飴色で綺麗ですね。おや、結構マルッと残ってますね」

ハンマーの長さが30cm程なので70cm以上はあります。

「持って帰れないかな?」

「え゛っ!? バラバラにすれば何とかなるのでしょうが...(+∀+;)今日は放置ということで...またの機会にしましょうよ」


「今日はプゾシアの日だったんだね」

「いつもあんなに出るスカフィとユーボはどこに行ったんでしょうね…」


暗い昼下がり、ずっと雨に濡れながら帰りました。










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by motoronron | 2015-07-15 22:22 | 小平 | Comments(12)

昨日のサメの歯化石特集には、沢山のコメントをイッパイ下さりありがとうございました(+∀+)!!!


さて...おなじみ小平ミドメモの謎アンモです。

「またぞろ、その話し~?」という声も聞こえそうですが...

今回が最後となりますので、どうか御容赦下さい(+∀+;)。

これまでの経緯


2014 8月末》

スカフィテスが沢山入ったノジュールを小割りしていると

見慣れない背中が出て来ました。最初、肋や薄さカーブの雰囲気から直感でゼランと思いました。

詳しくはコチラ(写真多めです)『ひさしびり~のミドメモ川と…謎アンモ』


違和感があったので珍しく即クリーニングしました。

ヘソが出てみると、ゼランディテスの特徴と言われる「すり鉢状のヘソ」ではなかったので

ゴードリセラスの一種なのかもと思いはじめました。


ベテランの方々にお会いする度、標本を見て頂き、

年末にはブログでも紹介し皆様から沢山の御見解を賜りました。


寄せられたのは

・ゼランディテスの一種

・ゴードリセラスの一種

・アナゴードリセラスの一種



標本を直接御覧になった、道央アンモナイト界の重鎮Yさんは早い段階で

「ゼランディテス・ミホエンシス Zelandites mihoenshisではないか?樺太のチューロニアンから産出していて、1938に松本先生が記載している。しかし、未成年殻で写真も悪い。ヘソの説明は”steep(急勾配)とある。この種が近いのでは?

と種名にまで言及されました。



2015 1月》

当時、三笠市立博物館にいらした学芸員のKHさんからは、

「気になる点は肋の細かさ、くびれの存在、側面が平たく見えることだが、全体的特徴から見てゴードリセラスの一種ではないか。チューロニアンのゴードリセラス・ヨコイイとやや似ている印象がある」

というコメントを頂戴しました。


しかし、情けないことに、ワタクシはゴードリセラス・ヨコイイなるアンモがよくわからず(+∀+;)。



2月》

Yさんが、追加情報を下さいました。

ゼランの特徴の一つとして『へその壁はlong-sloping』とある(ライト&ケネディ1984)Zelan dozeiは、アルビアン上部からセノマニアン下部。へその壁はすり鉢状。Zelan europaeは、ロングスローピングのようですが、へその壁の落ち始めはやや外側寄りで、次の巻きと階段状に見えます。完全な摺り鉢でなくてもZelanditesと言えるかもです。なお、ミホ(チューロニアン産)には、くびれ(コンストリクション)があり、もとろんさんの化石もそうです。」


なるほど(+∀+;)!!!!!

ゼランの特徴は必ずしも「すり鉢のヘソ」ではなかったのですねっ!!



2日後、三笠市立博物館学芸員の加納さんからメールを頂戴しました。

5月に北九州市立いのちのたび博物館に行くので、例のアンモを持参して学芸員の御前(みさき)さんに見てもらいましょう」

「あざーーーっす(+∀+;!!!まじんこdeあざーーーっす!!!

実は記事をアップしてすぐ、Pさんがわざわざ御前さんに問い合わせて下さったのでした。

その際、御前さんは「ゼランディテスである」と明言されていましたので、是非、見て頂きたかったのです。


ちなみに、加納さんが博物館に新しく入った学芸員の唐沢さんに予備知識無しに見せたところ

「ゴードリには見えない」と仰ったそうです。



5月末》

加納さんが謎アンモを胸に抱き(?)遠く九州へと旅立たれました

結果は如何に(+∀+;)ドキガムネムネ


数日後、帰還された加納さんから待望のメールが届きました。

「ゼーラリセラス(ワタクシと加納さんの間での呼び名)は、ゼランダイテスに決まりました。原記載のコピーも貰って来ました。詳しくはお会いした時にでも」

後日、論文や写真を見ながら、加納さんから御前さんの御説明を賜り納得。


ゼランディテス・ミホエンシス Zelandites mihoenshis

(5.3cm)


多くの方々のお知恵と時間を拝借し、また、お手を煩わせてしまいましたが、

ナニモノか分かって、ワタクシ気分スッキリハレバレ~気分です。

長い間お付き合い下さり、本当に本当にありがとうございました。


コレにて一件落着ぅ、チョチョンッ(+∀+)!!




参考

Matsumoto, T. 1938 Zelandites, a genus of Cretaceous ammonites. Contribution to the Cretaceous palaeontology of Japan 4.

Japanese Journal of Geology and Geography, vol.15, nos.3-4, pp.137-148, pl.14.


コチラにHolotypeの写真があります《東京大学総合研究博物館》









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by motoronron | 2015-07-14 22:30 | 小平 | Comments(12)

6月末

apogon2さんとK師匠様さんのお供で、またまたポンポコ川に行きました。

詳しくはコチラ→『化石の遊歩道-2nd Albian巡検-』


前回とほぼ同じ地点をさらに丁寧に見て歩きます。

たたでさえナイナイの川なのに同じところ見るなんてと思いますでしょう?

でも、出ちゃうんです(+∀+;)!!

K師匠様さんは川に降りてすぐに露頭から状態の良いアナゴードリセラス・サキヤと思しきアンモを採取。

apogon2さんも今後を期待させる貴重な破片を発見されます。

ワタクシは無駄に頑張って露頭に登り、ノジュールを掘り出し割ったりしたのですが、スッカスカー。

結局、お二人の割り跡をハイエナしてみたり恵んで貰っちゃったりして歩きます。

まもなく終了時間だというのに、小さな小さなサメの歯をひとつ採取しただけです。

「さて、そろそろ上がりますか…(^ ^)」とapogon2さん。

ワタクシは未練がましく二枚貝密集をポカポカ!!!!

ワタクシ終盤に何か採っちゃうタイプっ(+∀+;!!ポカポカ!ポカポカポカ!ポカポカ!ポカポカ!!!!

「んあ゛っ…!! Σ(+∀+;)今、なんか飛んだ。」

母岩には薄い骨の組織の様なものが見えています。

その横にはシワシワとツブツブの雌型。

「こ、これってもしかしてしてのプチコダス系っ(+∀+;!?

慌ててバラバラになった破片を集めてみます。

「おぉ~、なんとかなりそう~。でもどう見てもプチコではないですね」

御二方をお待たせしているので、慌てて母岩を小さくして背負いました。

「何か採れた(^ ^)?」

「え~と、また謎化石です(+∀+;)」

「そう…(^_^;)。。。」


クリーニング中ですが、その謎化石がコチラ。

アルビアンさんに見て頂いたところ

「ギンザメの歯板じゃないかな~。前に僕も穂別で採って博物館に寄贈しましたよ」とのこと。

北海道サメの歯マスター凄すぎますね(+∀+;)。




7月上旬

Ryoさんと午後からハクション別川を歩きました。

駐車場にはすでに1台のステーションワゴンがありました。その真横に車を止め

「ん~、ドコに入ったんでしょうね。もぐもぐ。困りましたね~。もぐ。これから採取地を変えるわけには行きませんしね〜もぐもぐ」

と、お弁当を食べながら話していると、遠くから涼やかな鈴の音

しばらくして「カラーン….。カンカンカカン」という、もの凄く聞き覚えのある音が。

(+∀+;ま、まさか…K師匠様さんなの??」慌てて車外に出ます。

いつもK師匠様さんとapogon2さんが携帯している、超硬の炭鉱ドリルの刃を落として作ったという

特製の鉄棒の音です。石を起こしたりタガネにもステッキにもなる優れものです。

時折、K師匠様さんは、その棒を引きずって歩き、先程の様な断続的な音がするのです。

しばらく川を見下ろしているとカーブの向うから大きな袋を二つも抱えたK師匠様登場!!

力強く急なコンクリートのスロープを上がってこられました。

「なんだ。もとろんさんか、誰が手を振ってるのかと思ったよ」

「あの…apogon2さんは?」

「今日は一人で笹採りだ~」

「んえ゛っ(+∀+;!!??

たしか、奥様から「一人では山に行くな」と厳命が下されていたはずなのですが...

「川は山じゃないし、化石じゃなくて笹採りだし~(^ ^)v!

という解釈なのかもしれません(+∀+;)ウ~ム。


「今日はドコ行って来たのさ?イイの採れたかい?」

「あ、ワタクシ達はこれからなんです〜」

「なに...これから採るのかい...!?」

「え、えぇ....まぁ....(+∀+;)イロイロアリマシテ」

しばらく立ち話をして、2時頃入渓。

本流の石溜まりにノジュールはチラチラありましたが、レフト系の沢では小さなゴードリ

コスマチ、プゾシアくらいで、まともなアンモは採取は出来ず、

5時を過ぎ、さすがに暗くなって来たので戻る事にしました。

本流の石溜まりをもう一度チェックした際、ワタクシはサメの歯をゲッチョしました。



7月上旬

アルビアンさんとアンキロさんのお誘いで、ワタクシが良く知るいゃ、全く何も知らなかった分かっていなかった分かってあげられなかったすれ違っている事にすら気付けなかった出来る事ならばもう一度出会った頃に戻って始めよう少し離れている間にキミの魅力をあらためて感じたんだ虫が良過ぎると思うかもしれないが頼むっ!!お願いだ!!この通りだっ!!すまんっ!!......チラッ...チラッ。ダメ?どーしても?もぅ〜土下座でもなんでもするから〜ぁん!!お願いお願い系の産地に連れて行って頂きました。


詳しくはコチラ→『お知らせ 三笠市立博物館特別展 穂別博物館』

数年前、ボンクラゲなワタクシが見て「ココは何も無いね〜っ(+∀+)ハハッ!!」と判断した露頭ですが、

超ベテラン様が掘るとあら不思議!! 化石がザクザク登場します。

湿り気を帯びた柔らかめの泥岩層からは青白い虹色系のモスモスした小さなアンモをはじめ、

魚類のパーツ、ウロコ、二枚貝、巻貝、琥珀、植物…続々と出てきたのです。

そして、この層には多くのサメの歯が含まれていたのです!! 新産地発見でしょうか!?

ここでもワタクシは何本もの歯を飛ばし放題!! 砕き放題!! 置き忘れ放題!! と好き放題のフリーダムボーイ

「それ、珍しいと思いますよ~(^ ^)!」と教えて下さった歯も帰宅後粉砕

とりあえずマシなものを少しクリーニングしてみました。

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数日後、同じ産地に行きました。

詳しくはコチラ→『アルビアンのブログ2-北海道 夏の化石採取二本立て-』

ところが...驚く事に歯が全然出てこないのです(汗)!

ほんの僅かのズレなのかもしれませんし、あれは極薄い密集層だったのかもしれません。

暑い夏の日差しの下、3人で露頭にへばりつき朝から夕方まで採取し、まともな歯は12本。

けれど、化石採取の難しさと面白さを実感できました。


帰りしな、最近おなじみポンポコ川に寄りました。

そこで、ワタクシはサメの歯を2本、よ〜く砕いてから採取してみました(涙)。もぅヤダ...。

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↑奥に副咬頭がチョンとついてます。


ん~…こうして並べて見ると、どれもみすぼらしく恥ずかしいでした(#+∀+;)。









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by motoronron | 2015-07-13 21:14 | 三笠 | Comments(22)

知名度は低いですが、札幌の北東約30kmに位置する当別町は化石の宝庫です。

北部の青山地区を流れる川の多くからは新生代の化石が産出します。

一部、前期白亜紀の化石も出るそうですが極めて稀であり、状態も大変悪い様です。

当別と言っても大変広く、採取当初からホームとしているワタクシ達も

歩いた事のない産地が殆どです。

意外に思われるかもしれませんが有名な白亜紀の産地に比べ

川自体が歩き難かったり、林道のない川も多く近寄り難い印象があります。


2014年 11月下旬


例年より雪が遅いとは言え、採取シーズンもそろそろ終わり。

この時期は草木が枯れ見通しが良いので、夏は鬱蒼としていて歩く気にもならない細い川や、

今後歩きたい産地の下見をする事にしています。


「ねー、今日はドコに行くつもり?」

「四号の沢です(+∀+)!!」

「……どこそれ…?」

「当別です」

「聞いた事無い川だけど…。行った事あったっけ?」

「ありません。化石を始めた頃に当別川との合流から入ろうとして断念したのです」

「で、何が出るの?」

「正直、わかりません…。多分、二枚貝と巻貝…?」

「ふ~ん…」

「先日歩いた一番川下流に鮮新世の金ノ沢層(かねのさわそう)が、薄く出ているらしいのです。でも当別層の地質と何となく似ている様で、ワタクシには区別がつかないかもしれません。だから一度ハッキリと金ノ沢層だけを見てみたいのです」

「金の沢じゃダメなの?」

「金の沢にある金ノ沢層を見るためには2km以上昇らなければならないのです。四号の沢なら下流から見る事が出来そうです。砂防が幾つかある様ですが、小さい沢なので大丈夫でしょう」


13:30 現地着

ダッシュボードに地形図と地質図を並べて確認しつつ、

作って来たお弁当を猛烈な勢いで口に詰めコーヒーで流し込みます。

「こんな所に道があるなんて知らなかったね」

「橋は随分以前に崩落した様ですから、道も使われなくなって草に埋もれたんでしょうね」

「それにしても小っさい沢だな~。ホントに化石あるの?」

「さ~(+∀+;)どうなんでしょう?」

「なんだか用水路みたいだし。底も泥と小砂利だよ」

「幅の割に深いのもイヤですね」

「アタシのウェーダー穴だらけなんだよね、大丈夫かな」


廃道を4~500m行きます。Ryoは水たまりの氷を見つける度に踏んで歩きます。

しばらくして、右手が高くなって来ました。

「この山の裏側なんです、そろそろ沢に降りてみましょう。薄く当別層が出ているはずです...」

笹薮に分け入り、沢の流れる音へ近付いて行きます。


「うわ~…両岸ともドロドロの表土で当別層っぽい所なんてないよ」

「なんとも厳しいですね。昔、開墾した頃は露出していたのかもしれません」

「ウニがあるかと思って、ちょっと期待したのに~」

「さて、ここから200m程行けば金ノ沢層です」

二人とも、パッとしない沢の状況に落胆しながら歩いていると、

Ryoが砂岩質のノジュールを見つけました。

「これは、まさに当別系のノジュールです。上から流れて来たのかもしれませんね!」

たしかに遡ると石は増えましたが、ハンドボール大の硬い砂岩ノジュールを幾つ割ってみても

何も入っていませんでした。

深みを避けたり、Ryoを背負って対岸に渡ったりしながら進むと

右手に気になる泥岩の露頭が出て来ました。

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「なんとなく化石のありそうな感じですね。位置的にもこれが金ノ沢層なのかもしれません。小さなノジュールも入ってます」

表土を除去し、水をかけながら掘ります。

ノジュールから化石は出ませんでしたが、層から白い貝殻片が出て来ました。

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「ありました~(+∀+)!!この層に間違いありません」

「モロモロで保存状態悪いな~」

「確かにこれではハッキリとした種類も分かりませんね。もう少し掘りたいですが、化石の存在が確認出来たので、とりあえず先へ進みましょう」


近くでも川岸と河床に貝化石が入っているポイントを見つけました。

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沢は細いまま、両脇が広い湿地になってきました。幅は100m以上あるでしょう。

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湿地に足は深く沈み込み、雪に隠れた笹に幾度も足をとられて転び、歩くだけで体力が奪われます。

「そろそろ最初の砂防が出て来るはずですが...」

「もしかして...あれかな?」

現れた砂防は、たかが2mたらずの沢に作られたにしては随分と大きなものでした。

草を手がかりに砂防脇を登りましたが、降りるのに適した場所がありません。

ワタクシはツルハンマーとチゼルハンマーをピッケルの様に突き刺し、腕の力だけで降りましたが、

Ryoは降りる事が出来ません。斜面に足場を掘ってあげたのですが、

氷雪が混じった粘土は滑りやすく、結局、下まで一気に落ちてきました。

「大丈夫ですか!?」

「うん。あ~あ…ますますウェーダー穴だらけだ」


右手の露頭は高さを増し、枯れたイタドリに覆われていますが、比較的最近も

激しい崩落や地滑りがあったのが分かりました。

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「道理で、こんな細い沢に短い間隔で4つも砂防ダムがある訳です。この露頭は上の方まで、ずっと金ノ沢層みたいですね。金ノ沢層はツルンとしてるので表層崩壊が起こりやすいのかもしれませんね。いつか上まで登って化石を確認しましょう」

「高いな~」

「地形図をみると7~80mはありそうです。最初ののどかな草地や細い下流からは想像出来ない景色ですね」

「これが白亜紀なら皆大喜びだね~」

「確かに(笑)」


この辺りから、幾筋にも流れが分岐し酷い湿地となりました。

倒れた分厚い枯れ草の下を流れる水の音があちらこちらから聞こえて来ます。

背丈より高い葦を掻き分け、少しでも足場の良さそうな所を探して蛇行しながら一進一退。

踏み所を間違えると膝までぬかるみにはまり抜け出すのにひと苦労です。

おまけに冬の日暮れは早く、視界が悪くなって来ました。

遅れはじめたRyoを見失っては足を止め、鈴の音を頼りに探します。

「Ryoさ~ん!!こっちですよ~! 寒くないですか?」

「寒くはないけど...これずっと続くの?歩き難くて疲れてきたよ」

「ワタクシもすっかりくたびれました。でも、この時期に来て正解でしたね」

「こんなところ夏は歩けないよ~。草刈り機持って来なきゃ」

「最初の化石ポイントを少し掘りたいので、2つ目の砂防を確認したら引き返しましょう。暗くなると戻るのも大変です」


少しペースを早め、汗だくになって進み、やっと2番目の砂防を見つけました。

こちらは、やや低めで幅広のタイプでした。

「さぁ、途中で見過ごして来たノジュールを割りながら帰りますよ」

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結局、ノジュールの中から化石は現れず、最初のポイントの泥岩層からも

状態の良い化石の採取は出来ませんでしたが、当別層とは違う地質と化石の存在を確認出来ました。

ツリテラ、マコマ、マルフミガイ、エゾバイ系の巻貝等が中心ですが、

マルフミガイは当別層で採取したことが無いですし、他にも見かけない二枚貝の破片がありました。

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笹薮から廃道へ倒れ込む様にして這い出ました。

「ハァ~ッ!! 疲れた~。満足した?」

「はい~(+∀+;)お疲れさまです。 おかげさまで念願の”金ノ沢層”を確認出来ましたし、一応、採取もできました。来年は3番目の砂防の先にある当別層や最上流の望来層も見たいですね〜」

「そう?」

「えっ...(+∀+;)!?」


氷と枯草の匂いのする初冬の空気の中、フラフラと覚束ない足取りで帰りました。

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by motoronron | 2015-07-07 20:18 | 当別 | Comments(24)