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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

前の記事の追加写真です〜(+∀+)。。。

エゾワスレガイ(合弁)
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ホタテガイ
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ダイシャカニシキガイ
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エゾタマキガイ
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モスソガイ
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エゾタマガイ
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スカシガイの一種(頭に穴があいてます)
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コベルトフネガイ(合弁)
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シコロエガイ
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スカシガイの一種(頭に穴があいてます)
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エゾフネガイ
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キララガイの一種
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エゾチドリガイ
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フタバシラガイの一種(合弁)
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# by motoronron | 2012-09-19 12:51 | 道南 | Comments(16)
2011年 4月上旬

オールシーズン化石採集をしているワタクシたちですが、
やはり北海道、冬から春にかけては産地が限られてしまいます。

「ね~、明日ドコ行く~?望来は行ったばかりだし」
「どこも、まだまだ雪がありますからね...この間の徳富川があんな感じでしたから...」
「アンモは...まだムリか~...」
「三笠や夕張は来月まではダメですね」
「キタヒロ(北広島)は?ダイシャカダイシャカ...!」
「この辺よりは雪は少ないと思いますが、土採り場なので、まだ無理かもしれませんね」
「そっか~...」
「キタヒロと言えば、黒松内では同様の化石が出るんですよ」
「どこ?黒松内?そこ近いの?」
「全然近くないですが...道南の方なので雪はグッと少ない気もします。ほら、去年の秋、温泉に行ったニセコのもっと向うです」
「じゃ、結構遠いね...明日行ける?」
「イイですよ。中山峠がすっごくすっごくイヤですけど...(+∀+;)」

初めての場所、そして片道200Kmの遠出は初めてで緊張します。
その夜は入念に地図で下調べをしました。
今回、目指す黒松内の産地は、第四紀・更新世・瀬棚層上部、
約100万年前の化石が採取出来るそうです。
ワタクシたちが普段採取している化石に比べると随分新しく感じます。

ワタクシのペースだと4時間以上かかる計算なので、珍しく朝早く出発しましたが、
朝の渋滞に引っかかり、札幌を抜けるのに予想以上の時間をとられてしまいました。
そして、ワタクシの鬼門である中山峠。イヤな感じの道が続きます。
制限速度を超えていても、坂でもカーブでも、おかまい無しにあおられます(涙)。
ようやく頂上に近づきました。Ryoがキョロキョロしています。
「あ、そろそろかな~...」
「ヒーコラ...ヒーコラ...なんですか(+∀+;)...?」
「絶対、あげいも買うんだから、アソコ寄ってよ」
「あ~...はいはい、あげいも三兄弟ですね....」
中山峠のドライブイン「望羊館」に立ち寄ります。
普段、道の駅や観光スポットに寄らないワタクシにはちょっと新鮮です。
お土産コーナー等をみていると、修学旅行に行った時の気分を思い出しました。

「今回は瀬棚層からの貝化石です。瀬棚というのは、奥尻島へのフェリーが出ている町の名前ですよ」
「奥尻か~、はやく行きたいね。大っきいビカリア出るんでしょ?」
「そうです(+∀+)!アクキガイもでるそうですよ~。いつになるかわからないですが、絶対に行きたいですね~....」
ひとしきり、17歳の夏休み、友人と二人で奥尻島へ渡り数日間キャンプをした話しをしました。
汽車の中や焚き火の明かりで読んだバイコフや畑正憲の小説のこと、
フェリーが出航したときの興奮、北海道では初めて見た透明で真っ青な海のこと
カレイをさばいて脇に置いたらカモメに半身持ち去られたこと、
ウニを採って食べたこと(漁師さんに持って帰らなきゃ好きなだけ食べて良いと言われたのです)
山ほどアメフラシを集めたこと、夜、海中から見上げた月が美しかったこと、
町民の寄付で運営する無料温泉で漁師さんとお話したこと、
民家にインスタント麺のお湯を貰いに行ったら、おばあちゃんにお昼をごちそうになったこと、
数年後、島が津波で壊滅的被害を受け、燃え盛る街の映像にショックを受けたこと、
高校の時、研修生だった先生が島の学校に赴任していたらしく
テレビのインタビューを受けていて驚いたことなどを話しました。

中山峠を過ぎ、喜茂別を抜けると広い丘陵地帯にまっすぐな道が走り、
いかにも北海道らしい開放的な風景が続きます。

「わ~、やっぱり羊蹄山は大きいね~」
「普段見ている山と違ってドーンと重量感がスゴイですね」
「何度見てもキレイな山だね」
「ナントカ富士の中では、一番近いんじゃないかと思います」

豊浦への看板が出てきました。この山を越えると海が見えてくるはずです。
肌寒いですが山間にも雪がなく、太平洋が近い事を思わせます。
下りに入り、大きくカーブをした所で海が見えました。
駐車スペースがあったので一休みです。さすがにまだ緑は見えませんが、
樹々はやわらかな赤味を帯びています。足元の小さな花壇にはチューリップの芽が出ていました。
自分で運転して初め望んだ太平洋。
日本海育ちのワタクシは、なんだか随分遠くに来た気持ちになりました。
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国道37号線を西へ走ります。時折、海が見えますが、カーブが多く交通量もあり、
ノンキに海を見ながらのドライブとはなりませんでした。
右折し、道々266号線に進みます。黒松内はまもなくです。
黒松内に近づくにつれ雪が増えて来ました。朱太川に沿って走ります。
「この川でも貝化石が出るんです。でも増水していて難しそうですね...」
わずかに見える河畔や露頭は、貝化石が出そうな雰囲気です。
「貝殻橋」なんて、気になる名前の橋も渡りました。
昨晩、ニワカ勉強してきた知識と周りの景色から推測した見解をRyoに話すと、
「えらいえらい」
と頭を撫でてくれ、ワタクシ、ちょっとテレました。
「イ、イヤ、本当にそうかは分かりませんよ~、カンで言っただけですから~(+∀+#;)はは」
「アタシも頭触ってみただけだから」
「くっ....(+∀+;)!!!」

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賀老橋を渡ると右手に黒松内層と思われる、立派な露頭が現れました。
近くに寄りたかったのですが、朱太川は滔々と流れ、渇水にならない限りキビシい様でした。
「こういう露頭をみるとテンション上がりますね~!!」
「なんか化石でないの?」
「ん~、貝化石はどうなんでしょう...。放散虫は出たと思います」
「ナニそれ...虫?」
「プランクトンの一種で、ほら、よく微化石の写真で出てくるアミアミのキレイなヤツですよ」
「顕微鏡で見るヤツ?」
「そうです。採取して行きますか?」
「ん~......今日はイラネ」

やっと黒松内市街に入りました。
「あ、セコマがあるよ(セイコーマート・道産コンビニ)お昼買ってこうよ」
「津々浦々、どこにでもあるので本当に助かりますね~(+∀+)」
駐車場でモグモグとおにぎりを頬張りながら、見たいポイントを再確認します。
黒松内川の支流「シェルの沢」「ミィディアムの沢」「マロンの沢」。
いずれも一部ですが瀬棚層があります。
そして、もちろんメインは「添い遂げられなかった川(涙)」です。
「近いので、南側から順に見て行きますか...」

ところが、黒松内は道がクニャクニャしていて、ワタクシの様な方向音痴にはハードルが高いのです。
行ったり来たり、元に戻ったり...。なかなか沢がみつかりません。
そして、ようやく見つけた沢たちは増水していたり、とても小さかったり、護岸されていたり、
農家の敷地内に進入しなければならなかったり...。

諦めて「添い遂げられなかった川(涙)」に行く事にしました。
道々523号線を北上。目的の川を渡ってすぐに左折し約1Kmの地点、
道路右脇に駐車出来そうなスペースがありました。
畑はまだ雪野原ですから作物を気にせず歩けます。
「さてさて、あるかな~?」
「増水してないとイイですけどね~」
「よしっ!! いくぞっ!!」
「はやっ(+∀+;)!?」
やる気満々のRyoは、あっと言う間に用意を終え、ウェーダーを小脇に抱えると、
雪原をサッサと渡り出しました。
「は~や~く~!!」
遠くからRyoの声がしますが、ワタクシはロープを用意したり大忙しです。
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東へまっすぐ150m程で川に着きます。増水はしていましたが、水深ははさほど無く、
岸が見えているので採取も大丈夫そうです。
既に灰色の地層には貝殻の破片が沢山見えています。
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「イッパイあるよ!!凄い凄い!!」
「潮干狩り云々は本当ですね...。キタヒロよりある感じです」
「それに、凄く状態がイイみたいだよ」
「こ~れは、期待できますね~(+∀+)!!」
二人、いそいそとウェーダーに着替え、ロープで降りました。
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「うっわ~!ホントに沢山あるね~!!」
Ryoは大はしゃぎです。早速ビニール袋を片手にガンガン掘り始めました。
水流はかなり強く、そのままでは対岸には渡れません。
しかし、運良く下流の方に倒木があり、掴まりながら渡りました。
「ほら~、ダイシャカニシキだよ。こんなにキレイ!!」
「やっぱり、キタヒロよりもずっと状態がイイですね。ナマナマしています。」
「あそこ、カッサカサなんだもんな~」
川岸はもちろん、川の中も貝殻の破片でイッパイです。
「ワタクシ、腕足類が欲しいですよね〜」
「キタヒロであれだから、きっとイイのがあるよ...。あ、アポロみっけ!!(カサガイ)」
「どうも合弁で出るのが多い様です、小パックにいれて持ち帰りましょう」
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2時間の採取で結構な数が採れ、二人、大満足です。
「なんだか、さっきより水の流れが強いみたい」
「午後になって雪融け水の量が増えたんでしょうね」
まだ日は高く、蘭越方面へも行きたかったのですが、
帰りの時間を考えると諦めざるをえませんでした。
朱太川へ戻り付近の様子を見てから帰ることにしました。

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川に近づけそうな道を見つけては入ってみますが、やはり、どこも増水していて採取不可能でした。
土手沿いの道から工事したばかりの砂利道が分岐していました。キャタピラで荒らされた
真新しい土の中に貝殻片が混ざっていました。
電柱のプレートにも「貝殻幹」と思わせぶりな文字...。
新しい道を進むと...真新しい施設とコンクリート製プールがあり、沢山の稚魚が泳いでいました。

帰りは激しい雨に降られ、中山峠であおられまくって泣き、
札幌市外に入ってからは消えた白線と、明かりに照らされた超絶見難い路面に泣き、
再びあおられて泣き、も~泣き泣き家に泣き帰りました~(+∀+;)。

深夜、Ryoはキッチンで貝を洗い始めました。
「イッパイとれたね~」
「大漁でしたね(+∀+)でも、今度行く時は、ツルハシがいるかもですね」
「一個ずつ採ると割れちゃうもんね」
「もろい地層ですが、密に入っているので殻が壊れやすかったです」
「沢山あるから、キレイなの選んで欲しいもんね」
「ワタクシは腕足類が出なかったのが残念です。絶対あるはずなんですけどね〜...」
「ねぇ、この茶色の貝キレイだよね~。ちゃんとしたのあんまり採れなかったけど」
「これは、ムカシオナガトリガイと言って、ダイシャカニシキ同様、絶滅種なんです」
「えっ!?....これ、絶滅種なの?」
「そうです」
「な~んで教えてくれなかったのよ~!!知ってたら、もっと一生懸命探したのに~!!」
「ひ~、スミマセン~(+∀+;)!!」
「今度は、コレを採りにいくぞっ!!!」

ムカシオナガトリガイ
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エゾボラの一種(?)
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ツキガイモドキ
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ナミマガシワモドキ
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イサオマルフミフミガイ
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エゾイガイ(合弁)
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エゾキンチャクガイ(合弁)
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# by motoronron | 2012-09-19 12:45 | 道南 | Comments(6)
2010年8月下旬

朝からよく晴れ、絹雲が棚引く涼しげな空とは裏腹に、とても暑い日でした。
上砂川・パンケウタシナイ川河畔の公園での採集が思いの外早く終わってしまい、
公園の東屋で、持参したハンバーグ弁当を食べながら次の行き先を考えるワタクシたち。

「ん~...。結構、簡単に採れてしまいましたね...(+∀+;)」
「この後、ど~すんの?」
「尾白利加は昨日行ったばかりですし...」
「あそこ、ぜ~んぜん採れなかったね!!」
「いやいや....ちょこっと採れましたし、痕跡はあったでしょ?確かにあるんですってば(+∀+;)!! 増水していて、お日柄が悪かっただけです」
「近くならドコ?」
「奈井江の植物化石は...」
「却下!! 間に合ってます!!」
「ん~、美唄川はどうですか?」
「調べて来たの?」
「いや、全然...(+∀+;)」
「ダメダメだな。じゃあ、タカハシホタテは?」
「却下(+∀+;)!! それこそ間に合ってます!!」
「じゃ、ど~すんのよ~...」

ふたり、タッパーのフタを割り箸でポコポコ叩きながら考えます。
ほの暗い東屋の外の風景は、強い光を反射して白くカサカサと色あせ、
枯れて久しいと思しきタイル貼りの人口の川からは陽炎が立ち上っていました。

「あの...徳富川はどうですか?」
「こないだのトコでしょ?いいけど...あんまり変わってないんじゃないかな~」
「上流の方はまだでしょ?でも、今回は支流を見るのです(+∀+)」
「どこどこ?そこ化石でるの?」
「た、たぶん....。古い地質図なので、保証はしませんが....」

新十津川町・徳富川支流「ハレンチの沢」に行く事にしました。

新十津川市街を抜け、浜益へと向かう道々451号線を走ります。
前回、徳富川で採取した場所は、先の雨で増水し岸が殆ど見えなくなっていました。
「増水してるみたいだけど、大丈夫かな?」
「小さな沢なので、それほど影響はないと思いますが...。それより、林道の入口がわかりません...」
「地名ではこのあたりだよね」
「間違いないんですが...ん?橋を渡ってしまいました。どうも通り過ぎた気がします」
近くまで来ているはずなのに行きつ戻りつ...。

「もしかして...あれじゃない?」
「...んげっ(+∀+;)!!」
右手にある細い道路の奥で、何台もの大型重機が地面を掘りまくっていました。
おそるおそる、近づいて行きます。
「お墓があるようなので、そうそう通行止めにはしないと思うのですが...」

白いライトバンが対向してきました。挨拶をした方が良いのかな...と窓を開けましたが、
土ぼこりを巻き上げ、猛スピードで過ぎて行きました。...進んでも構わない様です。
「あちゃ~、地質図によると、いま工事している辺りでも化石が出た様ですね(+∀+;)」
「あらら」
道が分岐しています。右折すると「ちょっぴりサムライの川」へ抜ける峠道、
左折すると「ハレンチの沢」に沿う林道です。
「工事はここだけの様ですから、とりあえず上流へ向かいましょう」
林道は使われている様で、キレイな印象ですが、樹々に覆われ暗く対向車が心配です。

「なんだか、鬱蒼としていて、川が見にくいね」
「細い川だからなおさらですね~...」
「どこかイイところないかな~。もう大分来ちゃったよ」
「あっ(+∀+)!!いま、ピーンと来ました」
「あった?」
「あの木の間、ちょっと露頭っぽいの見えませんか?」
「ぜんっぜん見えない」
「....(+∀+;)ま、降りてみましょう」

川までの深さ約2.5m、ストンと落ちています。降りやすそうな場所を探し、
やや上流へ移動しました。車にロープを結びつけ降りて行きます。
暗い川を草を掻き分けながら進みます。
足元に大きな泥岩が落ちていました。引き上げてみると、貝化石の痕跡があります。
「Ryoさん、ありますよ(+∀+)!このあたりにあるはずです」
しばらく進むと視界が開け、ワタクシが車から見たと思われる露頭につきました。
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高さ3m程の所に周りとやや色の違う層があり、白いものがチラホラ見えていました。
そのままでは滑って上がる事が出来ないので、ホームセンターのワゴンセールで購入した
長いメガネ杭を打ち込み、足場にしました。
近づいてよく見てみると、苔むした泥岩中に白く巻貝の化石が覗いています。
無数のひょうたん型は断面に違いありません。
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「Ryoさ~ん(+∀+)!みつけましたよ~!!」
「アタシもみたい~!!」
「ワタクシ、ちょっと下流の方も見て来ますので、Ryoさんはココで掘っていて下さい」

下流の方でも、巻貝の化石が混入した泥岩の塊が落ちています。いずれも同じ種類の様です。
100m程進んだところで水が急に深くなり、ウェーダーでなければ進めそうになく諦めました。
戻ってみると、Ryoは不安定な格好で露頭にへばりつき、なんとなく投げやりな感じで、
チゼルハンマーをガツンガツン打ち込み、辺り一面に激しく土を飛ばしています。
背中から負のオーラを大いに発散させています。

「Ryoさ~ん....。大丈夫ですか~....(+∀+;)」
「ここ結構、硬くてさ〜大変!! 足場も悪いから疲れちゃった。貝はモロいしさ~」
「じゃ、交代しましょう」
「でもね、なんかイッパイ入ってるみたいよ。じゃ、アタシ上流の方見てくるね~」
Ryoは川に降りると、ザブザブと大きな音を立て草の中へ消えて行きました。
Ryoが堀った跡を観察してみると、見えている部分だけで厚さ30cm、幅4m程で
巻貝化石が密集している層でした。端に行く程、数は少なくなっている様です。
Ryoの言う通り、ひとつずつ採取しようとすると、割れてしまいます。
泥岩ごと、ある程度大きめに取り出す事にしました。
不自然な体勢で掘る作業をするのは確かに大変で、ハンマーを振り上げると、
体が後ろに反るので落っこちそうになります。タガネを使って少しずつ掘り進めることにしました。
汗だく土まみれになり、ようやくいくつかブロックを採取しました。
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30分程して、Ryoがガサガサと茂みから出て来ました。
「ど~お~」
「クリーニングしてみないと分からないですが、数は入っているみたいですよ」
「たいへんだったでしょ~(笑)?」
「はい~(+∀+;)疲れました。足がつりそうですよ。上流はどうでしたか?」
「あんまりなかった。同じ泥岩はみつけたけど、いらないかと思って持ってこなかったよ」
「じゃ上げますか。ワタクシが石を上に運ぶので、Ryoさんは先に上がって車をUターンさせて来て下さい」
石は思ったよりも重く、鞄のナスカンがキリキリと音を立てます。
やっとの思いで全ての石を林道脇に上げ、へたり込んでいるとRyoが戻って来ました。
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「おぉ~、結構な量だったね~」
「こんなに巻貝が密集したのは初めてですからウレシ〜ですね~」

この後、徳富川上流の公園側で7時位まで採取をして帰りました。

その夜、Ryoがキッチンでの洗浄を終え、さっそくミニハンマーで叩き始めました。
「あれ~、なんだか上手く取れないね...割れちゃうよ」
「母岩に殻が付着して割れちゃうんですね...頭が飛びやすい様ですね」
「ボンドで固めたら?」
「いんや、それではカンペキに一体化してバラせなくなります」
「じゃ~、ど~すんのよ~」
「ん~...では、ここはひとつガマンの子。しばらく放置してみましょう(+∀+)」
「しばらくって、いつまで?」
「来年の春までです...」
「え~! 忘れちゃうよ~」
「じゃあ...目の届く所に置いておきますか....」

半年以上もの間、玄関先に積まれた汚い土くれを訪問者はどう思ったでしょう...。

はたして...一冬、野ざらしにされた泥岩は、凍結~解凍を繰り返した結果、
殻を境にパラパラと崩れます。化石に負担をかけず簡単に分離させる事が出来そうです。
突き崩してみると、大小無数の巻貝が出て来ました。見事に一種類の巻貝ばかりです。
これだけの数があるのに、違う種類の貝はやや大きめの巻貝一個のみでした。
下の写真の何倍も出て来ました。
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一体化のままのモノは、お気に入りの密集化石となりました。
32cm X 13cm
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# by motoronron | 2012-09-17 18:15 | 新十津川 | Comments(14)
先日の記事の詳細です〜(+∀+)。

9月上旬

連日の雨...。Ryoが再び旅に出るまで、あと5日しかありません。
ダイスキノ川は先日行ったばかり、それに小さな川ですから増水しては採れません。
そこで、かねてより気になっていた美唄川の下見に出かける事に。
その後、リニューアルオープンした三笠博物館を観て帰る予定にしました。
それでも、備えあれば憂い無し。化石採集グッズはしっかり積み込みました。
傘をさしながらの積み込み作業でしたが、ビチョビチョに濡れてしまいました。

ワイパーを最高速にし、豪快に飛沫を上げながら走ります。
国道275号線を北上、月形で右折、道々275号線~33号線を通り、美唄へ向かいます。
いつまでたっても雨脚は強く、フロントガラスに当たってバキバキとはじけます。
美唄湖への道沿いは思ったよりも開け、立派な道路がずっと続いています。
途中、写真などで見覚えのある巻き上げ櫓が見えます。
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「キレイですが大正時代のモノで道内で2番目に古いそうです」
「へ~、ああいうのって、カッコイイよね~。ずっと残して欲しいな~」
「イイですよね~。近くには最近雪で潰れてしまいましたが、映画館跡もあったはずです」
「古いカワイイお家もイッパイあるし、美唄、かなりアタシ達好みの街じゃない?」
「そうですね~(+∀+)。また今度、お天気の日に来ましょう」
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ダムに近づいてきました。橋と地質図を確認しながら進みます。
「ダム手前で行き止まりだったらキツいですね~」
「先がかなりあるものね」
「脇道がメインになるのですが、開いているかどうか怪しいものです」
「あ、あれ...行き止まりなんじゃない?」
美唄市街から15Kmの地点でした。
「これは予定通りです"工事のため通行止め"ですか...どうにか工事は続いている様ですね。では...先ほど左にあった脇道へ行きましょう」
「わ~、荒れてるな~...」
「道が排水になってますね。こうなると道路が壊れちゃいますからね~。ワタクシ、ちょっと歩いて先を見て来ますね」
車を入口付近に停め、偵察に出ました。しかし、奥を見に行くまでもありませんでした。
轍は水流で深く掘れ、その先には大きな水たまりが幾つも続いています。
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「どうだった?」
「大分荒れてますね。ワタクシの車では補修が入らないと、キビシイかもしれません」
「なんだ~、じゃあ、いつ採りに来られるか分からないんだ~」
濡れた体をバスタオルで拭き、雨を眺めながら、コーヒーを飲んで一服します。

「他には化石出る場所ないの?」
「もう少し下流で若鍋層や平岸層といった新生代の化石は出ます。一応、チェックしましょう」
帰りしな、幾つか良さそうなポイントを見つけましたが、長靴では難しそうです。
結局、美唄川での採取はまたいつかのお楽しみとなってしまいました。

車を三笠方面へ向けます。
三笠市街は化石採集を始めた4年前、曲がる所を間違えて通った以来です。
有名な「民宿アンモナイト」水石や化石も扱っているお店など、
いかにも三笠らしいお店がありました。
幾春別の街へ入る手前で川を覗くと増水していましたが、
殆ど雨の降らなかった7月下旬よりも少ない様です。
あの時は、運悪くダムの放流をしていたのかもしれません。

迷う事なく博物館の前を過ぎました。
ここまで来て、博物館だけ観て帰るというのは、つまらないと思ったのです。
「おぉ。通過しますか(笑)?」
「はい。またまた今日も通過しま~す(+∀+)!!」
「で、ドコ行くの?」
「ドコにしましょうかね...まだ考え中です...。上桂橋の露頭はありえないし、油揚げの沢は印象悪いし、本流はあまり無いでしょうし...オーバー・ザ・ユーバリの沢は増水するとダメだし、ビッグポートの沢は奥過ぎるし...。すると...コテージの沢ですかね?」
「いいよ。でも、あそこ深くて暗いからな~。見えるかな~?」
「入りやすいですし、何カ所か林道に上がる場所があるのが良いかなと...。もし、入ってみてキビシそうでしたら、すぐに上がって博物館へ行きましょう」

二年ぶりのコテージの沢です。国道脇の広場に車を停めます。
以前は、真新しい木屑が散らばり作業の跡が窺えましたが、最近は使っていない様で雑草が生え、
なんとなく林道も荒れ始めている様子でした。
この沢は少し下の方にあるので、深い薮を掻き分け排水溝の斜面から降りて行きます。
水を含んだ草に叩かれ、瞬く間にずぶ濡れになってしまいました。
薄暗い沢に目が慣れるのにしばらくかかりましたが、水量は普段とさほど変わりません。
最初から、先行者の割跡が見られましたが、入りやすい沢なので仕方ありません。
久しぶりですが、大きな岩や木は良く覚えていました。

Ryoが泥岩層の露頭にアナゴードリセラスの抜け跡を見つけました。
泥岩層に直接入ってる事はあまり無いので、他にも無いかと探した所、
よれよれとしたポリプチコセラスを見つけました。やはりノジュールからがベストな様です。
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割跡が続き、二人「無い無い...」と言いながらも気付けば、それなりに収穫がありました。

「この沢でこんなに見つかるの珍しいね」
「状態はイマイチですが、確かにありますね(+∀+)」
「よく見てないけど、初めて系もありそうな感じだよ」
「そうですね。この沢で採れる事もあまりないでしょうから、状態が良ければドンドン採取しましょう」
2時間程して、Ryoは無口になり、ワタクシも少しバテて来ました。
高い林道から滝の様に流れる排水溝を見上げました。
ここから上がった事もありますが、さすがに濡れて崩れた泥をよじ登るのは無理と判断し、
林道と川の高さが近づく終点まで行く事にしました。

「今日はスタートが遅かったので、しばらくすると急に暗くなりますよ。急ぎましょう」
Ryoを急かしながら、少し早足で進みます。
それでも、良さそうなノジュールを見つけてはリュックに入れてもらいます。
「ね~、もうパンパンだよ」
そう言われたばかりなのに、20cm程のノジュールから大きめのネオフィロセラスが出ました。
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大好きなアンモですが、大きめは初めてです...外巻がバラバラでしたが持ち帰る事にしました。
「もう、これ以上は入らないし、リュックが壊れそうだよ」
「そうでしょ、そうでしょ...。正直、立ち上がるのも辛いです...(+∀+;)」

5時を過ぎ、いよいよ暗くなって来ました。
濡れた服が張付き体を動かしづらく普段よりも疲れます。
そして視界の悪さが不安感を芽生えさせます。
突然、ドッと風が吹きました。
樹々は大きく揺さぶられ、パラパラパラ...と音を立て大粒の滴と枯葉が降って来ました。

二人はフラフラしながら、ノジュールを見つけては、せわしなく割ります。
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「もう、疲れた...。」
とうとうRyoが音を上げました。
「そろそろ終点ですから...頑張って」
林道との高低差は縮まっています、間違いなく、あと少しです。
幾度もカーブを曲がりますが、終点はなかなか現れません。
「ねー、こんなに遠かったっけ?」
「林道は近づいて来てますから大丈夫ですよ。でも、本当に遠く感じますね~」
「いつもは、あんまり無いから、もっと早く歩いてるんだよね」

行く手に大量の倒木がありました。
迂回するしかありません。薮を分けて進みます。
ようやく抜けた所でワタクシは息があがり、へたり込みそうになりました。
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いつもの終点はもう少し先ですが、障害物が多過ぎて、とても進めません。
林道から分岐しているはずの作業道から上がる事にしました。
林道は目と鼻の先にあるはずなのに、あまりに草深く行く先を見失いそうです。
おまけにかなりの急斜面です。途中、道は崩落し分断されていました。
「たった2年間で随分荒れましたね。どちらかというとキレイな林道でしたよね?」
「今は全然使ってないんだね」
ようやく林道に出てきましたが、ここも大きく崩落し雑草が生えていました。
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左手の川側も崩落している箇所が多くみられます。

雨の降る夕方の荒れた林道は暗く、ワタクシたちを取り囲む空間の全てから嫌な圧力を感じ、
息苦しくなってしまいます。
辺りに注意を払いながら歩き始めました。ゲートまでは約2.2Kmです。
久しぶりに背中の荷物は重く、手を後ろに回しリュックをおんぶする様な格好で歩きます。
ワタクシはラストの斜面ですっかり体力を使い果たしてしまい、
マラソンの時の様な息使いになっていました。
それでも、ついつい林道脇の露頭に入っているノジュールに目をやってしまいます。

二人のボコボコという長靴の音と鐘の音が露頭に反射しては、左の崖へ吸い込まれてゆきます。
「あ...。今、なんか目の前、通った」
Ryoが歩みを止める事なく、言いました。
「なんでした?」
「黒いの」
「......(+∀+;)....!!!」
ワタクシは下を向き、息も絶え絶えで歩いていたので、全く気が付きませんでした。
「...で....大きさはどれくらいでした?」
「こ~れくらい」
と、Ryoは両手で長さ1m高さ50cm程の楕円を描いて見せました。
「そうですか...(+∀+;)。。。」
タヌキやアライグマであって欲しい...という、ワタクシの淡い期待を裏切る大きさでした。
そして、そのサイズを心底イヤだなと思いました。一頭では無い可能性が濃厚になったからです。
「お尻とか、大きくて、まあるい感じだったよ」
Ryoはトドメの一言を放ちます。

自然と二人の鐘を振る力が強くなりました。
「どれくらい先でした?」
「あそこ。あのカーブのちょっと手前、一本、大きな木が生えているところ」
Ryoは、15m程先を指差しました。
今、ワタクシたちは早足でドンドン、そこへ接近しています。
出現したところへ自ら近づかなければならない不条理...。しかし、後戻りは出来ません。

「横切っただけですか?」
「うん。左から右へ、サーッって。草むらに入って行った」
「春ちゃん(犬)くらい(+∀+;)?」
我ながら、往生際の悪い質問です。
「全然っ!!ず~っと大きかった」
「そうですか...(+∀+;)。。。」
「黒くて、丸くて、モコモコしてた」
「わかりました......。」
もはや、一片の疑念も疑問もありません。
実際に目の当たりにしたRyoが普段とあまり変わらず、落ち着いているのが救いです。

「この辺りですね、横切ったのは?」
「そう。で、こっちの茂みに入ってった」
右手は谷になっていました。
その薄暗い茂みに隠れ息をひそめているのかと思うと気味の悪さを感じました。
立ち止まり、足元の濡れた土に目を凝らします。
確かにありました。林道を斜めに横切り、右手の谷へと続く足跡が。
大きさの割に歩幅があるのは、急いで通過したからでしょう。
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写真を撮り、再び歩み出した途端、左の谷、つまり、先程までワタクシたちが歩いていた川から、
これまで一度も聞いた事の無い声が響きました。
声変わりしたスターウォーズのチューバッカ副操縦士の様な声です。
1秒くらいの間隔で断続的に吠え続けています。明らかに子の安否を確認している様子です。
声質の厚みと深さは発する獣の肉体の大きさと重さを感じさせました。
戦慄しながらも、カメラで音声を録音しようとしましたが、
雨に濡れ、シリコンカバーを装着したカメラをポケットから上手く引き出せません。
しかし、今はそんな事をしている場合ではないのだ...と考え直し諦めました。

左手の川の方にいる親、右手の茂みに潜んでいるはずの子。
完全にワタクシたちは挟まれた状態でした。最も避けたい位置関係です。
一層強く鐘を振り、駆け足にならぬ様注意しながらも、出来るだけ速く歩きます。
頭の中では、めまぐるしく、あるゆる事を考えていましたが、
話す言葉は恐怖につながらないものだけを選びました。

二人の長靴の踵が地面を蹴る音、砂利が擦れる音、二つの鐘が作り出す唸る様な鋭い金属音、
自分達の話し声、雨合羽を叩く雨粒の音...そんな、混然とした音に、
聞こえてはいけないはずのノイズがくっきりと浮き立つ様に混入してきます。
自らが発していない音をこれほど異質に感じたことはありませんでした。

ワタクシたちが遠ざかっている事を知らせるため、Ryoの耳に声を少しでも入れたくないという思い、そして、無意識のうちに声を掻き消したいという気持ちから、
さらに強く鐘を振り、大きな声でRyoに話しかけます。
そっと腰のナイフカバーのホックを外し、柄を握りやすい位置へ移動させ、
これを使う事が無い様、祈りました...。
時折、後ろを振り返り、左耳で鳴き声との距離間を確かめ、
横目で道路脇を観察します。わずかな変化も逃してはなりません。

そうして15分程歩きました。キリキリとスネの筋が攣りそうになってきた頃、
木々が切れた向うに、やっとゲートが見えてきました。
ぽかんと開けた場所はことさら明るく見えました。
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背後を心配しながらゲートをくぐり抜け、車の周囲を見渡します。
ドアを開け、すぐに二度、三度クラクションを鳴らしました。
大きな音で聴覚が収縮し、ゆっくり戻った後には、雨が車の屋根にあたる虚ろな音、
樹間からこぼれてくるせせらぎ、静かに濡れそぼる植物達が立てる微かな音だけでした。

6時近くなり、すっかり暗くなりました。
ワタクシは、もう一度、林道奥の薄闇に目をやってから、エンジンを始動させました。
送風口から生温い湿った風が吹き出し、しばらくして人工的な冷風に変わりました。
その心地良さは、今、無事でいる事を強く実感させました。

「Ryoさん、大丈夫でしたか...?」
「うん。びっくりしたけど、大丈夫!!」
「驚いたでしょう...」
「目の前を通り過ぎた時は、全然だったけど、後から声がし始めたでしょ、あの辺からヤバいかな~って思った」
「あれにはワタクシもまいりました...」
「ね、お腹すいちゃった...」
「(笑)ビーフカレーを作ってあるんです。早くお家に帰りましょうね(+∀+)」

夕食のカレーライスを頬張りながら、ようやくRyoに質問をしてみます。
「ところで...初めて見た時の感想はいかがでしたか?」
「真っ黒だったから、シカじゃないな~って思ったよ」
「そ...それだけ...(+∀+;)?」
「お尻がモコモコしてて可愛かったよ」
「よく言いますよ...。ワタクシ見なくて本当に良かったと思ってます」
「イヤイヤ...あれは見た方が怖くないんだってば」
「そうですかね~(+∀+;)??Ryoさんだから平気なんでしょ」
「川のどの辺にいたのか、下を覗きたかったんだよね~」
「ワタクシ絶対ムリッ(+∀+;)ムリムリ!!!! Ryoさん、あの状況でよくそんな事考えますね...。
ところで、気付いていました?」
「なに?」
「今の今まで、ワタクシたち「熊」という言葉を一度も口にしてないんですよ...」
「ホントだねっ(笑)!!」
「無意識に避けてたんでしょうかね~...(笑)」
二人、大笑いです。

「ところで...ワタクシたちが川を歩いている時、林道と川の間の狭いスペースにいたんでしょうね」
「多分ね...」
「今日は途中で上がる事も考えたのですが、そうしなくて本当に良かったです」
「あの子も、カランカランしてるのに出てくるなんて、どうかしてるよね~」
「子熊は川の方から這い上がってきて、林道脇の草むらに隠れていたんでしょうね。そして、ワタクシたちが接近してくる恐怖に負けて飛び出したんだと思います。すぐ後ろに親熊がついてきてなくてホント良かったです...。飛び出した子熊を守る為に確実に出て来たと思いますよ。殆ど逆ギレなのですが...。ん〜...あれは親の教育が悪いっ(+∀+)!!」
「そうだ!そうだ!!でも、前に出てこなくて本当に良かったね~...」
「ワタクシたちが踵を返して山奥へ帰って行くわけにもいきませんしね...」
「それにしても、とうとう遇っちゃったね...」
「ネ~...。さて...この話、イモートさんにするのが楽しみだ~っ(+∀+)はは!!」

今回は、無事に帰ってくる事が出来ました。
あらためて思うのは、二人でいて良かったという事です。
もし事が起これば、互いを守る事はおそらく出来ないでしょう。
それでも、二人でいた事で少しでも平静さを保つ事が出来たと思います。

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# by motoronron | 2012-09-15 23:25 | 三笠 | Comments(12)
長々と雨が降り続け、とうとう岩見沢の一部では洪水になったとか〜。

Ryoは明日から また一ヶ月間お仕事の旅...。
最終日、いろいろ候補地を上げた結果、小平に決定。
昨秋、初山別の帰り道、一日遅れで冬期封鎖されて入る事が出来なかった、
「A級記念の川」に行く事になりました。
次回、Ryoが帰って来た頃には、また封鎖されているので最後のチャンスです。
増水で収穫は期待出来ないでしょうが、新地開拓も兼ねて出発しました。
石狩川は濁り、やや増水しています。途中の支流も普段より水が多い様です。
小平も雨が強く降ったらしく、どの川も河原が無くなっていました。
「A級記念の川」は立派な舗装道路沿いあります。橋が現れる度、下を覗き込みますが、
トートーと流れ、採取はキビシそうです。
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横沢ならばと密かに期待していた「日本一多い姓の沢」に近づくと...。
車とおいちゃん3人...。これは、まずい(+∀+;)。
車を停め、声をかけると一人の方は大阪からいらしたそうです。
「も〜、メチャメチャ採れましたわ〜!ニッポなんか採り放題でしたわ!!」とのこと(+∀+;)。
この沢に入る気も失せ...さらに上流を目指しますが、すぐにゲートがありました。

右手に川が見えます。随分深いのですが、降りやすそうです。
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間違いでした...(+∀+;)背よりも高い葦&笹地獄で川に着いた頃には汗だくのヘトヘト。
んで、降りてすぐに熊タンの足跡発見〜。テンション下がりMAX(+∀+;)...はぁ。
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ノジュール少なめ...川水多め...望み少なめ...熊跡多め...採取少なめ...汗多め。
少ないながらも、Ryoは良さげなものをゲッチョしました〜。
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その後、本流の一部、支流の「桑畑三十郎が出て来そうな沢」、小平蘂川支流の「3x5線の沢川」をチェック。
「3x5線の沢川」は石炭が多く、化石痕跡あるも、結局増水で下流方面へも上流方面へもいけず...。
結局、おなじみの「中くらいの記念をして別れる川」のおなじみポイントへ(+∀+;)。
安心安定の産地。林道は荒れ始めていますが、まだ、ギリギリ大丈夫〜。

水たまりが大きく、これ以上先には行きたくありませ〜ん。
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車から降りると、まず熊タンチェック(+∀+)...いませ〜ん。
ん、水たまりの中に...
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や、やっぱりでかアンモさん。でも、破片でした〜。残念(+∀+;)。

ノジュールはやはり少ないです〜。
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謎化石をゲッチョしました〜。
甲殻類の香り...(+∀+)。
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小梅ちゃんの香り
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Ryoはコザコザ系を中心に集めていた様です。
イイ感じのもゲッチョ。今日のRyoはついています。
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最終日、無事終わりました。短いながらも、いろいろ収穫のあった日々でした。
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詳細は後日、記事にします〜。

今、Ryoの飛行機が千歳から飛び立った頃です。がんばって〜(+∀+)。

次回の探検は10月下旬。
赤たんと帰省するイモートさんとの旅になります〜(+∀+)。
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# by motoronron | 2012-09-14 14:14 | 小平 | Comments(12)
家庭菜園に行く途中、望来の崖に寄りました~(+∀+)。
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海水浴シーズンには行かないので本当に久しぶりです。
海からの風が吹いていましたが、波は高くありません。
数日続いた強い雨のため崖の下は大量の土砂が積もっています。
ヌルンヌルン状態の場所もあり、嵌ると大変です。
ワタクシ、クロックスがすっぽ抜け...裸足で泥の中を歩いてしまいました(+∀+;)。
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所々、小さな滝が出来、崩落を助長します。
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「崖の上の畑、どんどん小さくなっちゃうね」
「ん〜...ここの上の土地は動産ですからね〜(+∀+)」

海水は濁っています。泥岩層が露出し、ノジュールが入っているのが見えます。
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波打ち際にノジュールがゴロゴロしているハズなのですが...残念ながら見えません。
それでもRyoは一生懸命海の中に入り、探し出してきてはパンパンしています。

北の方から、お高そうな一眼レフを肩にかけた、ジーンズと帽子とおヒゲのよく似合う
ダンディなおじさまがやってきました。軽く挨拶を交わすと、ニコニコと過ぎて行きました。

海側はRyoに任せ、ワタクシは崖によじ登り化石を探します。
オウナガイの美品を見つけました。多産する割に美品は少ないのです。
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大型の巻貝とキヌタレガイの一部が覗いていましたが、どちらもモロモロでした。
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怪しげなデコデコ貝化石の一部を発見(+∀+)。。。なんでしょね〜。
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崖の上から黒い雲が出てきた~...と思っていたら、急に大粒の雨が降り始めました!!
慌ててカメラをTシャツの中に入れ、前屈みになって歩きます。あっと言う間にビチョビチョです。
向うからダンディなおじさまも同じ様にTシャツでカメラを巻き、早足でやって来ました。
「ひどい雨ですね〜(+∀+;)!!」
「すぐやむと思うんだけど...わ〜!!」おじさまは大慌てで過ぎて行きました。
片手には先ほど持っていなかったハズの布袋。もしかして化石も採取したのかしらん?
こんな天気でなければ、いろいろお話できたのですが〜。

今日の望来は浜がすっかり狭くなっていました〜。
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収穫は少なかったですが、久しぶりの望来、楽しかったです〜(+∀+)。
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# by motoronron | 2012-09-14 11:45 | 石狩 | Comments(2)
9月上旬

Ryoの長い仕事が終わり、北海道に帰って来たあくる日の午後。
2ヶ月ぶりにダイスキノ川を訪ねました。

青空と雲のコントラストが鮮やかな秋晴れの良いお天気です。
夕張市街を抜け、あと少しでダイスキノ川。お菓子を食べながら遠くを眺めていたRyoが
「なんだか、近づいてくるとドキドキとワクワクが一緒になった感じがする...」と言いました。
「わかります(笑)独特な感覚ですよね。さて...今日は何が出ますかね~(+∀+)?」

久しぶりの林道です。入口付近に看板が増え、少し不安になりましたが、進入禁止ではない様です。
いつもの砂防ダム横のスペースに駐車しました。ぬかるみの足跡が気になりましたが、
よくよく調べると、シカの足跡が重なり、怪しげな形に見えたのでした。
安全を確かめ、さっそく着替えをします。
Ryoは久しぶりとあって気が逸っている様で、さっさと用意を終わらせ
「ね~、先行ってるよ?」
と、一人で草を掻き分け川へ降りて行ってしまいました。
ややあって、下から弾む様なハンマーの音が聞こえて来ました。
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木漏れ日を透かし、飴色の陽炎の様に揺らめく川の水にザブザブと蹴る様に入ります。
何とも気持ちが良い瞬間です....。

「うげろん...!!!失敗しました...(+∀+;)!!」
「どしたの?」
「...やっぱり、久しぶりだと、なにかと不備があってダメですね。時計の電池は切れてるし、化石用じゃないメガネをしてきちゃいましたし、そして....穴の開いている方のウェーダーを持って来たみたいです..。あ~ぁ...はやくも浸水しております...」
「どうせ、汗でグチョグチョになるんだから一緒じゃない?」
「ん~...ちと違うかな...(+∀+;)」

朝から吹いていた風は午後になると止んでしまいました。
秋とは言え日差しは強く木陰から出るとすぐに汗が滲みます。
今日のダイスキノ川は、どうも化石が少ない日の様です。
最近来た人もいる様で真新しい割跡が多くあります。
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数十メートル先をRyoが歩いていました。カーブの向うへ消え、しばらくして、
「パンッ!!!!!パパッ!!パパリパパリッタタパパ....パパンッ!!!パパンッ!!!!!」と破裂音がしました。
爆竹の音だとすぐにわかりましたが、状況がわからず慌てて鐘を鳴らしながらRyoの方へ向います。
Ryoは目を丸くして辺りをキョロキョロ見回していました。
「誰かいたんですか~!?」
「ダレもいないよ~....??」
しばらくの間、虫も鳴くのをやめ、あたりはシーンと静まり返っていました。
頭上に気配を感じ、高い位置にある林道を見上げました。ジッと見ていると
草間に人が歩いているのが見えました。男の人と目があったのですが、
ワタクシの顔を見ながらも歩みを止める事無く、何も言わずに行ってしまいました。
ムムム~(+∀+;)!!!知らなかったとは言え、熊タン除けとは言え...
人の頭の上に爆竹投げて、何にも言わないなんてシドイ(+∀+;)!!!
「途中に停めてあったピカピカの黒い車の人だね」
「この川で工事関係者以外の人に会ったの初めてですね。あの感じは釣りの人ですかね~」
火薬の匂いが漂う中、採集を再開します。

「ん~コレ...(+∀+;)パキさん系だと思うのですが...」
「どしたのソレ?」
「おへその辺りはあるのですが、上と下がキッパリと脈で切れて無いみたいです(涙)」
「ビミョ~....」
「でも、今日あまり採れない予感がするので、一応、林道脇キープしますね」
ポーンと高い林道の側の草むらへ放ります。
「アタシ、金色ポリプチ採ったっ!!」
「短っ(+∀+;)!!!!いくらなんでも短っ!!!」
「...最近、ちょっと化石グルメになってきてるからって...」
「たしかに...以前なら何でも持って来ていましたが...(+∀+;)それはちと...」
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この沢は、泥岩層の露頭がいくつかあるのですが、アンモに限らず、
泥岩直inの化石をまだ見た事がありません。
ほぼノジュールからの産出です。巨大な亀甲石も沢山ありますが、これらからも出た事がありません。
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「あ、これ....もしかしてインターさん?」
「シマシマのヤツ?」
「去年、イモートさんと来た時に採取した大きな破片の一部だったらイイな~と思って」
「来るたびに、ひとつずつパーツが増えると...」
「月刊デアゴスティーニセラス(+∀+;)?」

化石の数が少ないので、My地図をより詳細なものとするため、露頭や横沢の写真を撮りまくります。
目印にしている、長らく決壊していた林道の橋が補修されていました。
川の中に転がっていた排水管を再利用し、トン袋と周りの土を盛って固めただけの様で、
またすぐに壊れそうです。ワタクシたちにとっては都合が良いのかもしれません...。
普段は、この場所からスタートするか上がるかなのですが、
今日は化石が少なかったため、まだ時間があります。さらに進む事にしました。
ここから先では、倒木が幾重にも重なった箇所が多くあらわれ、体力を消耗します。
前回、危なげに傾いていた木も全て倒れた様です。
殆ど活躍の無いツルハンマーは只々重く、木に引っかかり歩行の邪魔をします。
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Ryoはすっかりくたびれ、無口になってしまいました。ワタクシも随分汗をかき疲れてきました。
「Ryoさん、体、大丈夫ですか...?」
「疲れた....」
「もう少しで上がるポイントなので、頑張って下さいね」
「も~....あまりに化石無いからさ~、テンション上がらないんだよね」
「それに、初日だから余計バテますよね」
「コザコザ系も少ないんだよ?」
「いつも、何かとある川ですからザンネンでしたね」

ようやく、終点の広い場所に出て来ました。
先行者もここから上がったらしく、途中、何度か見た靴跡が川縁の斜面に上向きに残っていました。
結局、最後まで先行者の後をついて歩いた様です。

林道を歩く足取りも重く、ゲートの下を潜った後、立ち上がるのすら億劫です。
「ん~...今日はイマイチでしたね~...」
「今日は最悪のブログだな」
「まぁ....そうですね。報告すべき事が殆どありませんからね~(+∀+;)せいぜい爆竹投げつけられた事くらいですか」

いつも熊の足跡が濃厚なポイントをチェックしながら歩きます。
ここ数日は歩いていない様ですが、もう少し秋も深まると無数の足跡が見られる事でしょう。

「それにしても、車...遠いなぁ...」
「今日は"慣らし"と言いながら、中間ポイントで上がらないで全部通しましたからね」
「....疲れた...おなかすいた...。」
「頑張って....今日は帰ったら海老フライ丼にしますよ」
「お漬け物は...?」
「大丈夫、作ってありますよ。明日はゆっくり過ごしてくださいね」
「えっ!? 小平は〜?」
「えっ!?(+∀+;)ムリムリ!!絶対ムリ!!」
「じゃ...明後日だな..........おなかすいた...。」

ふたり、トボトボと帰りました。

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# by motoronron | 2012-09-12 15:44 | 夕張 | Comments(8)
先の記事、新十津川町「ホロッと来ちゃう尾が白い川」の追加写真です〜(+∀+)。

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# by motoronron | 2012-09-10 20:53 | 新十津川 | Comments(10)