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化石のはなし

motoron.exblog.jp

北海道で化石採取をしている motoron と Ryoのブログです。

浦河・2日目・白亜紀の川

様似の川では散々な目にあったワタクシたち。再び、浦河へやってまいりました。

午後になり、あまり時間は残されていません。
まずは...コールド・ムーン・リバーへ。
キレイな舗装道路がつづきます。2Kmほど入ったあたり、左手に大きな農家があり、
右手には採土していると思しき露頭があります。
一応、何かオモシロイものが無いかしらん?と露頭をチェックしましたが何もありませんでした。
北東に進路が変わります。川も近くを流れていますが登り道になっていて、
川との高度差がついてしまいます。
支流に沿う林道もありましたので、こちらへ車を進めました。
しかし、雪融け水で道路の状態は悪く、ぬかるみも多いので奥までは行けません。
仕方が無いので川の分岐点からスタートしました。
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「あ、川底の色が違うよ」
「泥岩層でしょうか?降りてみましょう」
斜面を降りて行きます。やや谷状のところを流れているため、周りには残雪が多いです。
これまでの川よりも化石の香りが2割増しな気がします。
「ガッパイウニいないかな...」
「やっぱり、ウニ好きとしては絶対欲しいですよね~(+∀+)。弥永さんのところのガッパイウニは黒くてツルンでしたけど、磨きじゃないですよね」
「あのクリーニングの感じはノジュールからじゃないと思うな~」
「きっと泥岩層に直インですよ」
「楽しみだな~。どこかな~(^ ^)」
...ここまで、Ryoに良い化石を採らせてあげられず、少し胸が痛みます。

早速、上流に向かって歩き始めましたが、やはり無いです(涙)
根本的にソレっぽい石が少ないのです。泥岩層もチェックしますが何もありません。
時間が少ないので二手に分かれる事にしました。Ryoは本流をワタクシは支流を。
だんだんRyoの鐘の音が遠ざかって行きます。シバシノワカレ...ケントーヲイノル(+∀+)!!
あと熊タンには気をつけて...。

相変わらず雰囲気は良いのですがありません。何となくカンで川縁の泥を掘ってみると
手のひら大のノジュールを見つけました。洗ってみると何か入っています。
よく観察するのももどかしく、ハンマー振りました。
不完全でしたが大きめの黒いイノセラムスが重なりあって出て来ました。
もはや、グズグズのイノセラさんでもウレシ~(+∀+;)。。。
あるっ!!ココの川には化石があるある~!!
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しかし、沢と林道がこの場所から大きく離れてしまうのです。
他にも出て来そうな予感がして先に進みたいのですが、
一人で行かせてしまったRyoの事も心配なので戻る事にしました。
やや行くと、足下に短い干し草の様なものがワンサカあります。
シカの脚の骨がいくつも落ちていました。モハモハしていたのはシカの毛だったのか~。
あ~ヤな予感。。。間もなく、角も立派な頭骨が出てまいります。
コレは...ちとナマナマですね~。ドライだったら持って帰るんだけどな~。
今度は背骨と骨盤がニョロンと落ちています。
暫くしゃがみ込んで骨を突き回して観察していたのですが、気付けばそこら中に熊タンのウンチさんがテンコモリ....!!!
どぅえ~....「熊タンに気をつけて~」はワタクシの方だったのか(+∀+;)!!!???
イッパイあるな~...。あ~あ...まだフレッシュなのもあるじゃないですか~。
食卓なんだかトイレなんだか...。
キョロキョロ辺りをうかがい、当り鐘を手に持ちカランカランカランカラン...鳴らしてみます。
「ワタクシはこのシカさんにはキョ~ミないですよ~(+∀+;)かえりまー。。。カラコロ」
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本流に戻り、Ryoを追いかけます。
熊タンの事もあったので少し早歩きです。Ryoの鐘の音はなかなか聞こえてきません。
カーブを3つ曲がり、ようやく遠くに赤いジャンパーが見えました。
強く鐘を振ると気がついた様です。鐘を鳴らして返事をしています。
「何かありましたか?」
「ぜ~んぜんない...」
「さっきの支流で大きめのイノセラムスを採りましたよ」
「こっちはぜ~んぜん無いんだよね~...」
すっかりテンションが落ちている様です。
「もうすぐ林道にぶつかるはずです。そこまでにしましょう」
途中、小振りなノジュールを幾つか見つけました。ひとつRyoに手渡します。
「あ...なんか変なの出たよ」
「植物の種子でしょうか」
「こちらは巻貝が出ましたよ。ネ、一応あるでしょ(+∀+;)?」
林道との交差地点が見えて来ました。後ひとつくらい何か欲し~...。
願いが通じたのか、手のひらサイズのノジュールを拾いました。
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「Ryoさ~ん、コザコザ系発見しましたよ~(+∀+)」
「おっ!アンモも入ってるじゃん!?」
「最期の最期でゲット出来て良かったですね...イロイロ入っているみたいですよ。
サンプル程度とは言え、少し収穫があり一安心です。

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「ほらほら、赤ミズバショウ」
「ザゼンソウですね」
「アタシ、ミズバショウよりコッチの方がスキだな」
「キモカワ系大好きですもんね(笑)そういえば...この子は自分で発熱して雪を融かすそうですよ」
「じゃ、コレ、触ったら熱いの!?」
「...いんや...そこまででは....それじゃ煮えちゃいます...(+∀+;)」

ミルキーな川にやって来ました。ここは市街からあまり離れていないので、少々心配です。
建物が無くなってから1km程進みます。
川は場所によって深かったり、道路の下の方を流れていたりします。
どこから降りたものかと悩んでいるうちに、中間地点と考えていた橋まで来てしまいました。
しかし、ここからなら降りやすそうです。
木々の間から大きな露頭が見えます。あれも白亜紀なのでしょうか?
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「今度は公園から突き当たりのT字路まで位の短い範囲です。時間的に、この川がラストです。
今後の為にも破片でも良いので、何か見つけて下さいね」

やはり先行者はいない様です。この川も化石は少ないですが、
欠片の入ったノジュールをいくつか見つけました。これまでよりはマシです。
イノセラムスの破片が多い様です。
Ryoは疲労がたまってきたのか遅れ始めました。
太陽が傾き、光の届きづらい谷間は薄暗くなります。
しばらく何も出ない状態が続いた後、ポリプチの入ったノジュールと、破片ですが大きなイノセラムスを見つけました。
目の前に傾斜のややキツい支流がありました。ここに来て急に出始めたので、
これらの化石はこの沢から運ばれて来たのかも?と思い雪を漕ぎながら登り始めます。
↓は第三紀でしょうか?
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やはり、大きめのイノセラムスの痕跡や破片が多くあります。もう少し登ると沢は分岐していました。
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枝沢はさらに急なのでRyoには待機してもらい、ワタクシだけが登りました。
見つけたイノセラさんはどれも大きいのですが破片ばかり、完全体採取には至りませんでした。
残念ながら、ここでタイムアップです...。
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まだあるんじゃないかな?もっと先も見たいな...と思いつつも、車に戻り、帰り支度を始めると、
どこか「ほっ」とした気分もあり、ワタクシも疲れてきていたかしらん(笑)?と思ったのでした。
さすがのRyoも車に乗るとすぐにウトウト....。井寒台を過ぎた頃にはぐっすりでした。
到着は何時になっても構わないのですから運転も気楽なものです。
途中、富川のセイコーマートでインスタントラーメン、おにぎり、中華まん...で夕食です。
すぐに沙流川にかかる橋を渡ります。
「この川にもアンモがでるんですよ」
「行くか?」
「(笑)グダグダなのに、よく言いますね~(+∀+)あとはずっと寝ててイイですよ...。」
「目が覚めたら、雪国だね....」
ワタクシは二日間の出来事を思い返したり、家についてRyoが「お腹すいたなんか食べたい」と言い出した時の献立を考えたりしながら...夜道をひた走ります。
我が家に近づくにつれ、少しずつ雪が増え、時を遡る様な感覚を覚えました。
春の雪が降りしきる中、11時頃、無事帰宅しました。

今回、奇跡は起きず、普段ならありえないほど収穫物は少なかったです。
何かと残念な事の多い浦河~様似でしたが、ワタクシたちにとっては新地開拓...
それも仕方がありません。いつか、また行きたいと考えています~(+∀+)!!
by motoronron | 2012-08-25 13:24 | 日高 | Comments(8)
Commented by アルビアン at 2012-08-25 18:48 x
こんばんは、一生懸命なハンターには、必ず成果あります。色々歩かれた方が、身になります。私なんかは、浦河地域を徘徊しまして、ボーズなんか当たり前でした、内容を読み、凄く目に浮かびます。楽しいブログ大好きです
Commented by fossil1129 at 2012-08-25 20:14
最後のイノセラは、大きなシュミッティでしょうか?
アルビアンさんがお書きのように
日高方面は本当に大変ですね。

でも、お二人だから、楽しい!!
Commented by はにわ at 2012-08-25 23:40 x
いや~お二人でアタック楽しそうですね
同じ苦労も二人だと思い出倍増ですよ。疲れた体で運転はつらいですからRyoさんはいいですね、羨ましい。北のいろんな沢を歩いてそのうち沢ガイドができますね。
Commented by もとろん at 2012-08-26 01:14 x
アルビアンさん、こんばんは〜(+∀+)。
経験した回数だけ「ナニか」は着実についているハズなのですが、
ナニがついたのか、よくわからず実感出来ずにおります(涙)。
もし本当にアルビアンさんほどの方が浦河でボウズな時があったのでしたら、
ワタクシたちにはあまりに高すぎるハードルでした(+∀+;)。
Commented by もとろん at 2012-08-26 01:18 x
fossil1129さん、こんばんは〜です(+∀+)。
イノセラさん、破片ばかりで全体の形がよくわからず、お名前不明状態でしたが、
いま、白亜紀の二枚貝というページを見てみましたら、
たしかにシュミッティに似ていると思いました。
結構イノセラさんは好きなので、ちゃんとした状態のを揃えて
ブログでご紹介出来たら〜と思っています。
Commented by もとろん at 2012-08-26 01:22 x
はにわさん、いつもありがとうございます〜(+∀+)。
Ryoさんは、ワタクシよりも肝が据わっているというか、楽天的というか...
なので、ワタクシが勇気づけられるコトも多いです。
めったにないですが、Ryoさんに運転をお願いすることもありました。
この話については...いずれブログで書きます〜(+∀+;)。。。
Commented by apogon2 at 2012-08-26 21:23 x
日高巡検記、楽しく読まさせてもらいました。
それにしても精力的な新規開拓・・私も見習わなければならないと思いました。そしていつもRyoさんを気遣うもとろんさん、とても素敵ですね^^。
Commented by motoronron at 2012-08-27 17:04
apogo2さん、まいどさま〜(+∀+)。
日高方面大変キビシかったですが、どんな所かわかって良かったです。目標もできましたし...。
ワタクシたちの場合、あまりに経験が少なすぎるので
採れなくても、いろいろ回らなければ...と思っています〜(+∀+;)。
すんごい化石が採れることはもちろん大事ですが...
Ryoさんが楽しんで化石採集をしてくれることが一番大事と思っています。