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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

マボロし産地には年に一度現れる幻の産地があります。
そこで、初めて長めのナエフィアを採取しました。
けれど、クリーニングの際バラバラにしてしまいました。
どうにか繋げたものの、隔壁が壊れてしまったためか
完全に元どおりには出来ませんでした。
13段 47mm
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内殻、鞘形類つながりで、おなじみのトグロコウイカを...
19mm
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連室細菅が見えます。
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# by motoronron | 2016-02-15 02:58 | 道北 | Comments(16)
石狩市モーライ海岸へ化石採取に出かけて、どなたでも簡単に採取できるのが
シロウリガイの一種「ワタゾコウリガイ」です。
崖に密集層があり、そこから落ちたものがいくらでも拾えます。
層が丸ごと落ちて、浜に岩の様に転がっていることもあります。
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大きさは45mm前後
シロウリガイの仲間は殻長100mmを超える種も少なくないので小型のタイプと言えます。
白く装飾のない地味な貝で面白みにかけるかもしれませんが
本来ならば深海に生息する貝ですから、日常見ることは出来ない珍しい貝です。
ワタゾコウリガイは「化学合成生物群集」のひとつです。
海底から有毒な硫化水素やメタンを含んだ水が湧き出す「冷水湧出帯」に集まって暮らしています。
普通の生物ならば即死んでしまうような環境ですが、
鰓の細胞内にそれらの有毒物質を分解して、栄養に変えてくれる菌が共生しています。
ですから、エサを食べる必要はなく消化管はすっかり退化しています。

…と、いうのがネットでも、よく出てくる基礎知識。
以下は、長い余談の様なものです。

モーライから化石採取をスタートしたワタクシ達も
これまで沢山のワタゾコウリガイを集め、時には汗だくになって密集化石を持ち帰りました。
2008年8月
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最初の頃は単に「シロウリガイ」と呼んでいましたが
後に「ワタゾコウリガイ」と知りました。
『札幌の自然を歩く』(北海道大学出版会)、ネット、石狩市資料館のHPでも、
そう紹介されています。
地質図幅「厚田」の説明書にはCalyptogena pacificaとあります。

当時、ワタクシが入手した図鑑には「ワタゾコウリガイ」は載っておらず
「さすが専門家様は随分とマニアックな貝まで調べることが出来るんですね~…
そんな本があったら欲しいな~」と思ったものです。
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昨年、少し良い貝類図鑑を購入したのですが「ワタゾコウリガイ」は載っていませんでした。
「このレベルの図鑑で載っていないのなら、もう論文を見るしかないのですか」と残念に思いました。
この時、うつかり九兵衛なワタクシは学名までよく確認しなかったのです。
実は「ワダツミウリガイ」という種の写真の下にCalyptogena pacificaとあったのです。
説明に70mmと記載されていたのも除外してしまった理由です。
図鑑の「ワダツミウリガイ」はモーライのものに比べて、1.5倍も大きいだけでなく
なんとなく後縁が丸みを帯びて、少々違う種類にも見えます。
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コンテナの中を見てみましたが、モーライでは平均42mm程、
小さいものなら35mm、最大でも50mm程度です。
70mm近い大きなものは一度も見たことがありません。
これは現生との差なのでしょうか?それとも地域差でしょうか?

この件について、三笠市立博物館学芸員の加納さんにお尋ねしたところ…
学術名は和名・学名問わず「先取権」がある。
適当に名前を変更することはありえないので、例えば「ワタゾコ」が先だと思ったら、
実は「ワダツミ」が先だった…ということもありえる。
また、先に名前をつけたとしても、記載が有効になるためには
「広く色々な人が読める」ような「出版物」に「ルールに従ったフォーマル記載事項」を
付している事が最低限の条件となる。

というご回答をいただきました。

言うまでもなく、これは一般的なケースのお話しであって
今回の「ワタゾコウリガイ」or「ワダツミウリガイ」の理由は依然として不明です。
1976年発刊の「日本産軟体動物分類学(二枚貝綱/掘足綱)」は
当時、スタンダードといえる図鑑だったそうですが、
そこには「ワタゾコウリガイ」と記載されているそうです。
では、なぜこの図鑑では和名が違うのか?個人的には大変興味がありますが、
しばらく、Calyptogena pacificaと学名で呼ぶのが妥当でしょうか。
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「ワタゾコウリガイ」にはタマガイの一種による食痕が残されていることが多いです。
正確に調べたわけではないのですが、印象としては明らかに多いです。
モーライの二枚貝中、ワタゾコウリガイ、ツキガイモドキ、キララガイ、
シラトリガイには多くの食痕が見られます。
しかし、キヌタレガイとオウナガイに残されたものとなると、思い出せないほどです。
キヌタレガイは泥にある程度潜っているため免れているのかもしれません。
オウナガイはどうでしょうか?イメージとしてはワタゾコウリガイ同様、
ある程度、泥から体を出して密集していそうです。
しかし、小さな個体でも食痕はあまり見られない様に思います。この差はなんでしょうか?
ワタゾコウリガイが圧倒的に数が多いため、そう感じるだけなのでしょうか?
けれど、モーライを歩いていて、オウナガイとキララガイならば、
オウナガイの方がずっと多く見られます。
しかし、多くのキララガイに食痕があるのに対し、小ぶりな個体であっても
オウナガイには食痕が少ない様です。一体、どの様な理由なのでしょうか...。
この件は、オウナガイの生息状況を詳しく知らないので、
あまり意味のある話ではないかもしれません、いずれ、明確になりましたら
追加の記事を書くなり、当記事を修正し報告いたします。

「ワタゾコウリガイ」なんて、変わった名前ですよね。
漆黒の闇の中、真綿の様に柔らかな深海の泥に包まれひっそり暮らす白い貝たち…
こう言うと、なかなか詩的で良い名前にも思えます…が、違います。
ヒントは「ワダツミ」の方にあります。
戦後出版され、今も読み継がれる「きけ わだつみのこえ」という学徒兵の遺稿集がありますが、
この「わだつみ」は、日本の古語で「海の神」という意味です。
分解すると…
「わた」=「海」
「つ」=「の」
「み」=「神」
となります。
「ワタゾコ」は「海の底」ということだったのですね。

長くなりました。まだまだ疑問は尽きませんが、今日はここまで…。

毎度ながら、ご指摘、情報提供、愛の告白、おいしいもの系ギフト…なんでも歓迎いたします(+∀+)。
今、カニが食べたい気分かな〜。。。。フグでもイイな〜。。。お酒も好きです。。。
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# by motoronron | 2016-02-14 04:00 | 石狩 | Comments(18)
2013年 6月
ナイナイのアルアルの川を2年半ぶりに歩きました。
大きな岩を叩くとアンモの破片が飛んで川に落ちました。
慌てて拾い上げると、これまで見たことのない肋。
「サントニアンでこんな肋といえば...ワタクシには全然わからんちん(+∀+;)...」
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1年と半年が過ぎ、2014年末の整理時。あらためて見て気付きました。
「これは...コニアシアンの大きくて薄いスカフィテスなのでは?」
(1年半で少しは学習したようです(苦笑)
はたしてその通りでした。滝の下流の白亜紀ゾーンは
サントニアンと思っていましたがコニアシアンもある様です。
元の保存が悪かった上、二分割されてヒビ割れて欠損アリ、大変見苦しい状態...再び放置。

さらに1年以上経った...本日。ネタを探していて、この化石を思い出しました。
「これなら、クリーニングすぐ終わるかしらん(+∀+)」
ところが、石が硬く予定の3倍も時間がかかってしまいました(涙)。

休憩時、母岩を眺めていると、サメの歯を含みそうな石に見えました。
「スカフィのクリーニング終わったら後ろをスライスしてみましょうかね...」
作業を再開して間もなく、殻口の側からサメの歯の化石が現れました。
入っているとしたら裏側〜と予想していたので、
突然、真横から出現して慌てました〜(+∀+;)。
スカフィテス・シュードエクアリスという種なのでしょか〜??
良い標本ではありませんが、どちらも大きめですし、思い出のある産地の化石です。
アンモ 42mm
サメの歯 17mm
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# by motoronron | 2016-02-13 00:00 | もろもろ産地 | Comments(12)
モーライの海岸で、よく見かける二枚貝のひとつがキララガイです。
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通い始めた頃、岩の表面にキララガイの独特な殻の模様が少しだけ残っていました。
何かの抜け跡であると思い、削って持ち帰りましたが、正体は全くわかりませんでした。
こんな模様の貝がいるとは知らなかったのです。
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しばらくモーライを歩いていて、崖下の堆積した土砂の中から風化した銀色に輝く貝化石を見つけました。
キララガイでした。けれど殻がすっかり剥離していたため、以前持ち帰った抜け跡には結びつきませんでした。
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後に、ボロボロのキララガイを見つけ、謎の模様の正体を知った時は本当に嬉しかったです。
時折、Ryoさんと当時を思い出しては笑うのですが、
化石採取を始めた頃は堆積に含まれる大量の化石ですら、なかなか見つけられなかったのです。
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さて、石狩市が作った比較的新しい望来産出化石リストを見ると、
キララガイの仲間は、3種類出ているそうです。

・キララガイ
・オオキララガイ
・カラフトキララガイ

キララガイは小型で形が特徴的なので、すぐに分かりそうですが
オオキララガイとカラフトキララガイは似ていて困ります。
また、「大きい」キララガイが、オオキララガイと思いがちですが、
カラフトキララガイの方が大きいようです。

化石コンテナの中から厚みの違う2種のサンプルを選びました。(これらはほぼ同じ殻長です)
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例によって一覧にし比較してみます。
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一番右の欄、殻長の数字が大きいほど「薄く」感じるということです。

・オオキララガイと比べ、カラフトキララガイは大きいが薄い
・望来キララは膨らみが強く、殻長平均42mm(最大45.5mm)と、現生種の1.4〜1.6倍の大きさ

望来キララがそのままの殻長で図鑑キララガイの殻幅の数値に近づくためには、
以下の様にならなければなりません。

<望来キララ厚タイプ>
オオキララガイ→ 2mm薄く(-11%)
カラフトキララガイ→ 6mm薄く(-32%)

<望来キララ薄タイプ>
オオキララガイ→ 2.5mm厚く(+19%)
カラフトキララガイ→ 1.2mm厚く(+9%)

固体変異の少なそうなキララガイですが、
10%前後の厚みの差を重要とみるのか、単なる個体差とみるのか...。
ワタクシ、身長10%も伸びたらウレシ〜な〜(+∀+)。


『一応の結論』
●望来のキララガイはとっても大きいみたい(+∀+)!
●耳状突起が目立って、厚みがあったらオオキララガイ
●耳状突起が弱く、薄かったらカラフトキララガイ
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『新たなる疑問』
●キララガイは数百万年のうちに小さくなっちゃったの?
●望来のキララガイ化石が大きいのは、この産地に限ったことなの?
●現生も産地でサイズが違うの?
●実は...望来のはキララガイの一種で...本当は現生種とは違う、という可能性もある?

今回も間違えている可能性大!!と声を大にして言いたいです(+∀+)!
ツッコミ、訂正、ご指摘、プレゼント、祝電、お小遣い...なんでもかんでも受付中〜(+∀+)。
ハッキリするまで、ず〜っと募集しまする〜。
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# by motoronron | 2016-02-12 00:00 | 石狩 | Comments(14)
2013年 8月
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この日、いくつかの砂防ダムを越え、汗だくで歩いたナイナイのアルアルの川は結局ナイナイでした。
落胆しつつ、細くて急な横沢から林道へ上る途中、苔むした大きな岩に目が留まりました。
「Ryoさん!アンモの背中が見えてます(+∀+;)!!しかもニコイチかも〜!」
「よかったね〜。どんどん割っちゃって〜、アタシ先に上がってるよ〜」
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割るとヨコヤマオセラス・イシカワイが2個、重なった状態で出てきました。
壊してしまいましたが、当時のワタクシたちにとっては十分良いものでした。
最後の最後で、どうにか化石を手に出来てホッとしたのでした。
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110mm 90mm
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ガサガサして、やや脆い砂岩質のノジュールにはヨコヤマオセラスの他に
ヘテロプチコセラス、ダメシテス、ワタクシたちがイナズマ・ハイファントと呼ぶ未定種?
(たしか...三笠の博物館にもいたと思うのですが...名前ありましたっけ(+∀+;)?)
そして、裏の苔をむしり取ると、サメの歯の破片が出てきました。
嬉しいおオマケ付きだったのです。
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# by motoronron | 2016-02-11 00:00 | もろもろ産地 | Comments(6)
めったにアンモナイトの写真が出てこないワタクシ達のブログ。
出し惜しみしているワケではなく、クリーニングをめったにしないからです...(+∀+;)。

2012年9月に採取したアンモ。

苦労して背負ってきた割には微妙な化石ですね...(苦笑)。

プゾシア 135mm
テトラゴニテス 75mm
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# by motoronron | 2016-02-10 14:49 | 三笠 | Comments(10)

モーライで、シロウリガイやオウナガイほどではありませんが、

割と良く見る貝化石のひとつがツキガイモドキ(ルシノマ)です。

キリリとした板状の肋が美しいです。

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ポピュラーですが、状態の良いものはあまり無いように思います。

ワタクシたちも随分集めましたが、しっかりしたものは希少です。

コンテナの中を見てみましたが、やはり選別した割に大したものがありませんでした。


モーライの貝化石の記事やリストの中では

ムカシオオツキガイモドキと紹介されていますが、正直、本当に一種類なのか疑問に思ったりもします。

変形や破損、個体差で、そう感じるだけなのかもしれません(+∀+;)。


コンテナの中、ひとつ違和感のあるものを見つけました。

当時はツキガイモドキだと思って持ち帰ったのでしょう。

殻長65mm

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いかがでしょうか?膨らみがとても強いです。

お仲間だとは思うですが…別種に見えます。(どーしても写真の右側が切られてしまぅ〜)


ざっと計測してみました。

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もっちりさんは、厚みに対して殻長が1.7倍。

他の1-6番までのツキガイモドキは平均して2.1倍ですから、明らかに厚みがあります。

少々風化しているとは言え、板状の肋が弱く肋間も違うようです。

いろいろ調べてみましたが、断定するまでには至りませんでした。

ぜひ、皆様のお考えやアドバイス等お聞かせください。


ツメタガイなどによって開けられたと思われる穴が、

適当にチョイスした6つのうち4つにありました。

これは結構な確率ではないでしょうか。

穴の開いたキヌタレガイは見たことがありません。

やはり、生活スタイルが大きく違うからなのでしょう。


こちらは、とても重いノジュールの中から出てきました。

この産地のツキガイモドキでは最大サイズだと思います。

殻長約90mm

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# by motoronron | 2016-02-09 23:59 | 石狩 | Comments(16)
fossil1129さんの記事と勝手にコラボです〜(+∀+)

2014年 11月下旬

Ryoさんと三笠マーガレットの沢へ行きました。
その一ヶ月前、ワタクシはapogon2さんとK師匠様のお供をさせて頂きましたが、Ryoさんは初めてです。
かねてより「行きたい!行きたい!」と言っていた沢です。
昨晩降った雪の残る林道を水溜りの氷を割りながらしばらく進みます。
「結構奥なんだね」
「入口から沢まで8kmほどありますからね。こんなカーブがずっと続きます。でも工事中なので道の状態は良いですよね」
「どんなところかな~。楽しみだな(^ ^)」
「メインはサントニアンです。ワタクシは前回スカフィを採ったので一部コニアシアン、場所は特定出来ていませんがカンパニアンもあるようです」
「なんでも採れちゃうね(^ ^)」
「まぁ、あれば…ですけどね(+∀+;)」
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冬の初めの午後、深い沢は少し薄暗く、谷間を冷たい風が流れます。
「時間がないのでサッと流して、来年の春にまた来ましょう」

まだ記憶に残るapogon2さんやK師匠の割り跡の解説をしながら進みます。
「コザイのも結構あるね。こーゆー川が好きよ」
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「少し水が引いたせいか、思ったよりも石が残っています」
「コレなにかな?ちょっと割ってみて」
「ダメシ? でもキールは無いですね。あれ、裏側に変わった肋の断面が見えます」
縁を軽く叩くと薄く石が剥がれ、見慣れぬ肋が現れました。
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「これって、もしかしてアナゴー?サントのアナゴーなのですか(+∀+;)?」
「肋がこんなにペタンとしててもアナゴーなの?」
「コニアシアンでよくみるリマタムはモコモコ肋ですが、サントニアン~カンパニアンのアナゴーはこんな感じだと思うのです。以前、apogon2さんがブログでヤマシタイを紹介されていましたが、やはり幼殻はアナゴーらしくツルンとしていました。多分これはヨコヤマイという種だと思います」
「へー、サントニアンでアナゴーが出るんだね〜」
「ちょっと不完全ですが、住房まであるのは初めてです。Ryoさんやりましたねっ(+∀+)!!」

アナゴードリセラス・ヨコヤマイ
長径11cm
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# by motoronron | 2016-02-08 20:54 | 三笠 | Comments(14)